「その者の名は」登場人物-等
登場人物
ロアーツ=リーグル
本編主人公。本編開始時点:十二歳。第二部:十六歳。
本編開始の一年前、元旅人の少女であるラエルと出会う。
エルズの街の、『三邸宅』の一つ『リーグル』邸当主兼植物学者の母の子として生まれ、リーグルの名を名乗ることができる数少ない『邸宅』関係者の一人。
父と、母と、ラエルと共に住んでいる。
学術よりも武術体術が好きな、よく言えば行動派。
ラエル
リーグルの邸に居候している『自称:元旅人』の少女。
出自、年齢等、諸々の事柄の詳細が全て不明。
常に頭巾を身につけている。
書物好き。頭が良く、成績も上位。
ルレッセ=リーグル
レフェルス=リーグル
ロアーツの両親。ラエルの親代わりをそれぞれ自負していて、時たま息子よりも少女の方を優先する。
母ルレッセは、リーグル家当主兼植物学者。ケインの母の姉。分家筋ながらシュバルツの家の血を引いている。
父レフェルスは、行商人兼物資運搬人を生業としている。街の幾人かの商人や自警団、学者達と手を組んでいる。
ケイン=シュバルツ
ロアーツの友人の一人。邸宅シュバルツ家の第二子。
ロアーツの母とケインの母が姉妹であり、従兄弟同士。
書物好き。頭がいい、成績もトップクラスなど、ラエルと類似点がある。
コーラル
ロアーツの友人の一人。その中でも格別の悪友。
ラエルのことが好きで好きで仕方ない。話し上手。
設定など
『エルズの街』
ロアーツたちが住む街。
元城砦都市跡地に興った街。エルズの河という長大な河に抱え込まれるように存在している。
そのため、街の唯一の入口には、跳ね橋がかかっている。
普段、橋は上げられた状態で、その状態の上で街外門と呼ばれる大きな門が閉ざされており、その前方に自警団の詰め所がある。
河の反対側である山側には深い森が広がっていて、街に住んでいる者たち曰く、森の奥深くには『猛獣』が棲んでいるらしい。
『リーグル邸』
三邸宅の一つ。通称:緑のリーグル。
大昔、国の都の秀才たちを差し置いて、当時未知の病であった病の薬を発明し、その諸々の恩恵として興った家と邸。
現在にもその名残として、邸と共に数々の貴重な植物が残されている。
その植物を保持することこそが当主拝命の条件であるため、リーグルの家は世襲制ではない。
『シュバルツ邸』
三邸宅の一つ。通称:学問の家。
世に名高い学者や政治家に教えを授け、都へと送り出している。
その名を継ぐ血縁の者たちは決まって頭がいい。継承者は一族の中で一番優れている子女子息。
大昔のことだが、貴族の血までもが流れている。
『ヴァレンタイン邸』
三邸宅の一つ。通称:武術の家。
世に名高い武芸者、軍人の多くが、邸宅家の人間が師範である『ヴァレン流技』の出身。
国中の男たちの憧れで、名門。入門には厳しい審査が必要とされる。
その名を継ぐ血縁の者たちは、誰であろうと、何かしら武芸をこなしてしまうと言う。
大昔のことだが、貴族の血までもが流れている。