アンナの覚悟
「お兄。敵が二手に分かれて攻めてくる。」
アデルとアンナがネージュに叩き起こされた。
「来たか。二手?どんな感じだ?」
心地よい微睡を一瞬で払いのけ、アデルは状況を確認する。
「東門に400、西門に200、こちらは東に230、西に130らしい。指揮に関してはよくわからないけど、ディアスやニルス達は東。ポールもそっち。」
「わかった。そちらに行く。」
すぐに状況を飲み込み、アデルは脇で寝ぼけ気味のアンナを抱えて東へと向かう。アンナはどうも寝つきが良すぎると言うか、寝起きが悪い様だ。ヴェルノは既に準備済みで、アデルが出たら戸締りして追い掛けるという。
周囲はすでに真っ暗だった。町の中であるため道を照らす程度の光はあるが、恐らく外の様子は暗視でもない限り音でしかわからないだろう。アデルは急いでディアス達と合流すべく走り出す。
東の陣に到着すると、そこはすでに緊迫した空気に包まれていた。アデルはすぐに装備で見覚えのあるディアス達と合流する。ニルスとミルテ、ソフィーも一緒だ。
「ここから先は流石に王太子がどうのとは言っていられん。やれるだけやるぞ。」
アデルを見るなり、ディアスがそう声を掛けてくる。
「こちらの初手は?」
「まずは門防衛、外郭の上から弓を撃てるだけ撃って数を減らす。そのあとはバリケードの中から槍、破られたら総力戦だ。」
「……わかりました。」
アデルがそう答えると、腕の中にいたアンナが一際強く腕を強く抱きしめ、声を掛ける。
「お兄様。“全て”を出そうと思います。2人……3人で生き残ったらあとでご褒美くれますか?」
ある種のフラグに聞こえるが、アンナの言わんとしている事は概ねわかる。恐らくこの倍の兵力を撃退しない限り、地上からつまり、アデル達が余所に逃げるという事はもはや叶わないだろう。少なくとも“人族”として出し惜しみする状況ではない。
「わかった。いよいよになれば、ディアスさんみたいに廃業するかばっくれるかすればいいだけだ。」
「おいおい?」
アデルの言葉にディアスが抗議の声を上げようとするが、アデルはポールに声を掛ける。
「光のタイミング、どうしますか?」
アデルの言葉に、北部の戦場で一度共に現場を見て知っているポールはすぐに反応する。
「やってくれるか?タイミングは……君に任せよう。暗視付与の兜があるんだったな?」
「はい。」
「どうするつもりだ?」
ポールとアデルの会話にディアスが入ってくる。
「真言魔法より範囲の広い灯明の魔法を使います。」
「精霊魔法か。どれくらいいけるんだ?」
「一方向に絞れば80メートルくらい?」
「今回は、上から直接使います。半径50メートルくらいでしょうか?」
「広いな……それなら減らせる数も一気に増えそうだ。ソフィー。」
「ええ。上りましょう。」
「「え?」」
アデルとアンナが驚きの声を上げると、ソフィーは怪訝な顔をして、
「外郭の上に登って魔法を使うって意味だけど?」
「ああ、なるほど。」
自分たちの勘違いに気づきアデルは息を漏らした。
「先に上ってくれ。」
ディアスに促されるとソフィーは頷き、東門の内側脇にある梯子に手足を掛けて登って行く。ソフィーがある程度登った所で、アデルがその下に続こうと梯子に手を掛けた時、ディアスが呼び止めた。
「アデル。こちらは外に出て迎え撃つつもりはない。そしてこちらの弓兵は30だ。ソフィーの魔法もいれて、弓兵が1人3体仕留めれば100だ。形勢は充分に変わる。」
「……わかりました。」
一瞬何のことかと思ったが、光のタイミングに関するヒントだろう。そして気づく。この状況ならまだ危険や身バレを冒して上からの照射にこだわる必要はないと。
「アンナ。現時点で無理に上空まで行く必要はない。俺の傍に待機して、合図したら示した方角に前のフォルジェ領と同じやつを頼む。」
「いいんですか?範囲を広げた方がソフィーさんの魔法も撃ちやすいと思いますが?」
「その辺はうっすらでも見えれば何とか調整してくれるだろう。それよりも、相手の突撃で音が聞こえなくなる方が問題だ。タイミングも合せ難くなる。」
「なるほど。わかりました。」
敵軍の突撃の音でアデルの声が掻き消されてしまったら色々不都合だ。アンナも納得し、そう返事をするが……
「「なっ!?」」
「「「おおおおおおお」」」
周囲から驚きとそして感嘆の声が起き、さざ波のように広がっていく。
アンナがパーカーの上から翼を広げたのだ。白い羽毛と羽根を持つ翼が篝火の薄い光の中に浮かぶ。
「色々辛い事もありました。不自由な事もたくさんありました。でももう大丈夫です。」
アンナが梯子半ばで振り返っていたアデルの目を見据えそう宣言する。
「後でお兄様のご褒美さえ頂ければ。」
最後に少しはにかんだ笑みを見せ、アンナは羽ばたくとあっという間にアデルとソフィーを追い越して外郭の上に着地する。するとすぐに矢除けの風魔法の説明をし、弓兵たちに掛けていく。万全ではない。方向を捻じ曲げるだけで矢は消えてなくなるわけではないと説明するが、それでも敵の攻撃を一番最初に受ける可能性が高い弓兵たちには有難かった。
ソフィーとアデルが外郭の上に登ったところで手を差し伸べて乗りあがるのをフォローする。
「後の請求が怖いが、俺一人で払える物にしてくれよ?あとネージュが酷く羨む様な物もなしだ。」
アデルが少々憮然としてそう言うと、アンナは「大丈夫です。」とだけ笑った。
案の定、下でその様子を見ていたネージュも少々憮然としていた。
「むむむ……」
竜人の思考、性格を良く知るディアスがネージュの次の行動を予見し後ろからネージュを抱き留める。
「お前さんのそれは最後の切り札、最終奥儀だ。絶対必要となる瞬間まで取っておけ。」
竜人は珠の有無に関わらず、むしろ無いが故にか自分の力を周囲に見せつけたがる傾向がある。ディアスはうまく言葉を操り、ネージュには敢えて“出し惜しみ”させるように仕向けた。
「むう。最初は真上に飛び上がる事も出来なかったのに。アンナの翼は私が育てた。」
「おう。そうだな。」
ディアスはネージュの言葉の意味を余り理解できなかったが、とりあえずそう答えておいた。それで納得する辺りはまだ子供だ。チラリと横を見ると、ポールは驚きこそないが、アンナの姿に目が釘付けになっている様子だ。
「知ってたのか?」
ディアスがポールに声を掛けると、放心状態となっていたポールも我に返って答える。
「話だけは。」
そう言い、外郭上のアンナとすぐ隣のネージュを見比べる。
「ロゼめ。やはり信用ならんかったか。」
口語調で呟くネージュにポールが慌てて被りを振る。
「聞かされたのは極々少数です。それに例の地図を見てからですよ。ですが、ロゼール様は常に“王女”で有られようとしています。」
少々含みを持ったポールの言葉にディアスが疑問を挟む。
「お前さんら、王女と知り合いなのか?」
「ん。冒険者の振りして何度か依頼受けてた。前に神官の護衛で一緒に北に行った事がある。」
「あの噂は本当だったのか……厄介な事にならなきゃいいがな。」
「大丈夫でしょ。さっきも言ってたし、いよいよになったら廃業するかグランかドルケンにばっくれる。ディアスもくる?結構いいところみたいよ?」
「……あとでプランくらいは聞いてみようか。」
ディアスがポールを見てにやりとしながらネージュの話に乗った。
「その辺りも後程時間が取れる時にお話を。」
ポールが慌てて何か取り繕おうとしたその時、
「動き出した!来るぞ。」
兜の暗視を起動して敵を観察していたアデルの言葉に、一度軽く緩んでいた空気がまた一気に緊迫した。
「距離3000、到達まで10分弱、前衛は蛮族の基本小隊10以上。竜人の姿はまだ見えず。」
「第一報報告しろ!槍兵、最終確認!バリケード内での連携はさっき訓練した通りだ。落ち着いてしっかりとやれ!」
報告をするのはイスタの物見ではなくアデルだった。これは暗視の兜と望遠鏡の相乗効果により夜間にあって一番遠くまで見通せるのがアデルであるためだ。そしてそれに応えるのはポール。東には他にも1名の将軍の部隊が詰めているが、現場指揮はポールが行う様だ。
「距離1500、残り5分!」
アデルの次の報告と同時にアンナが行動を始める。まずは光の精霊の召還からだ。程なく、アンナの背後に体長50センチメートルくらいの人影が現れうっすらと光を発する。
門の内側に築かれた、高さ2メートルほどの格子状のバリケードの裏で槍兵たちが息を飲む。槍兵は、対騎兵の長槍ではなく、アデル同様、片手槍と大きめの楯装備の集団、所謂ファンランクス部隊だ。
アデルの脇でも弓兵たちが息を飲むのが分かる。夜闇の中、現時点で弓兵たちには敵の姿が全く見えていない。ただ迫りくる足音と振動に恐怖を何とか押しとどめている状態だ。
そしてその瞬間がやってくる。
「アンナ、カウントダウンで光だ。弓隊、まずは自分たちの目が眩まないように注意!
10……9……8……」
アデルの声が外郭上の弓兵と、バリケード内側の東門防衛隊全部隊に届く。
緊張感が最高潮に達する中、笑みを浮かべているのはディアスとポール、それにアデルパーティの地表組3人だ。
「《指揮》を推薦したのはやはり正解だったな。出来れば一度専門の――」
ポールが何か言おうとするが、カウントダウンには間に合わなかった。
「3……2……1……光!」
アデルがひと際大きな声を放つと同時に、外郭上の一点から門の外、下方に向けて一筋の光が伸びる。
「弓隊、放てぇ!」
数呼吸於いて、現地の弓隊隊長が号令を下す。すると30名ほどの弓兵が次々に矢を放つ。その多くが見事に命中する。しかし、距離のせいか、あちらの体力によるものか、倒れたのは数体で、他はそのままお構いなく突撃してくる。
次はソフィーの爆発魔法だ。カウントダウンと同時に詠唱を開始されていたそれは、視界の確保と共に完成し、有効射程に届く寸前には敵の速度を見越した目標地点に向けて放たれる。
放たれた直径3メートルほどの火球は数秒飛行し、門から50メートルくらいの地点で着弾すると同時に半径5メートルほどの爆発を巻き起こす。恐らくそのあたりが有効射程なのだろう。敵の雑兵10体くらいを簡単に吹き飛ばした。流石は元Aランク上位の冒険者だ。その爆発音が門内組の部隊の耳に届く。
第1射目、そして魔法の初弾が炸裂した時点で、敵軍の先頭が約40メートル付近の所まで接近していた。
「ゆっくり狙えるのはこれで最後だ。外すなよ……放て~!」
弓隊隊長の号令に弓兵が応える。
今回放たれた矢はその大半がゴブリンやオークの頭に突き刺さり充分な致命傷となった。しかし、同時に向こうの弓持ちが矢を外郭に打上げてくる。
「訓練通りだ!張り出しに身を隠しつつ次の矢を番えろ!」
弓兵たちは、外郭上部に設けられた凸凹の凸の部分に身を隠しながら次を用意する。数本の矢が危険なところに襲い掛かってきたが、矢除けの魔法で少し上にそれ、そのまま上を通り越した。
「最後、放て~」
隊長の号令と共に3射目の斉射が行われる。姿勢に少々の不自由が生じている為、2射目の様な戦果は上がらないが、それでも半数以上が十分な手傷を相手に負わせた。
「姿勢を低くして順番に降りろ!弓は一度内側に投げ捨てて構わん!」
弓隊隊長がそう合図すると、弓兵たちは弓を門の内に投げ込み、2か所ある梯子から撤収を始める。弓兵たちがいた場所には外郭の張り出しを迂回するように放物線状に放たれた毒矢の雨が降り始めていた。
そうこうしている間に、アデルの大楯の陰から魔法の詠唱を終えたソフィーが2発目の魔法を打ち込む。再び炎と爆音が蛮族達を襲うと、やはり10体前後を仕留めた。
「飛び下ります。掴まって!」
アンナが魔法を撃ち終えたソフィーを抱えて門から飛び下りた。その様子を見た下の兵士達が思わず息をのむが、アンナはそのまま翼を広げ滑空してソフィーを下まで降ろすと、すぐにアデルの元へと戻ろうとする。ところがアデルの周囲には下から直接狙う矢と、放物線を描いて降りてくる矢が次々と襲い掛かっており楯を掲げ身を小さくしてなんとか凌いでいる状況で接近は少し難しそうだ。
「アンナ!氷だ。このあいだの仕切りの要領で滑り台を作れないか?」
「単独では少々距離が……水の精霊も召喚します。30秒ほど身を守っていてください。」
アデルは姿勢を低くしたまま梯子の位置まで移動してアンナに言うと、アンナもそれに応える。ただし単独では生成が難しいらしく、水の精霊を召喚しその力を借りなければならないと言う。
「わかった。それくらいなら防げる。頼む!」
光の精霊を一度自然界に戻し、水の精霊を呼び直すのに20秒程かかる。その後水の精霊と意思疎通をして、板氷のスロープを形成すると、アデルは楯を背中に乗せ上からの矢に備えると、足と腕を開き板氷を挟み抱え落ちないように慎重に滑り降りる。
「「おおおお」」
見た事のない魔法と見た事のない運用に周囲の一部がどよめく。
アデルが無事に地面に降りると、アンナは
「もう少し使えます。同じ要領で降りる方は急いで下さい。」
アンナの言葉に、梯子の順番待ちをしていた弓兵たちが、見よう見まねで挑戦する。3人が見事に滑り降りたが、2名は運悪く途中に放物線で飛んできた矢を受け痛みで姿勢を崩してしまうとそのまま地面へと転落した。
「救護隊!急いで救護所へ運べ!」
ポールの指揮に4名の兵士が担架を用意し落下した2名を確認し、息があるのを確かめて速やかに担架の乗せ走っていった。
と、同時にいよいよ門への攻撃が始まる。
何重もに貼り合した板に金属のフレームや骨で補強している門が、ドシンドシンという向こうからの衝撃に、ギシギシと音を立てて軋み始める。
そしてついに門の一部が破れる。隙間からオークが侵入を試み、まだ形が残っている所をゴブリンがこじ開けようと必死に攻撃を加える。
だがそれを指を咥えて見守る理由はない。バリケードの隙間、元々人の出入り用に確保されたスペースから、ディアスやニルス、ミルテを始め数名の騎士が飛び出し、門の突破に苦戦している蛮族を屠る。アデルも続こうとしたがポールに止められた。
「君はこの連携の訓練をしていないだろう?だめだ。」
どうやらアデルがアンナと仮眠をしている間に何かしらの訓練が行われたようだ。知らぬ者が下手に突っ込んでも邪魔になるだけだろうと判断し、アデルはそこで踏みとどまる。そこへアンナとネージュが合流する。
「私ならこんなの簡単に飛び越えられるんだけどなぁ?ロゼが周囲にばらしてたみたいだし?」
「「え?」」
ネージュの言葉にアデルとアンナは驚いてポールを見てしまった。
すると、ポールは首を横に振り事情は後でお話ししますとだけ言う。どうやら“知れ渡っている”という訳でもない様だ。それを察したアデルはネージュを止めた。
「それは最後の最後まで隠しておこう。場合によっては“竜人”を“暗殺”してもらわなきゃならんくなるかもしれんしな。」
アデルの言葉にその可能性と状況を考え、ネージュがアデルの言葉に従うことにしたその時、
ドカーン!と、一際大きな音を立てて、閂が折れ、門が砕け内側に倒れてきた。
それを確認すると同時に、バリケードの外で遊撃していたディアス達は急いで戻り、通り抜けスペースの他、格子状の門を肋木の要領で乗り越えて内側に戻ろうとする。
その背後を突撃してきた蛮族が襲おうとするが、
「アンナ。」
アデルが声を掛けると、既に打ち合わせをしていたか、水の精が数歩移動し、先日の仕切りよりも大きい氷の壁を形成し、そこで魔力を使い果たしたか姿を消した。
「俺も相性いいんだっけ?頑張って水の精霊探すわ……」
「水よりも氷の領分の様ですけどね。」
アデルの呟きにアンナが答える。
「どう違うんだ?」
「本職の氷の精霊が同じことをすると、もっと少ない魔力で格段に硬い壁を作れるそうです。」
「そうか……」
「機会があったらオーレリアにも行きたい。」
「そうだな……」
アンナの返事とネージュの呟きにアデルは同じように返した。
それでも、ディアスやニルス達には十分な時間稼ぎになったようだ。
氷が砕かれた時にはすでに殆どがバリケードの裏側に戻っている。その様子を見ていた蛮族が彼らの真似をしようとするが……
当然、槍衾の餌食である。こいつらアホだ。
「第2防衛体形に移行!各員配置に付け!」
ポールの号令が飛ぶ。
蛮族達も流石にタダで乗り越えさせてくれないことは理解できたようで、乗り越えられないなら壊してしまえとばかり、各々の武器を掲げ大振りでバリケードを攻撃していく。
その一撃ごとに木製のバリケードは軋み、一部は切断されたりするが、無防備に武器を振り上げる蛮族を次々と槍が襲って行く。さらに狭く隔離されたエリアの中、後続で待つしかない蛮族をソフィー始め、イスタや王都の冒険者たちの魔法が襲い掛かる。中にはブラーバ亭の例のAランクパーティのメンバーの姿も見える。
「あれだけ見せつけられたらな!折角勝てたのに空しくなっちまう。まさか、ディアスさんやソフィーさんと一緒に仕事が出来るとは!」
やや興奮気味に言いながら魔法と槍、そして拾いなおした弓でバリケードの向こうの蛮族達を仕留めていく。
これならバリケードが壊される頃には、先の遠距離の先制攻撃も含めて同数かこちらが有利を取れる数には持ち込めるかもしれない。アデルがそう考えそうになった時、町の中央の方からの伝令が届く。
「西門!破られました。バリケードも全壊。蛮族が市内に入り込みました。パニックが始まる前に至急応援を!」
「なんだと!?」
驚きの声を上げたのはポールだ。
「竜人でも来たか?」
アデルの質問に伝令は少し驚いた表情を見せ、
「竜人ではありませんが……巨人です。体長5メートル以上の……」
「トロール……いや、ギガースか?」
ディアスがネージュに視線を送るとネージュは首を横に振る。
「どこから湧いてきやがった。とにかく俺らは向かおう。」
ディアスはポールにそう確認すると、ポールも
「お願いします。状況が更に悪くなる様なら伝令を、こちらからさらに人数を送ります。」
「頼んだ!ソフィー、アデル、付いてこい!」
アデル達は一斉に頷くと、ディアスの後に続いた。




