蛇足
設定Q&A
日記という形式上不明瞭な点が多いので、補足。
蛇足なので読む必要はないです。
Q.なんで『僕』は逆らわないの?
A.プロの大人に簡単に反抗できるものではありません。
学生によれば教職員に逆らうのも難しいでしょう。
それなのに警察に逆らえるか?
ヤクザに逆らえるか?
軍隊に逆らえるか?
『僕』は逆らえませんでした。
騎士団長も的確に囲い、心を折りに来ています。
Q.魔法の描写とか、戦闘の描写とか日記にしては不自然に多すぎない?
A.作者の趣味です。
深く考えず書きたいように書きました。
反省はしています。
Q.治癒魔法強すぎない?
A.かなり強力な設定です。
肉体がある程度残っていれば蘇生も可能です。
脳が潰されても蘇生できます。
そのため戦場では敵の遺体を灰になるまで焼き尽くして処分するのが通例です。
ただ治癒魔法にも欠点があり、使われれば使われるほど寿命を削ります。
そのため『僕』はもうそれほど長くは生きられません。
国は使いつぶす気満々です。
当然この事実は『僕』には知らされていません。
Q.騎士団長は『僕』の反抗を想定していなかったの?
A.想定して常に見張っていました。
反抗しないように囲いも万全なつもりでした。
しかし、価値観の違いから油断が生まれたんです。
彼は『魔族』が『異民族』であるという事実が、これほど『僕』に影響与えるとは思っていなかったのです。
『魔族』と戦う事は話していましたし、その前提で訓練をしていたのですから。
たぶん『魔族』が人の意を介さない『魔物』の類だったならば、『僕』は諦めていたでしょう。
その結果突然の心変わりに対応しきれませんでした。
Q.勇者の力で逃げ出せなかったの?
A.勇者の最大の武器は巨大な魔力ですが、それをフルに活用するためには回路形成の都合上見張られている状態では不可能です。
そして騎士団長は魔力で劣っていても、個人技では勇者を上回っています。
また騎士達とは別に『僕』を見張っている密偵や暗殺者もいます。
勇者が完全に裏切った場合、すぐに『処分』できるようにもなっています。
どれだけ強い力を持っていたとしても、『個人』では暗殺を永遠に防ぎ続けることは不可能ですから。
ちなみに『処分』はあくまでも最終手段であり、使うつもりはなかったです。
終戦まで拘束して使い潰す気満々です。
Q.そもそもなんで勇者が必要だったの?
A.魔族達のカリスマである魔王が非常に強力なためです。
魔族の中でもさらに飛び抜けた魔力を持っており、勇者ほどではないが広域殲滅魔法が使えます。
そのため魔王の抑止と、それに対抗できるカリスマとして勇者を欲しました。
Q.あそこまで厳しい訓練は必要だったの?
A.短期間での魔法の習得、身を守る手段の習得、何より心を折るためです。
意図的に治癒魔法を乱用し寿命を削ったのも拘束の一つです。
また、魔核を開くのに躊躇がなかったのは再召喚が可能だったというのがあります。
ただそれ以降は本人に十分な『勇者』としての素質があったため、殺さず使い潰す方向で訓練をしていました。
ちなみに魔核を開くのに失敗して死んでも蘇生は可能ですが、もう魔核が開くことはないのでそのまま処分して再召喚する予定でした。
Q.勇者召喚ってなんだったの?
A.古代の人間が作り、手法が伝わっていないため解析も不可能な紛失魔法です。
ただ使い方だけが王室に伝わっています。
元々魔力を持っていない異世界の人間に、世界を超える際に発生する余剰エネルギーを使って強力な魔力を宿らせる術式です。
急成長する素養を宿らせるのはそのおまけ。
儀式が壮大なため乱用は困難であり、また強力な力を持つ勇者の管理も難しいため滅多に使われません。
Q.最後まで日記とペンを持ってたの?
A.持っていました。
日本から持ち込んだものがほとんどない彼にとって、日本語で書かれた日記は特別だったのです。
心が完全に折れなかったのは、この日記が支えになっていたのかもしれません。