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軽ッ!軽いわ祝福の扱いが!

遅くなりました……。



感想欄にて鋭いご指摘をいただき、ルナリアのブラシの数を二本から各ペット用に一本づつ、計四本に修正します。


モフラーならそれぞれオーダーメイドするよね!


「それでは、アレッサの秤を使用したいと思います」


 神官達が運んできた立派な意匠の机に座って、供述書に記入する用意の出来たミハウさんにそう言うと、キリッとした表情で頷いた。


 何せ記入は一発勝負なので、誤字脱字は許されないと先ほどまでちょっと精神を集中していたミハウさんは、ペンを手に持って俺の言葉を待った。


「ラグラント王国第四王女リグリエッタ・イル・ラグラントは、第二次ラグラント・ユールディン戦争を故意に引き起こした」


 キィッとアレッサの秤が右に傾き、パァーッと光った。


 周囲に控えていた神官達から息をのむ音が聞こえた。


 それは、質疑の内容と、アレッサの秤、そのどちらも作用しての事だろう。


「ラグラント王国第四王女リグリエッタ・イル・ラグラントは、ユールディン帝国第一皇子ホワルディ・ルフ・ユールディンに対して剣の稽古と称して故意に傷を負わせた」


 またもやアレッサの秤は右側に傾き光輝く。


「ラグラント王国第四王女リグリエッタ・イル・ラグラントは、ユールディン帝国第一皇子ホワルディ・ルフ・ユールディンに対して殺意があった」


 今度はアレッサの秤は左側に傾いただけだった。 


「ラグラント王国第四王女リグリエッタ・イル・ラグラントは、第二次ラグラント・ユールディン戦争のきっかけとなった会談において、結婚をしたくがないために最初から会談を滅茶苦茶にして婚約破棄を画策していた」


 今度はアレッサの秤は右側に傾き光輝いた。


「ラグラント王国第四王女リグリエッタ・イル・ラグラントは、紅の騎士団の団長として王都に待機していた際にユールディンの刺客が王都に潜伏しているとの虚偽の報告を現ラグラント王国国王ガーランド・イル・ラグラントに行い、近衛騎士団の目を欺き秘密裏に王都から抜け出した」


 アレッサの秤は右側に傾き光輝いた。


「ラグラント王国第四王女リグリエッタ・イル・ラグラントは、第二次ラグラント・ユールディン戦争で仲裁をしていただき両国を和睦に導いて下さった豊穣の女神カウリエン様を偽物と断定しその存在を否定した」


 アレッサの秤は右側に傾き光輝いた。


「ラグラント王国第四王女リグリエッタ・イル・ラグラントは、豊穣の女神カウリエン様を偽物と断定した理由は己の欲望を満たすため戦争を継続させるためだった」


 アレッサの秤は右側に傾き光輝いた。


「ミハウさん、余白はあとどれくらいあります?」


「あと四分の一弱ですね」


「ふむ、ミハウさん、もう一枚神紙はありますか?」


「後三枚あります。お使いになられますか?」


「リグリエッタ関連以外にもう一枚使用させてください」


「わかりました。メラニア?」


 メラニアは頷くと新しい神紙を取りに向かった。


「にしても、リグリエッタ王女はなんと罰当たりな」


 ミハウさんは憤懣やる方ない、という表情でリグリエッタを非難した。美人の怒ってる顔は迫力があるなぁ。


「以前から不躾な事ばかり仰られる方でしたし、メラニアの事もあってあまり良い印象は持っておりませんでしたが、今回の事は許されるものではありません。戦を望み、女神様を偽物扱いだなんて」


「今までも王女である事をかさにきてやりたい放題でしたからね。何をしても許される、そう思ってしまうようになってしまったのは周りのせいでもありますが、だからといって戦争を起こして良い理由も、女神様を冒涜して許される理由もないでしょう。アレッサの秤を使用させていただいた理由はおわかりいただけたかと」


「例え国王様が庇ったとて、もはやリグリエッタ王女は罪を免れない。そう知らしめるためですね」


「その通りです。民あっての国、神々の加護あっての治世です。そのどちらも蔑ろにしては、国が滅びます」


「コスタル様の仰る通りですね」


 メラニアが戻ってきて、何故か俺の方に神紙を持ってきた。


「どうぞ、団長」


「いや、書くのはミハウさんなんだから俺のところに持ってこられても」


「まず団長が神紙をお持ちいただかないとカウリエン様の祝福がいただけません」


「いや、必ず祝福してもらえるわけじゃないから」


「ですが持っていただかねば絶対祝福はいただけないと思いますので、ものは試しとしてお願いいたします」


「はあ、まあ持つだけなら持つけど」


 そんな日に何度も祝福をくれるかね?そうぼやきながら神紙を持ったら、今度は何故か深い青色にパァッ!と輝いた。


「なぬッ!」


 署名欄の下には何故か運命の女神ミアーナ様の署名が追加されていた。


 なんでや!カウリエン様はわかるけどなんでミアーナ様が?!なんて顔には出さずに驚いていると、久しぶりなぽやぽや声が頭に響いた。


『デュー君、やっほ~』


『カウリエン様?』


『ミアーナちゃんの祝福、驚いた~?』


『驚きましたとも。いや何でミアーナ様に祝福していただけたんですか?何か運命に関する特別な理由でも?』


『ん~ん、違うよ~。ミアーナちゃん今まで祝福をしたことがなかったからやってみたかったんだって~』


『……………』


 軽ッ!軽いわ祝福の扱いが!


 そんな初めての○○みたいなノリでやるもんじゃないでしょ?!


『あ、あとミアーナちゃんがね、あのブラシが欲しいって伝えてって』


 ブラシ目当てかよ。いやたかがブラシで女神様の祝福がいただけたのだから安上がりにもほどかあるんだけど。


『わかりました。ミアーナ様の分も追加でお持ちします』


『でねでね、お姉ちゃんもあのブラシが欲しいなって。四つ欲しいって。自分用とペット用に』


 なるほど。月明かりのお導きはその代価か。


『わかりました。ご用意させていただきます。後、ルナリア様に月明かりの件、お礼をお伝え下さい』


『ありがとうデュー君!じゃあ待ってるね~』


 ぽやぽや声が聞こえなくなり、ふと意識を正面に移すと、ミハウさんとメラニアがすぐ目の前で神紙と俺の顔に視線をいったりきたりしていた。


「コ、コスタル様!こ、この祝福は運命の女神ミアーナ様のもの!何でミアーナ様が祝福を下さったのですか?!」


 ミハウさんはミアーナ様の祝福に興奮度が頂点突破しそうな勢いだ。また倒れなきゃいいが。


「団長!今、視線がずっと宙をういていましたけど、もしかして神託が、カウリエン様かミアーナ様からの神託があったのでは?!」


 二人以外の他の神官達も俺に距離をつめて一言も聞き漏らすまいと耳をそばだてている。


「カウリエン様からのご神託があった。ミアーナ様の祝福はこの国のこれから先を決定づける運命がこの神紙に書かれるからだとの事だ」


 嘘です。すいません。


 でもブラシ欲しさに祝福くれたなんて言える空気じゃなかったんです。真実は時に人の何かを傷つけるから。


「やっぱり!ああ、私もカウリエン様のお声が聞けたらなぁ」


 ぽやぽやした声でいらっしゃいますよ?豊穣の女神っぽくはないかな?


「それで団長、こちらの神紙にはどのような内容の質問をされるのですか?」


「リグリエッタの裏で暗躍していた腐敗貴族どもについてだ。とりあえずアレッサの秤の使用を再開するぞ」


 俺の返事にメラニアは顔を引き締めて後ろに下がり、ミハウさんは慌てて机に戻ってペンを持って準備した。


「それじゃあいくぞ。まず最初は……」




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― 新着の感想 ―
[気になる点] ルナリア様は2本で良いのですか?ペット用は各1本で計4本ではなく?
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