シャドウエイプス
「まずいな」
飛びかかってきた猿の1匹を撃ちながらファデルはジャンプする、何匹かファデルの身体にしがみついてきた猿を振り払う。
「よっと」
猿にしがみつかれたせいで前転しながらの着地になる、すぐに振り返って猿の軍団に向かって銃を撃つ。
「キー!」
飛びかかってきた猿から順に撃つものの数が多いため後退しながら撃つ形になる。
「炎魔【ファイヤーボール】」
銃から炎の球が放たれる、小さな爆発音とともに猿達がふっ飛ぶ。
「そろそろ良いか」
もう一発炎の球を撃ってファデルは走り出す、この数を相手にしてはきりがないからだ。
「キー!!」
後ろの方から猿の声が聞こえる、すると道を塞ぐように猿達が現れる。
「どれだけいるんだか…」
ファデルは青いボールとそのボールがちょうど収まるくらいの穴が空いた円盤を取り出す。
「あまり使いたくないがこの数は面倒だ」
ボールを円盤の穴に入れる、そしてボールにあったつまみを引っ張ると太めの紐がボールから伸びていく。
「このくらいだな」
つまみをはなすと紐がボールの中に戻っていく、
「キキー!!」
つまみがボールに接触した次の瞬間ボールが爆発した。
視目は一番近くにあった建物を目指し歩いていた。
「何かいるな」
拳銃を2丁取り出し臨戦体勢に入る、
「キキッ」
岩陰から猿が飛び出した。
「黒いな、あいつか」
視目はためらいなく猿を撃った、猿の頭が弾けとんだが何故か猿は動き続けている。
「なんだ?ゾンビとも違う感じだが…」
観察していると猿の首から黒い液体が吹き出した。あちこちに飛び散った液体が膨れ上がり人の形を形成していく。
「なるほどスライムか」
黒いスライム達はゆっくりと視目に近寄る、
「骨がおれそうだな」
「82、83、…」
建物に続く道の途中に大きなクレーターのようなものができていた、ファデルが置いた爆弾でできたものである。
「98、99、100と」
ファデルはクレーター上に倒れていた大量の猿の死体を回収していた。
「少し時間かかっちゃったな、まあ大丈夫かな」
クレーターにはまだ猿の死体がかなりあったがそれら全てを回収してると容量がきつくなるのだ。
道なりに歩くと建物に着いた、近くにあった扉を開けようとするが鍵がかかっている、
「これくらいなら良いだろ」
そう呟いてファデルは扉に体当たりをしてこじ開けた。
「警報は切ってるのか?」
天井にある監視カメラは機能しているようだが警報は鳴らない。
一番近くの部屋に入ると自販機を見つけた。
「お、何か飲むか」
自販機はどうやらお金を入れなくても飲み物が出てくるようでファデルは適当にボタンを押した。
「ふー、視目さんはここにはいなさそうだし、目印上げて知らせるか」
ゴミを捨てようとした所でファデルは違和感を感じた。
「このスペース…」
自販機と壁にはもう1台自販機が入るくらいのスペースがある。
「おかしいなこんなスペース作るんならもう1台設置するはずだ」
ファデルは自販機を空いたスペースの方に押した、自販機は思ったより簡単に動き、自販機が元あった場所は壁ではなく暗闇があった。
「これは、何かありそうだな」
ファデルは一旦ソファーに座りベルトの中央部にあった白いボタンを押した、するとファデルの目の前に白い立方体が浮かび上がった。
「さっき回収した猿から作れるのは…」
立方体の表面を何回か触ると上に丸い穴が空いた、ファデルは穴にてを突っ込み黒い棍のようなものを取り出した。
「次は…」
先ほどの銃を取り出し穴の中に入れ再び表面を何回か触る、
「よし、行くか」
ファデルは穴から銃を回収して先ほど見つけた入り口に入った。