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護衛依頼

???

本部の会議室の扉をタトスがノックする。

「どうぞ」

中から返事がする、ファデルはその声に聞き覚えがあった。

「失礼します」

「し、失礼します」

タトスに続いてファデルも会議室に入る。

「局長、ファデル・フラミクスをつれてきました」

「そうかい、ご苦労様」

戦闘局局長、カレッジ・ノクスはタトスに答えた。

「…」

「どうしたんだい?ファデル君、緊張してるのかい?」

ファデルは局長から表現のしようのない圧迫を感じた。

「いいえ、大丈夫です。」

「そうかい、まあ座りなさい」

カレッジに従って椅子に座る、するとファデルは会議室にいたもう1人の存在に気づいた。

「えーと、この方はもしかして…」

()()は奇妙な仮面をしていた。

「そう、彼は鬼神会特殊能力局局長の器神心胸(うつわがみしんきょう)君だ」

ファデルは少し嫌な予感がした、何せ特殊能力局、通称『特能』がこの会議室にいるということはそれほど異常事態であることを指し示しているからだ。

「さて、ファデル君、君にはある依頼を引き受けてもらう」

カレッジが話を切り出した。

「君には『特能』のある人間の護衛をしてもらいたい」

「護衛ですか…」

「そう、『特能』の器神視目(しもく)君を知っているかい?」

「名前は聞いたことあります、その視目さんを護衛するわけですね」

「ああ、そういうことになる」

カレッジは頷いた。

「それで『特能』が出動する世界って一体どういう状況なんですか?」

このファデルの質問を受け心胸は何枚かの写真を封筒から取り出しファデルに見せた。

「これは?」

写真の中央には真っ黒な部分がありその周りには星のようなものが写っている。

「これは第156番世界『ラダクト』を衛生カメラで撮ったものだ。見ての通り中央の黒い球体が『ラダクト』ということになる」

「『ラダクト』は外からみるとこんな黒いんですか?」

「いや、これが我々『特能』が動いている理由の一つだ。この世界で起きている異変が問題なんだ」

「異変、何が起きているんですか?」

「わからない」

心胸の答えにファデルは戸惑う。

「え、わからない?わからないってどういうことですか?」

「これが撮られたのが約1ヶ月前、『ラダクト』のお偉いさんが送ってきたんだ。我々はすぐにパーティーを派遣した」

「内分けは戦闘局4人、情報局1人、超常現象研究局1人という感じでね」

カレッジがパーティーの説明をする。

「しかし1週間後には定期連絡が途絶えた、つまり彼らの身に何か起きた可能性が高いということだ」

「それで『特能』を派遣することになったということですか」

「人数は最小に押さえ込む、そうして視目とバディを戦闘局の1人に組ませることで決定した」

「それでどうして僕なんですか?」

ファデルはずっと疑問に思っていたことを聞いた。戦闘局なら自分以外にもいくらでもいる、しかも今回は『特能』を護衛するのだからもっと実力のある人間が選ばれるだろうに実際は自分が選ばれている。

「派遣パーティーとの連絡が途絶えた後、妙なことが起きたんだ」

「妙なこと?」

「『ラダクト』に通じる扉が開かなくなってね、扉の移動で『ラダクト』にいけなくなったんだ」

「ああ、なるほど」

ファデルは納得した。それだったら自分が選ばれた理由もわかる

「つまり僕は護衛兼運び屋ってことですか」

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