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第三十九話 尋問??

熊本と大分で地震が発生していることは

既に周知のことですね。


この地震の余波で自分が住んでいる地域では震度4の揺れが来ました。


この作品を読んで頂いている方の中には熊本、大分に住んでいる方やご友人がいる方もいると思います。

そうでなくても被災地に住む方々を心配する人もいるかもしれません。


自分にも熊本や大分に友人がいます。

水を一箱ですが救援物資として送らせていただきました。


この作品はpvが15万を越えています。

この作品を読んで頂いている方一人一人がペットボトル一本ずつ贈るだけで15万人の被災地の方がペットボトル1本分の水を飲む事ができます。


ペットボトル1本の水やジュースでもいい、一袋のお菓子でもいい、1個のおにぎりでもいい。

この作品に足を運んでくれた読者一人一人がそうしていただくだけでも、多くの方を助けることができるはずです!






































「サンライトイエロー・オーバードライブ!!!」








・・・・・という名の波紋が疾走していそうだが、実はただ魔力を纏っただけのパンチが、気絶させられていた魔族に炸裂した。



「!?・・・っ!ぐぎゃあああああああああ!!」


殴られた衝撃で目を覚まし、その直後に体全体を自分のものではない魔力が走り抜ける感覚に襲われ、思わず絶叫する魔族。


「ゼオン殿。そのサンライトイエローオーバードライブとはなんです?」

「いや、単なるネタだから気にすんな。ていうか、よく一発で覚えたな」


セバスのツッコミをツッコミで返したゼオンは、そのまま未だ魔力が走り抜ける感覚に悶絶する魔族を観察する。


「しかし、魔族がこれほどまでもがくような技をネタと言われても納得しかねますが」

「別に、やったこと自体はすげぇ簡単な事だよ。殴った時に魔力を流し込んだだけだから」

「それはそれは・・・」


微妙な表情をするセバスであった。


さて、ここがどこなのかをそろそろ説明しておこう。

セバスと語り合いながらマウンティス伯爵のもとへ着き、魔族の尋問を引き受ける旨を伝えた後に館の地下牢に案内され、今に至る。


「ぐっ、ぐふ!き、貴様!気持ち悪いことを!!」

「だろうな。俺もされたくねぇ」


他人の魔力が体内を駆け巡るのだから、気持ち悪いことこの上ないだろう。


もっとも、この他人の魔力が自分の身体を駆け巡る感覚の気持ち悪さというのは、魔力をもつこの世界の住人ならではのものなんだろうな。というのはゼオンの思考の中での呟きである。


この気持ち悪さを例えるならば他人の唾液や汗を素肌に、ベッチョリとつけられたようなものだと考えてもらうと分かりやすいかもしれない。


「さ~て。目覚めはいかがですかな?魔族くん」

「下等な人間が!」

「ほほう?その下等な人間()に敗れて、こんな地下牢にぶちこまれている哀れな魔族殿はどこのどなた様なんだろうな、ええ?おい。哀れな魔族殿?」


皮肉がたっぷりと込められた言葉に、怒りの表情を浮かべる魔族。


「魔神のためだの、魔王への忠誠だの、なんだのかんだの言ってるわりには」


間を空け、鼻で笑ってみせて。


「魔族ってのは大したことないんだな」


見下し、嘲笑、軽蔑、侮蔑、あらゆる感情が込められた言葉と態度だった。これは魔族にとってはかなりの屈辱きわまりないものであったことは間違いない。


見下していたものに見下されているのだから。


「下等な人間が!たった一度ワタシに勝ったくらいで・・・」


調子にのるな!そう言おうとした瞬間。それは強制的に止められることとなる。


「がぁっ!?」


ゼオンによる顔面を踏みつけるという行為によって。


「いい加減に気付け。てめぇはそんなことをほざいていられる立場じゃねぇんだよ」

「ぐっ!がぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁ!!!」


ミリタリーブーツでグリグリと踏みつけられ、更に体重をかけられる。


「俺の質問への答え以外で声を出せば、その度に痛め付けてやるからそのつもりでな」

「ふ、ふん!そんなことに屈すると思ったか!!」


バキィッ!!


容赦のない蹴りの一撃が、魔族の顔面へと繰り出される。


「がフッ!」

「理解出来なかったようだから、もう一度言う。そして二度と言わないからな?」


胸ぐらを掴んで無理矢理起こし、ゆっくりと言葉を紡ぐ。


「質問の答え以外はしゃべるな。わかったか?」


そう言ってゼオンは手を離す。


「くっ・・・くそ食らえだ」

「・・・・・・」


ガッ!ゴッ!ガスッ!!


「ぐふぅ・・・」

「はぁ~。お前も頑固だな。それとも痛め付けられたいマゾさんなのか?」

「う・・・ぐ!・・・・魔王へ、の・・・忠誠だ!」

「忠誠・・・ねぇ。まぁいいや。最初の質問だ」


どうやら、魔族はゼオンの言葉に従うつもりが無いようなので無理矢理話を進めることにしたらしい。


「ここカーゼル迷宮都市に潜んでいた理由は?」

「・・・・」


魔族は何も言わず、ただ無言でゼオンを睨むのみ。


「答えてくんねぇか?」

「かっ・・・あ」

「・・・?どうした」


何かを言い出そうとしたのかと思い、聞こうとした瞬間。


「ペッ」


口から出たのは、ゼオンの質問への答えでも何らかの言葉でもなく、赤い血の混じったツバだった。そして常人を超える動体視力と反射神経を備えているゼオンは、それをあっさりと避ける。


「・・・そうか」


ただ一言。そう呟いたゼオンは魔族へと魔力念動力の手を伸ばし、その首を絞めながら持ち上げる。


「う"ぅ・・・かっ!」


魔族は成す術なく苦しみ、それに構うことなくゼオンは壁に、天井に、床に、叩きつけ、押し付け、擦り付ける。さらに自分の目の前に魔族を浮かべたまま拘束し、拳を顔面に叩き込み、脇腹には膝蹴りと、ひたすら暴力を振るい続ける。


「ぜ、ゼオン殿。それはさすがにやり過ぎでは?」


思わずセバスが止めに入り、その言葉を聞いたゼオンは一旦、暴力をやめる。


「はぁ、そうだな。さすがに暴力にうったえるのもアレだしな」

「さっきまでのはなんですか」


思わずツッコミをいれてしまうセバスではあったが、ゼオンの行動には、ある種の納得があった。



こんなことを言ってしまえば、現代日本では人権がどうのとか、人道的ではないとか色々言われてしまうかもしれないが、魔族とは人間族を含む全ての人種族の敵であり嫌悪する存在で、神話や童話としても伝えられ続けている神代では魔王の指揮の下、魔神と共に全ての人種族と全面戦争までしており、世界を破壊しようとしていたのだ。


そんな種族に対し同情や情けをかけるなんてことはあり得ない話である。むしろ「見つけたら滅せよ」とまで言われている。


では何故セバスは止めに入ったのか。


「さて、どうしたものかな。ボコって吐いてくれるなら、それが一番楽だったんだがな」

「そうですな。しかし、これはボコりすぎですよゼオン殿。これでは喋ろうにも喋れない状態です」


魔族の顎が完全に砕けてしまい、話せなくなってしまっていたためだった。


「・・・いっそのこと廃人にしていいか?」

「それはいけません。大切な情報源なのですから」

「廃人にしたほうが吐かせやすいかと思ったんだがな」

「・・・・?」

「それはいい。とりあえず治すか」

「どうするのです?」


どうやって治療するのか。やりかたは簡単至極で、顎を固定したらゼオン特製の骨をくっつけるポーションをぶっかけるだけである。


そんな薬あるのか、そんな薬作れるのかという疑問がでてくるかもしれないが、技巧の神ラウラドによって万物生成の加護を授けられているため、簡単に作ることができる。







ーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーー






治療を始めて一刻が経った。



「魔族、もう喋れるようにはなっているはずだ。なんか話せ」

「・・・」


なにか話すように促すが、魔族は一言も発さずにゼオンを見るだけだった。微妙に身体を震わせながら。


「・・・流石にやり過ぎたか?」

「それもあると思いますが、治療法が強引過ぎたのではないですかな?」

「そうか?だが、あんなに砕けてしまってたんだ。あれくらいしないと骨がくっつかない」


容赦のない暴力の嵐を受けた後に砕けた顎の骨を治すためとは言え、かなり強引な治療となってしまったためか、魔族にはゼオンに対する恐怖心が心の奥底にまで植え付けられてしまったようだ。


「仕方ない。少しの間ここから出る。落ち着いた頃にまた来る。そうだな、後で食事でも出してやろう」

「・・・!」

「あぁ、そんなに警戒すんなよ。毒を入れるような事はしない。食事に関してはさっきのお詫びのようなもんだと思ってくれ」


それだけ言うとゼオンとセバス、そしてその護衛の役割で付いていた騎士も牢から出ていく。






「ゼオン殿、よかったのですか?」


牢を出てしばらく、通路を歩いている時に護衛騎士の一人が訪ねる。


「何がだ?」

「その・・・尋問を途中で止めて出て来て」

「あ~、それか。良いんだよ別に」

「はぁ・・・」

「なんだ、もっとあの魔族が無様にボコられてる様子でも見ていたかったのか?」


そんなことを言ってきたゼオンに慌てる騎士。


「そ、そういうことを言っているつもりはありません!ただ私は・・・!」


ここまで言って気付く。





ゼオンの口元がニヤついていることに。


「あ、あの・・・?」

「冗談だ」

「ゼオン殿、遊ぶのはよろしいのですが、程々にお願いしますよ。この者は若いのですから。それに貴方が冗談と言っても冗談には聞こえません故」


サラだったらすぐに冗談だと気付くんだろうけどな~

等と内心惚気つつ通路を進む。


「そんな事より、何故にあの魔族へ食事を持ってくなどと?」

「手っ取り早く情報を聞き出す為だ」

「食事なんかでそんなことが可能なのですか?」

「この俺を誰だと思ってやがる」

「・・・分かりました。魔族の尋問はこちらがお願いしこと。全てゼオン殿にお任せいたします」




ーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーー






「さっきは悪かったな。言った通り食事を持ってきたぞ」


そう言って魔族に差し出されたのは、パン、シチュー、ステーキの3品だった。


「なんなら、もっと豪華なものでも持ってくるか?」

「・・・・わ、ワタシに優しくして、情報を吐かせる気か?」

「まぁ、そんなところだな」

「ふん、この程度のことでワタシが情報を吐くと思っているのか!?バカにするな!」

「別にバカにはしちゃいないさ。これで喋ってくれれば良いな~くらいの下心程度だ」


顎を粉砕された時と今の態度の違いに、気味の悪さを覚える魔族ではあったが、目の前の良い香りに食欲を誘われてしまう魔族。


「さっきも言ったが毒は入れてないから安心しろ。それに明日からはまた尋問を再開するんだ。その時になって腹が減ったと言われても水とパンくらいしかやらんぞ?」


それだけ言って魔族のいる牢を出ていくゼオン。目の前に美味しそうな匂いを漂わせる食事を置いていかれた魔族は、人間の出した食事など絶対に食べるものか!と硬く決めていたが、5分もせずに誘惑に負けて手を伸ばしてしまい、瞬く間に完食してしまっていた。






これがゼオンの狙いであると気付いていた筈なのに。

前書きでpvが15万を越えているとサラッと書きましたが


後になって越えてたの!?

と驚いているところですww


これからも「最強の迷宮攻略」をよろしくお願いいたします!




売名行為とか言われないかな?

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