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そして、俺達の運命を変えてしまったあの日がやってきた。

新たにブックマークしていただいた方、評価ポイントつけていただいた方、ありがとうございます。


 フランソワとはそれから五年くらい一緒に狩りをして、たまに泊まりで遠出する、そんな日々を送っていた。


 遠出って言っても大した距離じゃない。大体どちからの領のはしっこを馬で走って、良さそうなとこで野宿、そんな感じだった。


 ロヴォー男爵領もホリビス伯爵領も親父と兄貴が定期的に巡回していたから盗賊の類いはいなかったから、動物や魔物にさえ気を付けていれば大丈夫だったんだよ。


 俺達自身もすっかり大人の体つきになっていた。特にフランソワの奴は出会った頃とは別人のように立派な体格になっていたよ。中身は変わってなかったけど。

 

 その頃にはお互いがロヴォー男爵家の次男坊で、ホリビス伯爵家の次男坊だとわかっていた。何せどちらの家の噂にもふらふらしている不良次男の話が出てくるからだ。


 だけど俺達は一度も互いの家名は口にしなかった。何か口に出すのが怖かったからだ。でもそろそろこの生活も終わりが近づいているのも互いに分かっていた。だからこそ、あちこち出歩いていたんだろうね。


 そして、俺達の運命を変えてしまったあの日がやってきた。


 何回めかの遠出の時、俺達は海の近くを馬で走っていた。


 そこは急な崖が続いているところで、俺達は海を眺めながらその崖沿いをゆっくりめに流していたんだが、少し沖に大きな船が二隻浮かんでいるのが見えた。


 あの船はどっから来たんだろうな、とかあの大きさならきっと豪商か大貴族の船だ、なんて言いながら徐々に近づいて行ったら、なんだかおかしな様子だなって事に気づいたんだ。


 二隻は近づきすぎていた。しかも片方は煙を上げ始めた。


 俺達はやっと二隻は戦闘中なんだと理解したよ。さらに近づいたら、煙が上がってない船にはドクロの旗が翻っていた。海賊が他の船を襲っていたんだ。


 襲われている船はマストが焼かれてどこの船かはその時は判らなかった。


 俺達はどうする事も出来ないまま崖沿いに二隻に近づいて行った。船までは遠目に見てなんとか格好がわかるくらいの距離まで行ってわかった。そこで煙を上げている船上で戦っている人達はどこかの騎士で、押し寄せる海賊どもをバッタバッタと切り殺していた。


 だけど海賊は数が多かった。騎士は一人、また一人と殺されていき、ついに甲板は海賊に乗っ取られた。


 俺達はちくしょう!とか、何でなんだ!、とか、弓矢が当たる距離までこれば援護できるのに!とか叫びながら見ていることしか出来なかった。


 船はついに船室からも煙を上げ始め、助からない、そう俺達が思った時、船の船長室だと思われる部分が急に吹っ飛んだ。俺達はついに船長もやられたかと思って見ていたら、そこからロープが垂らされて、遠目から見てもわかる髪の長い女二人がロープを伝って海面に降りていった。


 だめだ、あれじゃすぐに捕まってしまうぞとハラハラしながら見ていたら、女の一人が背負っていた鞄から何かを取り出して海に投げた。


 次の瞬間、海上に小さな帆船が浮かんでいた。女が投げたのは魔道具だったんだ。俺達はそれはもう驚いて、スゲー!って繰り返していたね。


 魔道具を投げた女は先に海に飛び込んで船に乗り込んだ。もう一人の女もすぐに海に飛び込んで、先に乗った女の投げた浮き輪に捕まって、無事船に乗り込んだ。


 俺達は我が事のように喜んだよ。やったー!早く逃げるんだー!ってね。しかし海賊も気がついた。甲板の上にいた奴がそれを見て海賊船から小舟を下ろすよう言ったんだろう、海賊船の甲板にあった小舟を大慌てで下ろし始めた。


 俺達は中々動き出さない帆船に、早く逃げるんだと叫んだよ。フランソワは今まで聞いた事ない大声で叫んでいたよ。聞こえるはずないのにね。


 やがて海賊船の小舟が海上に降りきって、海賊が四人くらい乗り込んだ。その時にはもう声も枯れて、早く逃げてくれと祈るように見ていたよ。


 海賊が大回りで帆船に近付き、あと小舟二艘分くらいまで近づかれたのを見て、俺達はもう何やってんだと怒れてきてしまった。


 がらがら声で再び早く逃げろと叫んだ瞬間、突如帆船から物凄い勢いの突風が発生して帆が大きく膨らんで、物凄い速さで進み始めたんだ!

 

 あっという間に岬の向こう側に消えていった帆船を海賊達はただ呆然と見送り、俺達は大歓声を上げてパーンッ!と手を合わせたのさ。


 それだけじゃ終わらなかった、煙を上げていた船が突如大爆発を起こしたんだ。海賊どもを道連れに船は沈んでいき、海賊船もこちらから見えるくらいデカイ穴が空いていた。


 残った者達があの二人を守るために自爆したのはすぐにわかったよ。俺達は崖の上から騎士礼をして彼らの冥福を祈った。


 俺達は帆船の行き先が気になりだして、崖沿いから丘を越えて岬の向こう側に抜ける道を馬で駆け抜けた。


 岬の向こう側は小さな砂浜が点在する浅瀬で、大型の船は近づけないとフランソワが説明してくれた。帆船を捜していくつか目の砂浜に降りたら、両側が大きい岩で隠れた場所に船は着いていた。


 だけど帆は破れて船体にも亀裂が入っていた。そして船の上には気絶した同時の俺達より少し年上の鳥系獣人の美女と、腹から血を流しながら何とかこちらに杖を向けている少し年下に見えるエルフの女性がいた。


 俺達に近づいたら魔術で吹っ飛ばしてやると息も絶え絶えに口にするエルフを前に、俺達は敵じゃないと言ったけど、そんな格好している怪しい奴らの言うことなんか信じられるかと信じて貰えなかった。


 その時の俺達は、若気の至りと言うか、ちょいとヤンチャな格好をしたがる年頃だったから、山賊と思われてもしょうがない格好だった。


 俺達はちょっと待ってろと馬にくくりつけていた鞄から別の服を取り出して着替えて戻った。俺は普通の村人のようなシャツを、フランソワは何故か貴族が家で着るようなちょいとこざっぱりしたシャツを着た。


 俺はなんでお前そんな服持ってきてやがったんだと言うと、家から抜け出す時に着替える暇がなかったんだよと反論してきた。


 他にもシャツがあったのになんでそれなんだ、他のシャツは鹿の血抜きした時に汚れたからだ、嘘つけ美人の前だからってかっこつけてんじゃねー、なんてギャーギャー口喧嘩する俺達に呆れたエルフが仲裁に入り、敵じゃないのは分かったから助けてくれと頭を下げた。


 俺達は慌てて二人を船から下ろして近くの平らな一枚岩に毛布やマントを敷いて簡易ベッドを作り、気絶した女性の体をフランソワに拭くよう言って、俺はエルフの傷の手当てをした。幸い深い傷ではなかったが、放置しとけば危なかっただろう。


 俺達はエルフに名前を尋ねたら、女に名前を聞く時はまず自分が名乗ってからだと言われ、アルフレッド、フランソワ、と二人して名乗ったら、家名は?と聞かれ今は単なるアルフレッドだ、単なるフランソワだ、と返すとエルフは少し考えて、私は単なるリリーだ、と名乗った。すると気絶していたはずの女性がクククッと笑い声を上げて、なら私は単なるオリーね、と起き上がりながら名乗りだした。

 

 単なるリリーとオリーに自分達は崖の上から全部見ていた事を告げ、船は自爆して海賊船も大きな穴があいたが沈んだわけじゃない、海沿いはまだ危ないから移動しようと提案し、一先ず俺達が以前見つけた近くの山の猟師小屋まで退避する事になった。


 船が自爆したと聞いて二人はショックを受けていたが、危険である事は理解してくれたので、船から必要最低限の物を持ち出して、それぞれに分乗して猟師小屋へと急いだ。ちなみに俺の後ろはエルフだった。

 

 





回想がおわらなかった…。

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