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第三十一話 新たなるもの

お待たせしました!

最強の迷宮攻略者の最新話です。


それではどうぞ!

装備製作に入って4日程が経ち、作業は終了した。


ゼオンの基本装備を紹介しよう。


まずは、魔製布で作ったコートだ。全体が黒一色のロングコートで、魔力を通せば神製布と同じように斬撃、打撃等の攻撃の他、魔法も防ぐことが出来る。

しかし、神製布に比べればその防御力は落ちてしまうのだが。基本的に敵の攻撃を防御ではなく回避しているゼオンにとっては大して支障はない。


性能は防具としてだけでなく、ポケットにはゼオンのスキル、異空間倉庫(アイテムボックス)を付与しており、投擲武器をこの中に収納している。


「リュストゥングマンテル」


これがこのロングコートの名前だ。


リュストゥングは鎧、マンテルはコートを意味するドイツ語である。


次に魔導神銃「フリューゲル」にも改良を加えた。


今までは魔力弾のみしか撃てなかったが、ゴーレンのように魔力を瞬時に吸収してしまう魔物との遭遇や、魔力を霧散させてしまう効果をもつアーティファクト、もしくはマジックアイテムを使用してきた敵との対陣を何度か経験してきた。

その度に格闘戦に持ち込むしかなくなり、それでも相手は接近を許さないという、非常に面倒な展開になることがままあった。


それを考え、実体弾も撃てるようにしたのだ。


もちろん、その弾丸もゼオンが作った物。念のために非殺傷弾であるゴム弾と似たような弾丸も一緒に製作している。


手には黒い指ぬきグローブを装備している。


これもただの指ぬきグローブではない。


甲にはレンズのような形に加工した魔石5つ埋め込んでいて、これに魔力を込めれば魔力シールドが展開出来る。この機能は神製布から魔製布に切り替えた事による防御力低下を補う為にこれまた念のために作った機能だ。とは言っても大した低下ではないので、殆んど遊びで考えたものだ。


魔力シールドを展開する魔石ともう一つ。


殴る威力を上げるためのナックルも取り付けている。


そして、足の装備として、防護性や動きやすさを重視して、ミリタリーブーツを作った。


このブーツの靴底には万物生成スキルで作った、形状記憶の性質を持った液体金属を仕込んでいる。この液体金属は魔力通すことで固体に変化するとい特殊な金属だ。


これの使い方は踵からかぎ爪状にした金属を生やして斬りつけたり、刃物状にして爪先から蹴りの動作で飛ばしたり。要するに敵の意表を突くための装備である。


それ以外の武器(というより兵器)も色々作ってあり、異空間倉庫(アイテムボックス)に収納しているが、それは追々紹介していこうと思う。


次にサラの服装だ。


サラは格闘もするようになったので動きやすさを重視し、ヘソ出しのトップチューブに袖無しのジャケット。腕はアームカバー。


ボトムスには、ショートパンツにニーハイブーツという現代的ファッションになっている。


ニーハイブーツ以外の全て、神製布のマントとターバンから作ったものだ。


ニーハイブーツはミリタリーブーツを参考に作ってあるため、防護性に優れ、動きも阻害されない素材になっている。


アームカバーにはガルディアの大迷宮で、聖神石周辺に転がっていた欠片を細かく砕いて粉末状にしたものを混ぜているため、サラが神力を発動する際の媒体としても使えるようにしてある。


因みに色はジャケットとショートパンツが薄い青だがそれ以外が白いため、全体的に白い印象を受ける。


正にサラのトレードカラーと言える。


そして、ものスゴい似合っている。

ゼオンも自分で作っておいて見とれてしまった程だ。


これで全体的に黒いゼオンと、全体的に白いサラの白黒カップルが誕生した。


因みにこの新しい格好を見たルークとメリアの反応は。



「「まじか!」」



だった。









ーーーーーーーーーーーーーーー









「おぉぉぉぉぉぉぉぉぉぉぉぉぉうぅ!!!!」


ブゥオンッ!


気迫のある声と共に重々しい風切り音を立てながら振るわれるルークの斬馬刀。


「いよっと!」


それをヒラリと回避するのはゼオンだ。


「せぇぇぇぇいやぁぁぁぁぁぁぁっ!!」


ドガゴォッ!!!


大上段から降り下ろされた斬馬刀が地面を砕き、めり込む。


「はぁっ!!」


この一瞬の硬直を狙って蹴りを放つゼオンだったが斬馬刀から手を放したルークはそれを受け流し、その流れのままゼオンを投げ飛ばした。


しかし、空中で体勢を立て直し着地と共に再びルークへと肉薄しようと踏み込む。


「じゃろうな!!」


次のゼオンの行動をよそくしていたルークは、斬馬刀を両手で握り、地面を抉りながら振り抜いた。


それによって多数の(つぶて)が吹き飛ばされ、散弾のようにゼオンへと襲い掛かることとなる。


「早速これ(・・)の出番か」


手の甲を前に構えて魔力を込める。


ドガガガガガガガガガガガッ!!!


指ぬきグローブから展開された魔力シールドによって、それは無力化される。


「・・・問題なし!」


言いながらポケットに手を伸ばし、投擲用のナイフを一本取りだして、その動作のままルークへと投げ付ける。


それをルークは斬馬刀で弾くでも、避けるでもなく。人差し指と中指で挟むようにキャッチした。


「返す!」


手首のスナップだけで投げ返してきた。


「いらん!返すな!」


とゼオンもキャッチして再び投げた。と同時にミリタリーブーツの爪先から刃状にした液体金属を蹴りの動作で飛ばす。


「ぬぅんっ!」


斬馬刀を盾にそれを弾く。


ここまでの立ち回りを見ると、互いに互いを本気で殺そうとしているようにしか見えない程に容赦のないものだ。


しかし、これは組み手だ。


ルークは久々に手合わせがしたいと思ってゼオンに聞いてみた。それに対するゼオンの答は。


「新しい装備の最終確認も兼ねて、やってみるか」


だった。


その結果が、この本気のぶつかり合いである。








ーーーーーーーーーーーーーーー







「ふはぁ~!やはり兄貴は凄まじく強いわ!」

「素の腕力だけで俺に対抗してくるお前が言うな」


あれから二時間程組み手を続け、互いの実力を確かめあった後、宿の訓練場を出て水浴びをしていた。


「そうは言うがの、ワシには兄貴みたいに魔力を肉体強化に使うなんて技能は持っとらんのじゃぞ?」

「だがお前は魔法使えるじゃねぇか」

「むぅ、そうじゃが」


ゼオンの言葉に少々渋い顔をするルーク。


「もっと魔法との組み合わせとか考えてみたらどうなんだ?全部、自慢の腕力任せの戦法ばかりだからさ」

「む?組み合わせ?」

「そうだ」


持ち前の腕力を使った斬馬刀の家の威力は凄いものだ。だが、その腕力にばかり頼った戦いをしているため戦法にも片寄りが起こっている。


「くはははは!」


ゼオンの話を聞いたルークは突然笑い始めた。


「いきなりどうした。キモチワリー」

「ぬ?すまんのう。兄貴の言うことが師匠に似てきたと思ってじゃな」

「・・・オヤジに?」

「師匠もそうやって色々とアドバイスをしてくれてたからのう」


これまた懐かしい話を持ってくるもんだと、笑うゼオン。


「オヤジはもっと、どストレートに罵倒して鼻で笑ってたろ」


何度強くなったら同じことしてやると思ったことか。


「懐かしいもんだな」

「そうじゃな。できればワシも最後まで付いて行きたかったわ」


話ながら服を着て、サラとメリアの所へと向かう。





ーーーーーーーーーーーーーーー






それから1ヶ月の時が経ち、ゼオンとサラはメリア、ルークと共に迷宮へと潜っては地上に戻る、という事を繰り返していた。


そしてこの日はゼオンとサラの二人でギルドに足を運んでいた。


その理由は。


「最近、迷宮内の魔物が凶暴化している気がするんだ」


この報告のためだった。


「凶暴化・・・ですか?」


受付嬢は聞き返してくるが、その声に驚きはない。


「そうだ。50階層に到達してからは絶え間なく魔物が襲ってくるようになってな」

「流石にこれはおかしいんじゃねぇかと思って報告させてもらったんだが」


サラが答え、ゼオンが続ける。


「その様子だと、既に他から報告を受けているようだな」

「・・・はい。ここ数日、同じような報告が多数寄せられているんですよ」


受付嬢は、既にギルドマスターにこの事は報告しているという。


「マスターは間も無く迷宮が拡張を始めるのではないかと考えています」


魔力や思念が集まり、それによって出来た迷宮は拡張をある程度繰り返す性質を持っている。その原因は未だに調査中ではあるのだが、有力な説として


『魔力や思念が集まり過ぎた結果、魔物を生み出すだけでは消化しきれなくなる。そこで、魔力や思念を溜める容量を増やす為、もしくは一気に消化するために拡張するのではないか』


というものがあり、このことから魔力や思念が集まって出来たタイプの迷宮は「生きている」と主張する学者がいるのだ。


「・・・そういえばあの迷宮はまだ成長しているんだったな」

「はい」


ここまで話たところで。


「あら?あなたはゼオン・マークス?」


受付カウンターの奥から女性の声がした。


「あ!ギルドマスター!」


胸元が大きく開いた赤いドレスのような服に身を包んだ褐色エルフのセクシーマスター、カリーナが現れた。


突然のマスターの登場により、受付嬢は少し慌てた様子で、酒場にいた男性冒険者はその色気を放つ服装に見惚れていた。


「そちらの女性・・・っ!」


カリーナがサラを見てゼオンに訪ねようとした瞬間、その表情が驚きに包まれた。


「まさか・・・!」

「?」

「どうした?」

「マスター?」


カリーナのあまりの驚き様に疑問符を浮かべる3人。


「なんでも無いわ。そちらの女性は?」

「・・・私はサラ、ゼオンの恋人だ」

「!!!」


サラの発言に再び驚くが、すぐにそれを消して二人を見据え、口を開く。


「二人とも私の部屋に来てちょうだい」


体の向きを変えて、歩き出す前に一言。


「話があるわ」


「・・・こちらへどうぞ」


少々戸惑いながらも案内を始めた受付嬢。ゼオンとサラは疑問に思いつつ何も言わずカウンターの奥へと向かった。

ここで報告なのですが。


今回、この作品の前半部分に数ヶ所の変更点や修正を加えました。


第八話 対話

にてゼオンが不老不死の加護を受けますが

これは流石にやり過ぎだと思ったので


魔族や魔王との戦いに耐えられる強靭な肉体

に変更しました。


他にも数ヶ所情景描写などを加えましたことを

報告させていただきます。

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