闇組織
5回目 15分
お題 黒い関係
必須要素 グーグル
検索機能…
それはインターネットに依存する現代人にとって、心のカウンセラーに匹敵する…
これは、ある、心の病を抱えた患者の物語である。
以降ボイスチェンジャー
私があの組織に入ったのは、忘れもしない25歳の誕生日でした。
私は当時の会社の同僚から誘われてとある飲み屋に行きました。
その飲み屋とは、当時はよく流行っていたぼったくりのキャバクラだったんです。
私は、ビールを一本、水割りを一杯飲んだだけでした。
後はその同僚もおつまみとビール、水割りをついてくれた二人の女性に飲ませただけで…
そして会計…
10万円。
当時の私はまだぺーぺーでしたから、10万円といっても驚く程の大金でした。
もちろん払う術はなくて…
後で分かったことですが、同僚は、私より逸早くその詐欺に引っかかった口でした。
そして私のような被害者を10人連れてくれば開放してやろう…という仕組みでした。
ええ。
まるでねずみ講みたいですよね?
私もそう思っていましたから。
結局黒いその組織に脚を踏み入れることになったんです。
はじめは心が痛みました。
しかし。
なれてきた頃には、あの元同僚と同じで、被害者を増やすことに何の抵抗も持たなくなってしまったのです。
それよりむしろ、騙すための知り合いがいなくなったことに悩んでいましたから、いかにあの時私が狂っていたことか。
それからは、黒い関係はますますエスカレートしていって…
つまり、いろんな酒場で、始めて知り合うような若者何かに声をかけ、その場は支払ってあげる。
そしてそのあといい飲み屋があると騙すのです。
こういうわけでアッというまに10人を騙し、私は解放されました。
あの組織は今は一体どうなっていることでしょう?
知りもしないが、それより。
私は心を病んでしまったのです。
というのも。
会社に戻ることは出来たんですが、一度アクの道に染まった人間は、もう後戻りできないのですよ。
意外でした。
それでもそれが現実なのですから。
家族もいましたから引き裂かれるような心地でした。
それでも…
結局医者を頼るほかはなかったんですね?
そして。
医者に勧められたのがグーグルでした。
あなたのような現代人にとって、検索機能は心のお医者さんのような存在なのだと、カルテまで出してくれまして。
それでも半年かかりましたがね。
お陰さまで今はもう元気です。
ありがとう、グーグル。
この番組はグーグルの提供でお送りしました。
オチの一文に届きませんでしたが、一応まとまっていたので投稿します。
何故かタイピングの速度が上がっている。