のぞむ転生
今度は、おおよそ、メイビー、多分失踪しません
俺の名前は、瀧口 健児 24歳
高校を卒業し、なんとか掴み取った内定で
ある中小企業の営業部として、日々目にクマをつけながら、体を酷使し働いていた。
だが、そんなある日のこと
「はぁ〜....毎日毎日ノルマノルマってうるさいったらありゃしないよな浩二!」
「お前が毎月部内ランキング最下位を取り続けてるからじゃないのか....その点俺は毎月5件は取ってるからな、どこかの誰かさんと違ってあのクソ部長にどやされることもないんだ。」
俺は、入社当時にできた唯一の同僚浩二と
なんの変哲もない会話を繰り広げながら帰路についていた。
「それより健児、最近合コンどうなのよ?
そろそろ彼女の1人くらいできたか」
「お前も知ってるだろ?
あのクソ部長が誘ってくる合コンなんて碌な事がないんだから....」
「うちは、ブラックだからな、あのクソ部長が誘って来る他に合コンのチャンスはないんだ。諦めろ。
それに、田村先輩はあそこで可愛い彼女見つけた上に転職して、今は妻子持ちだとよ。」
「あぁ...あのクソ部長が珍しく歯食いしばってたよな!あれは滑稽だったぜ。」
「まぁ先輩と違ってお前は、常にあのクソ部長のおもちゃだけどな」
「うるせぇ!」
苛立ちに身をまかせ憎まれ口の一つや二つ叫んで
やろうと横断歩道奥の橋へ走りだした。
その時
「おい!!、健児危ない!!」
建物の死角となっていたところから一時停止を
無視して来た、トラックに派手に轢かれてしまった。
「あぁ、死ぬのか」
どうせなら
あのクソ部長に1発いれておけばよかったな.....
薄れゆく意識と全身からの痛みから解放されるように視界が暗転した。
はずだった...
目の前に広がるのは
一面の草原、まるで某全てが四角いゲームの無限に続く平面のワールドのようだ。
「あっ、おったぞ!女神よ」
「創造神様、あのお方で間違いないんですね?」
「あぁ、あの冴えない顔、間違いなくあいつじゃ」
そんな失礼な事を言いながら後ろから
2mはあるだろうムキムキの白髪の長髪の老人と
対象的に華奢で10歳ほどにすら見える羽の生えた
白髪の美少女の2人組が歩いてきた。
「貴方が、滝口 健児様で間違えありませんか?」
目の前まで来た天使のような美少女にそう問いかけられる。
「はい、そうですけど...どなた..ですか?」
「儂から説明しよう」
そういって割り込んできた老人が言うには
この2人は創造神エルメアとその配下、最上位女神のソルティーアで、まぁつまり、ミスって殺しちゃったてへべろ!のぞみ叶えるから許してね!キャピという事らしい
情報が頭に追いつくまでに時間がかかったがなんとか理解した俺は突如として草原に現れたちゃぶ台
へと促されるまま向かい合わせに座る。
「まぁ、信じられないですけど理解はできました。」
「ありがたい、ではのぞみを聞いてもよろしいか?
地球の子よ」
「創造神様、まだ願いの制約を説明していませんよ」
「ほぉ、確かにそうであるな、まず前提としてじゃが其方を元の世界に返す、生き返らせることはできん。あと天界を揺るがすような願いも聞き入れられん」
「そんな事を言われましても...地球にもどれないんじゃ何もできなくないですか?」
「まぁ落ち着いてほしい、本来ならば輪廻に押し込みランダムな世界に生物として生まれ落ちることとなっているのじゃが、今回に限り、のぞみの世界を
選び、その世界においての、のぞむ限りの能力,環境を与えようと考えてあるのじゃ」
「限られておりますが、天界を揺るがすような処置は許されないのです。ご理解ください」
そういって頭を下げる女神
「はぁ...まぁせめて人間にはなりたいですね」
「叶えよう」
「その世界?っていうのは地球以外にどんなものがあるんですか?」
「其方が人間を希望するならば、地球を除き
3つの世界がある。
まず、其方の世界でいう中世ほどの文化観
があり、剣と魔法が....」
「そこにします」
「まだ他の世界が残っているが、よろしいのか?」
「はい!」
剣と魔法こんなの男なら一度は夢見る世界だ!
このチャンスに乗れない奴は男じゃない!
「女神、儂は残念じゃぞ」
「私は最初からこうなると思ってましたよ、創造神様、今回は私の勝ちです。」
「明日から賭けの勝ち分の有給を使わせてもらいます」
「明日!そんな頼む一週間待ってくれ、女神よ!」
この人たち俺に賭けてたのか...
「あの〜?」
「なんじゃ!今、天界の危機じゃ!」
「創造神様、何の説明もしてないままじゃ何も進みませんよ」
「そうは言ってもだな〜女神よ」
「はぁ〜...すいません健児様、私から説明させて
いただきます。」
説明によると、
その世界は、魔力という特別な力で成り立っており、人々の文化にも、溶け込んでいるらしい。
まぁその文化が魔法という事だ。
人間界は国ごとに貴族、王族、皇族が支配しているらしい。まぁファンタジーの定番ってやつだな!
「其方がのぞむのであれば、王族にだって、貴族にだって転生させてやれるぞ!」
まぁ不自由なく暮らすには貴族以上の立場は必要なんだろうな〜。けど後継争いだとかが怖いな〜。
「それならば、辺境の次男などが儂のおすすめであるぞ地球の子よ」
今、ナチュラルに俺の心読まれた気がするが
まぁうん...
「あやつらは、長男以外教育する余裕があまり無いからな其方の願いにはぴったりじゃと思うぞ」
「じゃあ、そこにします。」
「領地の特色を指定するなら、転生先を具体的に選べるのじゃがのぞみはあるか?」
「できるだけ、自然豊かな場所がいいです。できれば山も海も両立するような...なんて」
「ほぅそうか、女神、あるか?」
「はい。サスタニア王国のエラス辺境伯ならば、
のぞみに会うでしょう創造神様」
「其方はそれでいいか?」
「はい、大丈夫です」
海があった方が物流があるし、山もあったら食事には、困るまい。我ながら完璧ではなかろうか。
「転生先は、これでよいな。最後に其方の能力についてなにかのぞみはあるか?」
「創造神様、選べる能力も説明が必要かと。」
「はぁ〜めんどうであるな本当に」
この神、面倒っていったぞ!面倒って!
「まず、儂ができるとしたら、体の性別や顔の良さ
知力の成長度、魔力適性、魔力量をいじるくらいじゃ」
「加護は勇者にしか与えられんから
そこは期待しないでほしいのじゃ」
「わかりました。けど魔力ってなんなんですか?」
「魔力というのは、人が魔法を使うときに変換する
根源的なエネルギーであり、魔力適性というのは変換できる魔法の特色をきめるものです。」
女神様がそう説明する。
「もう全て盛り盛りにする事もできるが
其方はどうするのじゃ?」
「そりゃまぁできるのであれば....」
「わかったのじゃ」
「よし、女神よ、のぞみは決まった。
転生の儀を施工せよ」
「ちょっと待ってください!、」
「なんじゃ!もういいじゃろう」
「記憶の引き継ぎって出来ますか?」
「女神よ、可能か?」
「はい....勇者以外の前例はありませんが加護ではないので他の神々のお方も口は出さないかと...」
「では、叶えよう」
「地球の子よ、其方がこの世界に良い影響を与えることを祈っておるぞ」
その瞬間、足下から体が光の塵の様に離散していき
やがて全身を侵食する。
なんというか暖かいというか不思議な感覚だ。
段々と考える事もできなくなってくる
あぁ.....
そこで俺の記憶は途切れた。




