魔王の友人！ ・・・え？ 待ってそれ誰の事？
この度は作品に興味を持って頂いてありがとうございます！
少し下ネタ的表現を書いておりますがどうかご容赦ください。
ちょっと書いて見たかったんです。
すいません。
それでも面白いと思って頂ければ幸いでございます。
どうか最後までお付き合いください。
普通の人生だった。
当たり前のように朝起きて、用意してもらった朝食を食べて、学校に行き勉強して、友達と遊んで家に帰り、用意してもらった晩御飯を食べて少し遊んでから寝る。
これが俺の今までの人生。
毎日を当たり前のように生活する高校生だった。
だけど、そんな当たり前の日常は朝の目覚まし時計が鳴ると同時に変わり果てた。
「目覚めたな・・・。」
最初は夢を見ているのではないかと本気で思った。
いつも通り五月蠅い目覚まし時計を止めてゆっくりと目を開けると、普段は家の天井が見える筈なのに、目の前に映るのは映画やアニメで出てくるような巨人で、目が赤く、頭には大きな角が生えた誰かが、俺の顔を覗き込んでいたのだ。
「なんだ・・・まだ寝ているのか？」
目をクッキリと開けているのにまだ寝ていると勘違いされたらしい。
よし。
ここはとりあえず寝てますよアピールで場を誤魔化そう。
「仕方ない。 叩けば起きるか？」
「おはようございます今起きました。」
トラックみたいな大きな拳を振り上げた直後に俺は今までにないスピードで起き上がった。
「おぉ！ 起きたか！ 心配したぞ人間！！」
俺が起きた事に喜んでいるようだが、その笑い声は断末魔の様な声にしか聞こえない。
いや、実際俺に何か惨い事をする喜びで笑っているのだろう。
「無理矢理呼んだようなものだから貴様の体に異常があるのではないかと今人間の体について調べていた所だ。 何処か痛い所や気分が悪いなどはないか？」
「あ・・はい。」
メッチャいい人だぁああああ！
見た目だけで疑ってすいませんでした！
「さて、そろそろ自己紹介をしよう。 我は魔王。 この世界を征服して統べる者だ。」
前言撤回！！
完全に敵側でした！
「な、なんで俺が魔王の目の前で寝てたんだ！！」
恐怖のあまり足が立ちすくみ動けないでいるとある違和感に気が付いた。
布団があるのだ。
布団だけじゃない。 勉強机・テレビ・脱いでほったらかしの制服・ゲーム・本棚。
俺の部屋そのものが周りに存在していたのだ。
「すまない人間。 召喚術など初めてやるものだからウッカリ貴様の周辺すべてをここに召喚してしてしまったのだ。」
それってある意味すごい事だと思ったが、ここはあまり口に出さないようにしておこう。
「な、何で俺を召喚なんてしたんだ！ 俺じゃなくてもいい筈だろう！」
「え？ 特に理由はない。」
クッソ！ ちょっと何かに選ばれたんじゃないかって期待した自分が憎い！！
でも確かに、普通召喚されるとかなら城の中で王女様にとか、偉大なる魔法使いとかに召喚されて魔王討伐に行くとかが妥当だもんな！
なんで魔王自身に召喚されてんだよ！ 神様仏様空気読め！！
「いや～でもすごいな人間って。 前に拾ったこの本に書かれてある【勇者召喚】っていう魔術式通りにやったら本当に召喚できたんだもん。 我少し関心してしまった！」
神様仏様ごめんなさい！
空気読めてないのは貴方達じゃなくて魔王自身でした！
「！ 待てよ？ 俺が勇者召喚っていう召喚術で呼ばれたなら、何らかの勇者と呼ばれる程の特別な力が宿っているのでは？！」
「え？ うんそうだな。 貴様には我を倒す程の力が宿っている。」
「よっしゃぁああああ！ そういう事なら魔王！ 勇者であるこの俺がここでお前を倒す！ ハァアアア・・・ハァアアアアアァアアア！！！！？」
力を溜め込み、両手を魔王に向けて勢いよく何かを放つように構えて見たが、出たのは俺の虚しい咆哮が部屋全体に響き渡っただけだった。
「えっと・・・特別な力が宿っているとは言ったけど、あくまで宿っているだけだから、扱うのにはそれなりの練習と努力が必要だぞ？」
「・・・それを早く言ってよ・・・。」
魔王の赤い目が細くなり声のトーンが少し抑えられている事から、俺は敵に同情された事を理解して涙目になった。
「そ、それじゃあ魔王！ なんで魔王が勇者召喚なんて魔法使ったんだ！」
「あぁ、それは・・・待って。 それ何？」
「あん？ それ？」
魔王は大きな手を器用に扱い俺の本棚から、一冊取るとさらに奥に置いてある本を取り出した。
「あぁあああああ！！ 待て待て待て待て！ それは駄目！ お願い返してください！！」
魔王は興味を持った本に興味を持ちすぎて俺の声なんて全く聞こえていなかった。
よくもまぁ大きな手で小さい本を上手くページをめくるな。
しばらくページをペラペラとゆっくりと見ていた魔王はピタリッと動きを止めた。
「ま、魔王？ どうした？」
「・・・初めてみた。」
「うぉ！ 鼻血！！？」
魔王が取り出したのは俺のお気に入りの所謂・・卑猥な本だ。
親にも見つかった事がないのに一発で見つけ出しやがって！ 敵に自分の恥ずかしいもの見られると思うと顔が赤くなってきたけど、魔王の鼻から流れ出る血を見て、自分の恥ずかしさよりも魔王の鼻血の方が驚いた。
「え？ 魔王？ まさか興奮してるのか？」
「何を言う人間。 我は魔王。 この世界を征服して統べる者だぞ。 たかが人間の女の裸を見たくらいで興奮などしない！」
「ならその手で押さえている場所はなんだ！ 言え！ 言ってみろ！！」
「これはあれだ・・・我の眠りし魔剣の力が漲っているのだ！！」
「そんな腰を折り曲げた状態で言われても何の説得力にもなれねぇよ！ このスケベ魔王！！」
何か最初は恐ろしく見えていた魔王にすごく親近感みたいなものを感じる。
魔王が急いで自分のマントで止まらない鼻血を止めていると、いきなりドシンッと大きな揺れが生じた。
「な、なんだ！ 魔王！ お前何かしたな！？」
「え～・・いや？ 我は何もしていないが？」
しらばっくれる魔王ではあるが再び大きな揺れを感じる。 しかも三回連続でだ。
「一体何なんだ！ この揺れは！！」
「・・・あっ。 そうかあれだ。」
「あれ？」
魔王はようやく止まった鼻血を拭きながら壁を二階トントンッと指で軽く叩いた
すると壁から映像が流れ始めそこには四人の人間が倒れていた。
一人は大きな杖を持ち、残りの人間は剣を所持している。
「まさかあれって・・・。」
「そう。 あれらは我を倒す為に生まれた人間の希望。 勇者一行だ。」
全員ボロボロの状態ではあるが、命の別状があるという訳でもなさそうだ。
一人ずつ意識が戻り起き上がると何か作戦会議をして再び建物の中に入っていった。
「まさかこの建物は？！」
「そうだ。 我と貴様が今いる魔王城の入口だ！」
やった！
経験豊富の勇者一行がすぐそこにいるっていうなら何とかなりそうだ！
もう少しこのまま時間を稼いでおけば勇者達が来てくれるに違いない！
「人間・・貴様今、奴等がこれば何とかなるとでも言いたげな顔をしていたな？」
「！ ・・チッ。 やっぱり魔王だな。 俺の考えなんてお見通しか。」
「フッ。 残念だったな。 奴等がここに来ることはまずない。 フフッ・・フフフ！！」
魔王は先程と違い不気味な笑みを浮かべながらそういった。
まさかこの城に危険なトラップが！
クソッ！ 俺に何かできる事があれば！！
「ほら。 あれを見ろ！」
ゆっくりと腕を上げ、映像に指をさした時、勇者一行が上がっていた階段から姿を消して、いつの間にか先ほど倒れていた魔王城の入口で倒れていた。
「はぇ？」
「フッフッフッ！ すごいだろ！ これぞ我特性のトラップ魔法【ザ・リターン】！ このトラップにかかればどれだけ昇っていたも最初の魔王城の門からやり直しなのだ！！」
「色々な意味でムカつくトラップだな！！」
だから勇者一行は疲れ果てているように見えるのか！
「ムッ！ 奴等・・・まさか！？」
勇者達が何か相談を始めた時、魔王は何故か驚くような表現で映像を覗き込む。
「一体どうした？」
「まずい・・奴等あれをするつもりだ！！」
魔王がここまで慌てているとなるとかなりすごい攻撃を勇者達が仕掛けるに違いない。
・・・あれ？
もしかしてそれだと俺も巻き添えになるのでは？
「ま、魔王！ 大丈夫なのか？ 俺はどうなるの！！」
「ムムムゥ・・・」
「ねぇお願い！ 何か答えて！ ねぇ！！」
腕を組んで何かを考え始めた魔王に必死にしがみついて自分がこれからどうなるのか涙目になりながら問いただしていると、映像から勇者達の姿を消えた。
「やはり・・」
「ねぇ！ 何がやはりなの！ ねぇ魔王！ 俺大丈夫だよね？ 俺まで勇者達の攻撃に巻き込まれることはないよね！？」
「安心しろ。 勇者達は何か攻撃を仕掛ける為に姿を消したわけじゃない。」
それを聞いて少し安心はした。
いきなり魔王に召喚された瞬間に勇者に殺されえるなんて冗談にもならないからな。
魔王は人差し指を軽く振ると映像が切り替わり大きな門が映りだした。
「ここは？」
「魔王城最上階門。 つまり魔王の玉座がある部屋の門だ。」
「へぇ～・・・。 ――――なぁ」
「なんだ。」
「何でこの映像を映し出したか聞いていい？」
すると魔王は映像にゆっくりと指をさす。
そこには先ほど魔王城の入口で倒れていた勇者一行の姿があった。
「なんでだよ！ なんで入口前にいた勇者達がもう最後の門前にいるの？！」
「それは奴らはあれを使ったからだ。」
玉座の門前には人が一人はいる程の円状が光っている空間がある。
「あれは我が作り上げた魔術式【セーブポイント】だ。 奴等面倒くさくなって【ロード】したのだ。 まったく、勇者ならばそんな事をしないで来てほしいものだ。」
「あれ？ 俺が召喚されたのって何処かのゲームの世界だったっけ？ 異世界召喚じゃなかったっけ？」
しかもセーブポイントに入った勇者達は見た所、怪我も体力も回復している。
「ねぇ・・・あれって・・・」
「むぅ。 人間にはこの１００層ある魔王城を駆け上ってくるのは辛いものだと思って回復魔法も付け加えたのは間違いだったか。」
「妙な所で気を使うな！！？」
あぁほら！？
元気いっぱいになった勇者一行は士気も高まって「いざ！ 魔王討伐！！」みたいな雰囲気になっているよ！
でもよく考えろ・・・勇者達が来てくれれば俺は助けてくれる側。
魔王は討伐されてこの世界はハッピーエンド！
俺もこんな危険な所から救われてハッピーエンド！
すべては上手くいく！
よし来い勇者！
そして俺を救え！！
「あ、言い忘れてたけどこの部屋にいる時点でお前は勇者達の敵だからな。」
「なんでだ！？」
魔王曰く、魔王が召喚したせいで俺から流れ出る魔力は魔王と同じ形質であるらしい。
その事から勇者達は俺を魔王の僕か何かと考えて攻撃してくるらしい。
「ぎゃああああ！！ 嫌だぁああああ！ 何もない普通の人生からなんでいきなり勇者達に命を狙われる人生に転換してんだぁああああ！！」
「ハッハッハッ！ 安心しろ。 お前を召喚した術式はあくまで勇者召喚。 そう簡単に殺される事はないさ。」
「そんな事心配してるんじゃねぇよ！ というかなんでお前はそんなに落ち着いていられるんだ！
あぁほら！！ 勇者が門を開ける！！」
ギィ・・・と開けられると門の中はかなり暗く何も見えない状態だった。
確かにこの部屋は広く暗いから入口だと何も見えないのかもしれない。
勇者達は警戒しながら玉座の部屋に入ると・・・
魔王城の門前入口に戻った。
「何でだ！！！！！！？？？」
勇者達も俺と同じリアクションを取ってパニックになっている。
「ハッハッハッ！！！ すごいだろ！ 玉座の部屋にも【ザ・リターン】の罠を仕掛けていたのだ！！」
「お前もう戦う気ないだろ！？」
魔王はパニックになっている勇者達の姿を見て満足したのかまた俺の私物を物色し始めた。
・・・主に本棚を。
もうやめてくれ。
俺の性癖を探し出すのは・・・。
「ムッ？ おい人間。 これはなんだ？」
魔王は取り出したのは最近バイトして買ったゲーム機だ。
「【ナンテンドー・ボタン】っていうゲーム機・・・やってみる？」
「ほぅ、ゲームか。 ふん、人間の世界に紛れ込んで色々な遊びを制覇した我にゲームをやってみるとな？ いいだろう人間。 今こそ我の力を見せる時だな！！」
「お前実は暇だろ。 まぁいいけど・・・格闘ゲームでいい？」
「何でもするがいいさ！ どうせ我が勝利するからな！ ハッハッハッ！！」
◆◆◆ １時間後 ◆◆◆
「何故だ・・・何故勝てぬ！！」
人間サイズに魔法で小さくなった魔王はコントローラーを片手に持ってプルプルと震えていた。
この一時間ずっと同じ格闘ゲームを続けて俺に連続３０戦３０敗しているのだ。
「あり得ぬ・・色々な遊びを制覇した我がここまで敗北を許すなど・・」
そりゃずっと同じキャラで同じコマンドでの攻撃を続けてたら馬鹿でも勝てますぜ。
それからも魔王のゲームの再戦に応じて戦っていると勇者達が再び玉座の前まで来ていた。
しかし俺もバカではない。
同じ動揺はしないのだ。
部屋の入口にザ・リターンの魔法を仕掛けているとすれば流石の勇者達も簡単には入ってこれまい。
「あっ・・そういえばトラップ魔法は一回しか発動できないの忘れてた。」
魔王が今思い出したみたいな感じで必死にゲームしながら放ったその言葉は俺を恐怖のどん底へと突き落とした。
「お、おま！ お前ぇええええええ！ どうするんだよ！ 勇者たちもう部屋の中まで入って来たよ！！」
「ハッハッハッ！ そう慌てるな。 ほれ。」
お気楽に笑っている魔王はまた映像へ指を向ける。
俺は涙目で映像に視線を向けると、何やら勇者達が動揺している。
それに部屋全体を見てみると玉座は確かに存在しているが、その部屋は今俺と魔王がいる部屋とは全く違う部屋だった。
「これは一体・・・」
「いや～人間って賢いけど単純だよなぁ～ホント。 【我がいる場所が最上階だと勝手に決めつけるのだから】。」
「え？」
魔王は映像の横に違う映像を流し込みこの魔王城全体の地図を映し出した。
「ほれ。 我らがいる部屋は魔王城の地下。 奴等がいる場所は魔王城の最上階。 人間と言うのは入口を入って目の前に上がる階段があればすぐに我が最上階にいると勝手に決めつけるから。」
「・・・ち、因みに地下の階段は何処に？」
「上がる階段の後ろ。」
こいつ・・・意外と頭が良いぞ！！？
確かに建物の中に入って目の前に大きな上に上がる階段があれば誰でもボスが上にいると勝手に判断してしまう事がほとんど。
しかも実際に隠れている部屋は上がる階段の後ろにあればそう見つかる事はない。
というかまずくね？
これ勇者達が俺と魔王を見つけずにここから立ち去るのではないか？
それはまずい。
とてもまずい！
このままでは俺はいつか魔王の気まぐれで殺されてしまうかもしれない！！
何故かそんな事をするような未来を考えにくいが、こいつが魔王である以上いつか人間であり、召喚のせいで勇者の力を持っているという俺の存在を消す事だってあるかもしれない。
そうなる前に今！ ここで経験豊富な勇者達に助けてもらわなくては！！
ブツブツとどうやって最上階にいる勇者達に自分がここにいる事を知らせるか考えていると魔王は重たい腰を上げて懐から青く光る石を取り出した。
『ん、んん！！ あ～あ～。 ・・・聞こえているか選ばれし人間どもよ。』
「！！？」
魔王が石に向かって喋り始めると玉座の部屋を映した映像からも魔王の声が響き渡っているのが聞こえた。
この石はマイクの役割を果たしているらしい。
だがこれはチャンスだ！
魔王自身から勇者達に話しかけ、更には助けを呼べるアイテムまで持ち出してくれたのだ！
これでどうにかして人間である俺が敵でなく巻き込まれた一般人だと説明しなくては！！
『ここまで来た事をまずは褒めてやろう。 最上階まで来た人間は数百年ぶりだ。 しかし貴様たちは運が悪かったな』
魔王の意味深な言葉を言って勇者達に緊張感が走るのが分かる。
俺もいきなり真面目なセリフを言い始めた魔王に驚きながら思考が停止した。
『お前達が選ばれし人間である勇者が今、ここで我を倒しても、すでにこの世界には我より強い奴が現れた事のだ。 お前達は運が悪い。』
緊迫な空気が流れる。
勇者達の仲間の一人は体震わせて絶望しているようだった。
それもそうだ。
折角最大の敵である魔王を倒せると思いここまで幾度の危険な事や辛い事を乗り越えてようやく終わりが見えたはずなのに、この魔王を倒してもその魔王を上回る敵がいると聞いてしまったのだ。
俺もそれを聞いて動揺を隠せないでいた。
『そいつは我の知らない知識を持ちさらには我の新しい力も見出した。』
魔王とまで呼ばれている相手に新しい力を見出す程の知識を持っている？
それはもう神と呼ばれる存在なのではないか？
『そして我は奴に３０回戦いを挑んでもまったく歯が立たない程の実力者だ。』
この魔王に３０回も勝利したのか！？
やっぱりとんでもない天敵が現れた。
一体どんな奴が・・・
魔王は指をパチンッと鳴らして勇者達がいる玉座の部屋に映像を流した。
そこには俺と魔王の姿が映っており何故か魔王は俺の肩を組む。
『奴は【我の友人】！ 我をも超える（ゲーム）の実力を持ち３０回にも我に（ゲームで）敗北を味わせた男だ！』
「・・・え？ ちょっと待って？ それ誰の事？」
やばいやばいやばいやばい！
俺は魔王が言った言葉で今まで経験したことがない程の汗が滝のように流れ出た。
こいつなんていった？
友人？
誰が？
玉座の部屋に映りだされた映像は俺をドアップで映し出しており、勇者は仲間を連れてその場から姿を消した。
「ふん。 転移魔法か。 我のザ・リターンと同じような魔法を使うとは流石は勇者よ。 今頃人間の王の元に戻って対抗策でも考えに行ったのだろう。」
何故か勝ち誇った顔で勇者が発動した魔法の解説を初めて魔王に俺は首袖を掴んで勢いよく揺らした。
「お前なんて事してくれてんだぁああああああああああああ！！！！！？？？」
これでは勇者達に助けてもらうどころか顔まで晒されて命を狙われる側になってしまったではないか！
「なんだいきなり。 我が勇者召喚した理由は一緒に遊べる友人が欲しくて発動させたのだ。 別にお前を召喚しようと発動したわけではなかったが、今は分かるぞ。 お前が我の友人として召喚に選ばれた理由が。」
あぁ。
そんな嬉しそうな感情籠った声で言わないでくれ。
良心が痛む。
そして頭も痛む。
なんで・・なんで俺が魔王の友人で人間に命を狙われる重要人物になってるんだ。
俺は―――――
「俺は普通の高校生だぁあああああああ！！」
最後まで読んで頂き本当にありがとうございます！
普段下ネタを言う友人は周りにいるのですが、自分自身がそういう表現を言う事がないので伝え方があっているか分からず、読んでくださる人に不快な思いをさせないでどう書くか悩みながら書きました。
それでも最後まで読んで頂いて本当にありがとうございます！！
そして他の作品を投稿した際はよろしくお願いいたします。
本当にありがとうございました。
