頑張れルルミア、貴女がセクハラをどれだけ我慢出来るかにユールディン帝国の未来がかかっている。
寝落ちしないと書けない体になりつつあるのか…?
感想欄にて鋭いご指摘をいただき、前話を少し修正しました。
「えー、それでは再び真偽の方を進めたいと思います」
ミハウさんが大丈夫ですと両手で○をつくったので、今度は今回の戦争関係で暗躍した腐敗貴族やそれに関係した貴族についてアレッサの秤で悪事の証明をしていく。
とは言え、下っぱだったり真偽を確かめるまでもないくらい証拠が揃っていたり、自白内容に嘘がなさそうな相手は除外していくし、これはリグリエッタの悪行に加担したり利用したりした奴をリグリエッタ神紙を補填する意味で行うものだし、ユールディン関係も聞く予定なので、こちらは宰相や国王様への報告では提出しないつもりだ。
しかし(建前上)国の運命を左右するほどの内容なのでこちらの神殿で保管するようミアーナ様が祝福してくれたのかも?と言ったら神官の皆さんがミアーナ様に一斉にお祈りを捧だしたのでさらに中断時間が伸びてしまったのはうかつだった。適当な理由付けだったとはいえ最後に言えば良かったとちょっと後悔。
「ラグラント王国伯爵フランチェスコ・ホリビスは父親を姉のリヴェラ・ホリビス元パルダス侯爵夫人と共謀して毒殺した」
アレッサの秤は右側に傾き光輝いた。
「ラグラント王国伯爵フランチェスコ・ホリビスは国内の麻薬組織の元締めで、それがばれないようラグラント王国第四王女リグリエッタ・イル・ラグラントを利用した」
アレッサの秤は右側に傾き光輝いた。
「リヴェラ・ホリビス元パルダス侯爵夫人は不倫相手のラグラント王国男爵で中央軍引率役ジナルディ・フスカと共謀し、ラグラント王国第三騎士団団長デューク・コスタル男爵と甥の元紅の騎士団団員フランツ・ホリビスを毒殺しようとした」
アレッサの秤は右側に傾き光輝いた。
「リヴェラ・ホリビス元パルダス侯爵夫人はその暗殺の目的は現場を混乱に陥れ、騒ぎに乗じて息子の元紅の騎士団副団長マクネル・パルダスがラグラント王国第四王女リグリエッタ・イル・ラグラントを救出した体をとり、ラグラント王国国王ガーランド・イル・ラグラントに虚偽の報告をして息子と第四王女との婚約を画策するためだった」
アレッサの秤は右側に傾き光輝いた。
リグリエッタに関連する内容はこれくらいか。後はリヴェラ周辺とユールディン関係で確認したい事を聞くことにしよう。
「リヴェラ・ホリビス元パルダス侯爵夫人は、オリヴィア・マグヌス元ユールディン帝国マグヌス公爵令嬢と同一人物である」
アレッサの秤は右側に傾き光輝いた。
神官達から少しどよめきが起きた。
「リヴェラ・ホリビス元パルダス侯爵夫人はラグラント王国子爵で宰相府資財管理担当ラグマ・リヒターにドラゴンベルを盗み出すよう指示し、ドラゴンベルをユールディン帝国第三皇子ミュリアス・ルフ・ユールディンへと送り届けようとしていた」
アレッサの秤は右側に傾き光輝いた。
「ユールディン帝国第三皇子ミュリアス・ルフ・ユールディンは邪竜の洗脳下にある」
アレッサの秤は左側に傾いた。
洗脳下じゃない?あくまで正気で邪竜と契約したってのか?
「ユールディン帝国第三皇子ミュリアス・ルフ・ユールディンは邪竜と契約している」
アレッサの秤は右側に傾き光輝いた。
正気らしい。正気でドラゴンベルをユールディンで使うつもりだったのか。質が悪い奴だな、危ないところだった。
「ユールディン帝国第二皇子キーラン・ルフ・ユールディン以外のユールディン帝国西部皇家は邪竜の影響下にある」
アレッサの秤は右側に傾き光輝いた。
マジか。全員か。あれか、キーランが西部皇家をまるごと東部皇家と入れ替えるって言ったのは邪竜の存在を本能的に感じとっていた部分もあったのかもな。第三皇子も洗脳下ではないにしろ、やはり心の奥底では影響を受けていたってことか。
「ユールディン帝国マグヌス公爵夫人だったオリアーナ・マグヌスはラグラント王国伯爵だったフランソワ・ホリビスと出会った時邪竜の影響下にあった」
アレッサの秤は右側に傾き光輝いた。
「リリエンタール氏族のリリーは邪竜の影響下にある」
アレッサの秤は右側に傾き光輝いた。
これは、かなり昔から邪竜がユールディン帝国内でその邪悪な力を伸ばしていたようだ。邪竜は人の負の感情が大好物だかろ、当時から人の心に何かしら囁いて操っていたのだろう。長い年月をかけてユールディン帝国内を徐々におかしくさせていったのかもしれない。
ユールディンは帝国になった時点で邪竜を討伐するべきだったんだろうな。
「コスタル様、神紙の余白が後わずかです」
後一文程度ですと言われ、何を質問するか悩んだが、ふと思いついた。
「ユールディン帝国内で発生した疫病は邪竜の仕業である」
アレッサの秤は右側に傾き光輝いた。
まさか、とは思ったが、本当に邪竜の仕業だったとは。
ユールディン帝国は疫病が多いな、とは思っていたが。
しかし、邪竜がそこまで外に影響を及ぼせるまでに力を蓄えているとなると、キーラン達ももしかしたら苦戦するかもな。まあルルミアと変態神獣の協力次第か。頑張れルルミア、貴女がセクハラをどれだけ我慢出来るかにユールディン帝国の未来がかかっている。
「ミハウさん、リグリエッタ神紙に二枚目のリグリエッタ関係を書き写して下さい」
「わかりました。少々お待ち下さい」
しかし、思った以上にユールディン帝国は邪竜の影響が強くなっていたようだ。
今回の戦争は、俺とキーランの関係や、俺が偶然使徒で、カウリエン様の助力を得られなければ互いに滅ぼすまで長々と続いた可能性もあったって事だ。
適当に言ったミアーナ様の祝福理由だが最終的には間違ってなかったって感じだな。
「書き写しました。アレッサの秤の使用を終了いたしますか?」
「はい。この度はご協力いただき本当にありがとうございました」
「そんな、コスタル様のおかげで私達は初めて目の前で神のお力を見る事が出来たのです。お礼を申し上げるのはこちらの方でございます。コスタル様、誠にありがとうございました」
「「「「ありがとうございました」」」」
神官一同からのお礼に、つい『俺に出来る事があるなら協力いたしますので』と口走ったら良い笑顔のメラニアが『リライアの桶』の使用許可申請用紙を持ってきた。
あー、もうついでだからやりますよ。
リライアの桶で沢山の神水(美味しい水だった)を作り出し、再び神官一同から感謝の言葉をいただいたのだった。
その後はリグリエッタ神紙を包んでもらいながらちょっとお茶をして、ミハウさんとメラニアから交互に質問を受けながら、お高いお茶菓子を堪能した。
帰り際、神殿外までお見送りを、と言い出した神官一同に対して、まだ自分が使徒だと周囲にばらすわけにはいかないといって固辞し、対外的には俺は今日はカウリエン様へのお布施を納めにやってきたという事にしてくれと口裏を合わせて、またいつでもお越しくださいと両手を握ってブンブン別れの挨拶をするミハウさんが他の神官達からブーイングされるのを苦笑いしながら神殿を後にした。




