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夏海と月
典紀の家に着いた夏海の傍らに黒猫。
その猫は夏海になついている
典紀、この猫って
月だよ。夏海になついているみたいだね
夏海と猫の月は似ている
夏海も子猫みたいだからね。
月、あなたと似てるんだって。
ニャーと鳴く月
可愛いって意味だよ。月と似てるのは
典紀、いろいろごめんね
夏海は一人で背負い込むよね
彼、典紀は夏海の親友のような恋人である
夏海の目に涙。
泣いていいよ。
夏海は泣いた。彼は夏海の背中を擦る。
どうも夏海は恋人の腕の中で泣くのは苦手だった
月はリビングから消えていた
ソファーには二人だけだ
翌朝、夏海は典紀に抱かれたと思った
もちろん覚えてはいない
医大に行き、夏海は信頼できる教授に子供時代からの母親の支配を話した
「なるほど。双極性障害を患ったのはお母さんの影響か。恋愛もろくにできなかっただろうね。
亀岡先生から聞いているよ。」
強面に眼鏡の精神科教授は夏海にとって太陽になる
そしてその教授は夏海に言った
あなたは勤勉でまじめだ。と
「高岡先生、ありがとうごさいます。」
高岡教授は解説授業がウケている