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小4男子、ビブリオバトる  作者: らと
【第一章】小4男子とビブリオバトル
7/33

1-3-2 ビブリオバトルのルール

「さて、今日は初めてのお友達もいるみたいだし、まずはビブリオバトルについてのおさらいから! 知ってる人も、忘れてる部分がないか一緒に確認していこうね」

 観上が『本のおすすめバトル』……とか言ってたけど、そういえば詳しい説明はあんまりされてなかったかも。よし、しっかりちゃんと聞いとこう!

「ビブリオバトルは、ひとことでいうと――『本の紹介コミュニケーションゲーム』! みんなで本を紹介しあって、『面白そうな本を見つけること』を目的としたゲームです。元は大学の研究室で始まったものなんだけど、今では学校の授業で行われたり、こうして地域で開かれることもあるくらい広まってるゲームなんだよ」

 ゲームって言ってるけど……授業でやるってくらいだし、やっぱり少し真面目なやつなのかな?

 ……いや、これだけ人が集まってるんだし、……だいたい、まだちゃんとしたルールも聞いてないし! うん、ヘンケン、良くない良くない!

「……ホントはもう一つ目的があるんだけど――」「まあ――これは、おしまいの挨拶のときに、お話しようかな」

 なんだかいたずらっ子みたいな笑い方をするお兄さん。

 ……意味深な言い方するところ、司瑞とちょっと似てるかも。あとメガネなとこ。


「それじゃあ、次はルールについて確認していこうか。よっと!」

 ホワイトボード、ぐるりーん!

 イベント名と日付の裏には――。


────────


【ビブリオバトルのルール】


1.まずは準備(じゅんび)

発表者(はっぴょうしゃ)(バトラー)が、()んで「面白(おもしろ)い!」と(おも)った(ほん)

(さつ)だけ()って(あつ)まる

2.発表はっぴょうタイム!

発表者(はっぴょうしゃ)(バトラー)は、順番(じゅんばん)(ほん)紹介(しょうかい)する

時間(じかん)一人(ひとり)分間(ふんかん)

3.質問(しつもん)タイム! 

一回(いっかい)発表(はっぴょう)()くごとに、参加者全員(さんかしゃぜんいん)

()からなかった部分(ぶぶん)(くわ)しく()きたい部分(ぶぶん)

バトラーに質問(しつもん)する

※2(ふん)~3(ふん)くらい

4.投票(とうひょう)タイム!

全部(ぜんぶ)発表(はっぴょう)()わったら、参加者全員(さんかしゃぜんいん)

一番(いちばん)()みたくなった(ほん)』に投票(とうひょう)をする

5.結果発表(けっかはっぴょう)

一番(いちばん)(おお)投票(とうひょう)された(ほん)が、その()のチャンプ(ぼん)になるよ!


────────


 すごい! 模造紙に、ルールが全部まとめてある!


「ルールは簡単。一人5分で本を紹介して、みんなに一番『読みたいな』って思われた本がその日の『チャンプ本』になれます! 『チャンプ本』――つまり、『本の優勝者』だね」

 ……分かってるけど、『チャンプ』って聞くとどうしてもキュウレン……じゃ、なくて!!

 ……えっと、ヒトじゃなくて、本が優勝するの?

「それじゃあ、次は細かいルールのおさらいを。……まず1つめ、準備から!」「発表者――ビブリオバトルでは『バトラー』っていうんだけど……」

 『バトラー』……うわ、なんかカッコいいなあ! すっごく主人公が目指してそうな感じ!

「その『バトラー』たちが、今まで読んで『面白い!』と思った本を選んで持ってきます。あんまり多いと紹介できないから、持ってこれるのは一人1冊!」

 たしかに、たくさんあったら持ってくるのが大変だし、聞くのも話すのも大変だよね。

「その次、2つめ。発表タイム! バトラーたちが順番に、持ってきた本の紹介を行います。制限時間はきっちり5分! 早く終わっても交代はできないし……逆に話しきれなくても、時間が来たらそこでおしまい。時間を有効に使って、持ってきた本の面白さをアピールしよう!」

 結構シビアだ!?

 『余っちゃうのがダメ』っていうのはまだ分かるけど、足りないときに伸ばしてくれないのは、ちょっと厳しい気がするなあ……。

「続いて3つめ、質問タイム! 発表が終わるごとに、2~3分間(にさんふんかん)、質問タイムを行います。聞く側の参加者が『発表の中で分からなかった』って部分とか、『もっと詳しく聞きたいな』って部分を、バトラーに質問できる時間だね。例えば、『この本は図書館で借りられますか?』とか『私はおばけが怖いんだけど、この本におばけは出てきますか?』みたいな質問でも大丈夫だよ。最後の投票のとき、一番読みたいなってものを選びやすくなる質問をしようね」

 あ、そっか。投票って、普通ひとつしかできないもんね。

「ここで注意。……間違っても、『バトラーを困らせるための質問』はしないように!」

 わ、びっくりした!

「聞きたいことを質問して相手が困っちゃうのは仕方ないけど、相手を困らせるために質問することはマナー違反です。バトラーにとってはもちろん、聞いてる他の人の迷惑にもなっちゃうからね」

 ちょっとだけ、お兄さんの言い方が厳しくなったように感じる。ふざけた質問、男子は特にしそうだしなあ。

 ……いや、オレはしないけど!

「そして4つめ、投票タイム! バトラー全員の発表タイムと質問タイムが終わったら、参加者全員で『読みたい』と思った本に投票をします。バトラーにも、自分以外の本をひとつ選んでもらうよ」

 バトラーも投票するんだ!

 ってことは……自分以外の発表もちゃんと聞いておかなきゃいけないのか。バトラーやる人、ちょっと大変そうだなあ……。

「重要なのは『人』じゃなくて、『本』を選んで投票すること。『一番発表が上手かった人』とか『自分が勝たせたい人』じゃなく、その日発表された中で『一番読みたくなった本』に投票してね。ビブリオバトルは、『チャンピオン』じゃなくて『チャンプ本』を決めるゲームだからね」

 そっか、だから『本の優勝者』って言ってたんだ。

 ……ん? それって……上手な発表じゃなくても、『読みたい』って思われることがある――ってこと……?

「ラスト! 5つめ、結果発表! いよいよ投票の結果が発表されます。果たして、一番多くの人に『読みたい!』と思われた本はどれになるのか! 一番に選ばれた本、紹介された本……そして頑張ってくれたバトラーたちに、たくさん拍手を送ろうね」

 あ、最後の説明に入っちゃった。後で聞けるかな? 覚えてたら聞いてみようっと。

「……と、おさらいはこんなところかな。さーて、ちゃんと覚えてた人ー?」


「「「「「「はーい!」」」」」」


 なんか、中学生――より上の人も混じってない!? みんなノリ良いね!?

 オレも、次は――もし来る時があれば、みんなと手を挙げられるようにしておきたいな。


「初めての子や忘れちゃってた子も、だいたい分かったかな? もし分からないことがあったら、周りのお友達――もしくは、お兄さんと同じエプロンを付けたスタッフに聞いてみてね。それじゃあちょっと休憩に――じゃあ、7分後くらいで! トイレに行きたい子は、今のうちに済ませておこうね。じゃあ、一度かいさーん!」

プレビュー確認してないんで模造紙のところレイアウト崩れてたらゴメン。あと眠気とかで誤字あったりしてもゴメン(下書きをリアルタイムに改稿して投稿しているなう)。教えてくれたらあとで直します!

……ていうかこの説明でちゃんとみんな分かる? 大丈夫?


★ビブリオバトルについて、ルールとか成り立ちに興味持った人がいたらこの本を読むと良いぞ

文春新書『ビブリオバトル 本を知り人を知る書評ゲーム』谷口忠大

https://books.bunshun.jp/ud/book/num/9784166609017


────


2018/06/24:

・模造紙部分のフリガナ位置を修正(フリガナ用括弧と対象文字の間に謎の全角スペースが存在していたのを修正)

・小ネタを追加(一応あとで伏線的な作用もする……はず)

・一部微妙に表現を変更(句読点とかそういうレベルの微妙さ)

他にもなんかあったらゴメン


2019/10/02:

タイトル改題

旧→1-3-2 「『バトラー』……うわ、なんかカッコいいなあ!」

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