表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
隣のキミと過ごす、本当の恋人までの一年間。  作者: 四乃森ゆいな
第二章
96/136

第11話「私は、カノジョとして誕生日を祝いたい」

 私──一之瀬渚には、いわゆる幼馴染というのが存在する。


 私と彼が幼馴染となってから早15年。そしてもうすぐ、16年目を迎えようとしている。


 物心が付く以前から一緒にいることが“当たり前”だった私達。物心が付いてからも、お互いを認知し合っていた。

 小さい頃はそれなりの友達関係を築き、小学生に上がる頃には確か……、



『──わたし、おおきくなったら、はるとくんのおよめさんになるんだ~!』



 …………なんて、今の私からはこんな堂々とした偉業を成し遂げられないであろうことを平然とやっていたような気が、しなくもない。

 隣同士で身近に居ることが当たり前で。そんな相手が『男の子』であれば、誰だって小さい頃はそんなことを口走るのではないだろうか?


 でも所詮は、子どもの戯言ざれごと。あまり本気になる人もいなかっただろう。

 小さい頃のあんな戯言を耳にした近所の人達は――『まぁまぁ、可愛らしいわね~』『本当、可愛らしいわね~。きゅんきゅんしちゃうわよ!』と、若干茶化す雰囲気だったし。


 それに私も私で薄れゆく過去の記憶なため、あまり鮮明には覚えていない。

 だが――そんな戯言は、現実となって具現化した。


 ……あ、いや。少し御幣がある。

 正確に言えば『およめさん』ではなく『恋人』になったのだ。──その幼馴染の彼と。


 初恋の相手に一度振られて、それでも幼馴染としてまた好きになって──。

 意識しているのは私だけかも……と、何度も落ち込みそうになったけれど。それでも彼は、あのときの私からの告白の“本当の返事”をしてくれた。……あのときは、感激のあまりに涙腺が崩壊しそうになってたっけ。


 でもそれももう──2週間も前の話。

 あの出来事があってからすぐ、私は少し違うことに時間を消費するようになった。


 思春期真っ盛りな高校生の私達からすれば、既に社会勉強のために大勢の生徒が勤しんでいるのではないだろうか?

 手早く、学生としての本分も忘れずに取り組めること──即ち、アルバイトである。


 そう、あの出来事から数日経った後、私は短期バイトを始めていた。もちろん、このことを親以外は誰も知らない。その対象には幼馴染の彼も含まれている。


 どうしてアルバイトを始めたのか。

 前述の通り、社会勉強を兼ねてというのももちろんだけれど私の目的はそこじゃない。

 それは、後数日へと迫った幼馴染──凪宮晴斗への誕生日プレゼントを買うための資金集めをするためにある。


 今までのようにお小遣いから叩いたプレゼントでもいいとは思ったが、今年は簡単なプレゼントで済ませたくなかった。何しろ、去年と今年では私達には違う部分が出来たから。


 単純明快──私と晴斗は『幼馴染』であると同時に『恋人』になったからである。


 幼馴染としてじゃなく、れっきとした恋人としてのプレゼントをしたい。……そう思っているうちに幅が広がってしまい、少し高めのモノでも贈ろうと思っている。


 とはいえ、バレないようにするのも一苦労。

 短期バイトが学校側にバレるとか、そんな高校生にありえそうな問題ではなく、勘が働く晴斗にだけは知られるわけにいかない。バレたらサプライズの意味が無くなってしまう。


 まぁ幸いなのが、彼が休日有無関係なく学校に行く以外に外に出ることが滅多に無いことだろうか……。


 そして今日も私は彼氏にプレゼントを買うために、彼に隠れてアルバイトをしていた。

評価をするにはログインしてください。
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
このエピソードに感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

↑ページトップへ