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影の集落(1)

繁華街の出来事から1日たち助けた女が目を覚ました。

「ここは?」

「ラダクトのホテルです」

視目が答える。

「私は、…そうかあいつに捕まって」

「ええ、連絡の取れなくなった調査隊の代わりに私ともう1人、彼が派遣されました」

視目はファデルを指しながら話す。

「私は特殊能力局所属の器神視目、こちらが戦闘局亀池事務所所属のファデル・フラミクスです。一応所属は調べさせて貰いましたがあなたは?」

「私は戦闘局鳥空事務所所属のシピネ・バルボだ」

「シピネさん、あなた達調査隊に一体何が起きたのですか?」

「私達調査隊はこの世界を扉経由で来た、そしてすぐに超研の者がこれが人為的に起こされたものだと気付き、その発生源を追っていた。そこでやつにあったんだ」

「【黒服】ですね?」

「ああ、やつは影から犬を召喚して私達を襲った、私達は戦いこれを退けたがその時全員が分断されていた。何故かはわからない、確かに近くで戦っていたはずの仲間がどこにもいない。辺りは暗闇で気づけばやつが目の前にいた。やつは私に話しかけたが何を言ったかは覚えていない。しかしやつの言葉を聞いていると何故だか気分が重たくなってきた。そこからは覚えていない」

「あなた達が戦った場所はどこでした?」

「地図はあるか?ああ、ありがとう。確かここの集落だった、ここから暗闇が発生してるとみて行ったらこの様だ」

「わかりました、じゃあファデル君行くよ」

「ええ」

「待て、まさか二人で行くのか?」

「何か問題でも?」

「無茶だ、いくら特能でも敵の本拠地みたいな場所だぞ」

「僕達はそういった場所に飛び込んであなたを助けました。今回も大丈夫です」

「ならせめて私も行かせてくれ、1人でこんな所で待っているなんて耐えられない」

「わかりました、準備をしてください」


1時間後3人はファデルの車に乗って集落を目指していた。

「調査隊の残りはそこにいるんじゃないかと私は思っている」

「全員?」

「ああ、意識が朦朧としてはいたがそんなに遠くに囚われていた感じがしなかった」

「まあもしかしたら他が全く別の場所にいる可能性は捨てきれないけどね」

「できればそうでないことを祈るよ」

シピネは苦笑いしながら言う。

「目的地に接近、ここから陸路で行きます」

車が崖道の道路を走り出す。

「山岳地帯か、崖下は森だ」

「うう」

シピネが少し苦しそうに唸る。

「大丈夫ですか?」

「なんとか、全く嫌な感覚だ」

道が少し広がってきた所でファデルは車を止めた。

「ここから徒歩で向かいます、車は向こうに去らせて撤退時に呼びます」

3人は道を歩き遂に集落にたどり着いた。

「ここだ、確かにここで戦った」

「どうします?」

「バラバラに行動しよう、とにかくこの集落に何があるのかわからないとどうにもできない」

「本気か?やつがいるかもしれないんだぞ」

「居たってどうせあなたがなったように分断されますよ」

「それもそうかもな」

こうして3人はバラバラに行動することにした。


「見られてる…」

ファデルは建物の裏に隠れるように動く、集落の中は無人ではなく影が居た、影は徘徊している様だ、武器を持ってはいないが見つからない方が良いだろう。

「やつじゃない、もっと上だ」

ファデルはゆっくりと動く、少し先に扉の前に立つ影が見える。

「あの中に居るな」

ファデルは影にゆっくりと近づく。

「足運び【縮地】」

ファデルは一瞬で影の前に移動し、そのまま影の腹の部分を殴った。殴られた影は消えた。

「あまり消さない方が良いか…」

扉を開け、中に入る。

「ビンゴ」

ベッドに男が眠っていた、しかし男は特に縛られていた様子はない。

「逃げ出さないと思ってるのか」

ファデルは視目がシピネを回収する時に使った白い機械を男に取り付け回収した。

「よし、取り敢えず収穫はあったか、二人がどうだか分からないがこのまま調査するか」

そしてファデルは建物の中から出た、その時だった

チリン

「!?」

開けかけていた扉を咄嗟に閉める、すると扉から鈍い金属音が聞こえる。

「見ていたのはこれか!」

チリン

再び警告音が鳴る、今度は影が近づいてきていたのだ。

「とにかく目をどうにかしないと」

ファデルは裏口から出て隠れながら動き出す。

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