シャドウワイバーン
ファデル達は学校ないの運動場にいた、より被害を少なくするためだ。
「3匹向かってきてるね、ファデル君2匹いけるかい?」
「大丈夫だと思います」
ファデルは剣を取り出し少しかがむ、3匹のシャドウワイバーンの内1匹が速度を上げる、
「来るよ」
ファデルは神経を研ぎ澄ます、シャドウワイバーンが急降下するために減速し始める、
カラン
ファデルは勢いよくジャンプし、シャドウワイバーンの右翼を切り落とした。
「グギャ!?」
シャドウワイバーンはあまりに突然の出来事に混乱している、がファデルはそのまま右翼を切り落としたことで折れた剣先を取ってシャドウワイバーンの頭に乗る。
「脚運び【浜木綿】」
タン
ファデルはシャドウワイバーンを踏み台に遅れて飛んできている2匹のシャドウワイバーンの目の前まで文字通り飛ぶ、
「ガッ!?」
そして先ほど回収した剣先をシャドウワイバーンの右目めがけて投げた、
「グギッ」
剣先はシャドウワイバーンの右目に刺さり、ファデルはそのままシャドウワイバーンの頭の上にまた乗った。
「【火花】」
ドガン
ファデルはシャドウワイバーンの頭をおもいっきり殴った、殴った影響かシャドウワイバーンの体はグラウンドに叩きつけられた。
「これで2匹」
すでに右翼を切り落としたシャドウワイバーンは息絶えグラウンドに死体があった。
「よし次は僕だね」
最後のシャドウワイバーンは警戒した様子で黒い火炎弾を放ってくる、
「よっと」
視目は腕を振り回しながら黒炎弾をよける、そしてシャドウワイバーンに向かって腕をつきだした、
「これで後3匹か」
視目が腕を引っ張るとシャドウワイバーンの体ががつられたかのようにしっぽから引っ張られる、次の瞬間シャドウワイバーンが文字通りバラバラになった。
すでにグラウンド内はシャドウワイバーンの死体で足場がほとんど無かった、それゆえファデル達は死体の上に立っていた。
「後3匹?」
チリン
「あっ、確かに来てますね」
「ファデル君さっきもそうだったけどどうやって感知してるの?」
「訓練させられたんですよ、元々勘の良い方だったらしいんですけどさらにそれを高めるようにね」
ファデルの目にもようやく次の3匹のシャドウワイバーンが飛んできてるのがみえた。
「さて、面倒だから一気に片付けちゃうか」
そう言って視目はゆっくりと構える。
「んー、上でやるか、ファデル君悪いけど死体回収してくれない?」
「わかりました」
ファデルは視目の言われた通りにシャドウワイバーンの死体を回収した。
いつの間にか視目は宙に浮かんでいる。
2匹のシャドウワイバーンが先行して視目の横を通過する。
「逃すと思った?」
視目は嘲笑うかのように吐き、後ろに伸ばしていた両腕をおもいきり前にふった。
すると通過した2匹の動きが止まり先程のように視目の腕の動きにつられたかのように尻尾から勢いよく動く、そして2匹の体が互いにぶつかった。
「「グァ」」
短い悲鳴、骨の砕ける音、2匹はそのままグラウンドに落ちた。
「後1匹」
最後の1匹は視目の前で止まっていた、その目は自分を捉えているのではないと視目は直感的にそう感じた。こいつが見ているのは闇だ、どこまでも深く暗い闇だ。
突然シャドウワイバーンの姿が消えた。
視目はとっさに構えたが何か起きるわけでもなかった。
「視目さんやりましたね!」
ファデルが叫んでいるのが聞こえた。
やりましたね?なにをだ?僕はなにもしていない。
視目はそう言おうとして下のグラウンドを見た、そこには3匹のシャドウワイバーンが倒れていた。視目は面食らった。
なぜあれが倒れている?なぜだ?
しかし視目はすぐ答えを見つけることができた、最悪の形で。
最後に落ちた1匹が突然起き上がった、側にあるまだ息のある2匹を見て、次の瞬間それは何を思ったか2匹に噛みついた。
「えっ!?」
食べているとは雰囲気が違う、噛みつかれた2匹が噛みついた1匹を挟むように近づく、
「これは、なんだ?こんなの見たことない」
3匹の個体は箱詰めされたかのようにくっついている、嫌な音をたてながらしかしそれは確かな一つの個体を形成していく。
背中の翼、6本足に奇妙な形の尻尾、それは誰が見ても生まれかわったとしか言いようがなかった。