No,5
最終話になります。是非最後までお付き合いください!
私は、今すごく小さい村で薬屋見習いとして生きています。昔、私がまだ小さかったころ家の庭で一人いつも通りお花と遊んでいたら急に海に行こうと誘ってくれた人がいました。そして、初めて海を見て美味しい魚の煮つけを食べさせてくれました。でも、そのあと急に車椅子ごと船に乗せられて、彼は私を置き去りにしていきました。あの時は意味が分からなくて怖かったけど、今思い出すとお兄さんは凄く悲しくて苦しいような、そんな顔をしていました。私は必死にお兄さんに叫んだけど、それをかき消すくらいの銃声が聞こえました。私は殺されるかもしれない。そう幼いながらに感じました。でも、お兄さんが全身を撃たれながら銃を持つ人達に立ち向かって、私を守ってくれました。わけも分からなくて、陸が小さくなってもずっと心臓が音を立てていました。全く見たことのない船着き場につく頃には、もう日が完全に落ちていて真っ暗でしたが船のおじさんが、ゆっくりと話をしてくれました。お父様が国に狙われていること、私も殺されているかもしれなかったことも。全部教えてくれました。そして、お兄さんにもらったという金貨3枚を私にくれて、「その命、無駄にしちゃダメだ。」そう告げて去っていきました。仕方なくポケットに金貨をしまうと、そこにはすでに金貨が2枚入っていて、これもお兄さんが入れてくれたのだと思います。
そのお金をつかって、数日はご飯を食べられましたが、それも2週間ほどで底をつきました。もう、おなかが減って死んでしまうというところでおばさんとおじさんに出会い、今は二人の営んでいる薬屋を手伝って生きています。お花が好きで、その薬草としての知識も生かすことができています。あの時のお兄さんに感謝の言葉を伝えたいです。お二人にたどり着けたのは、金貨と一緒に入っていたお兄さんのメモのおかげです。そこには感謝と謝罪の文が書きなぐられていました。私が、こうして何があったのか報告をしているのもお兄さんの願いなんです。だから、長話しちゃってごめんなさい。そして、お兄さんを愛してくださりありがとうございます。お兄さんに言われた通り、お二人が生きていた証は私です。そして、お兄さんが生きた証も私です。どうか安らかにお眠りください。
青い瞳の心優しい少女は今日も花に囲まれて毎日を懸命に生きている。
今彼女の周りには綺麗な『スズラン』が咲いている。
~スズランの花言葉、再び幸せが訪れる~
読んでいただいてありがとうございました。
文章も拙く、展開も早くと読みにくいなか最後までお付き合いいただき感謝の気持ちでいっぱいです。
本当にありがとうございました!