02話ー初ログインと迷子
ログインした。
VRのゲームが初めてというわけではないが、街の中に転送されてきた感想を言えば異世界もしくはタイムスリップだろう。
別に空を見上げればドラゴンが飛んでいたりするわけじゃないが、鎧などを着ている騎士?や見たことのない生物が引く馬車、そして剣や杖をもったPLたちの姿など、現実世界じゃまず見れない。
おっと、感動はさておき、さっさと行動しなければ。
このゲームには連続ログイン制限がかかっている。
1時間ぐらいなら問題ないが2時間以上連続でログインしているとログアウト後、次のログインまで時間を開けないとログインできない。
4時間連続プレイ後は2時間ログインできないし、6時間連続ログインしていると強制ログアウトをくらい以後6時間ログイン不能となる。
強制ログアウトさえされなければ3時間ほどでログイン可能となる。
これはゲーム内では思考加速をしているためである。
ゲーム内では4倍の速度で時間が進む。
これは、ゲーム内の時間が文字通り4倍なのだ。
PLの体感では、リアル時間の6時間はゲーム内で24時間。これは体感時間でだ。
ゲームの中が精○と時の部屋状態なのだ。
考え事するときはVRの思考加速を使うと凄まじい。
人体への影響がないと言われている限界は24倍らしい。
実際はもっと早めても害はないらしいが、そのへんまでと制限をつけているらしい。
人体への害が無いとはいえ、24時間分脳を稼働させると考えればわかるだろうが、疲れるものは疲れる。
要は休めってことらしい。
今日は4時間プレイを2回行う予定を立てていた。
というわけで、一日中ログインし続けるわけにも行かずさっさと合流したいんだが・・・武器屋で待ち合わせと言われても武器屋の場所を知らない・・・。
取り敢えず街を適当に歩いてみる。
「そこにニーちゃん、もしかして迷子か?」
ふっ、迷子呼ばわりとは恥ずかしいな。
「あんたや、あんた。さっきからキョロキョロなんか探してたやろ?」
「なっ」
し、しつれいな!!
ちょっと同じ所を3週ほどしてただけだ!
「ワイの勘違いならかまへんけど・・・」
「それが・・・武器屋を探してまして・・・」
くっ恥ずかしい。
武器屋なんてRPGじゃすぐに見つかるような場所だろうに・・・。
「あぁ・・・そりゃ見つからんわ。さっきから街の真中付近ぐるぐるしとったやろ」
うわぁ、結構見られてたぁ!
「武器屋は南門のすぐとなりや。ワイも狩りに外行くからちょうどええわ。一緒にいこうや。」
あ、この人いい人かも。
「さっさと狩りいこう思っとってんけどあんさん見とったら、もう一周してくるんちゃうかなってついつい見とれてしもうてな。
もしかして、あんさん方向音痴ってやつか?」
マジでずっと見てたのか。
「助かります。でも俺は断じて方向音痴じゃ無いですよ。」
「まぁ、βテスターじゃなかったら街のMAPなんて知らんわなぁ」
「俺はゲインです。よろしくお願いしますね。」
「ワイはトルースや。よろしゅーな。」
他愛ない会話をしながら武器屋へ向かう。