1-4-5b 久地なじみの発表『パーフェクトフレンド』
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「はいどーも! ナカ中一年C組所属、クラス委員の【久地なじみ】です! 『久地』は『久しぶり』の『久』に『地面』の『地』、名前は『おなじみ』の『なじみ』でひらがな! 今日は名前だけでも覚えて帰って――って、そういうのじゃないか。へへ」
い、いきなりマシンガン!
『開始早々ペースをにぎった』って感じだ。
「えーとっ、私が今日持ってきたのは――。
じゃかじゃかじゃかじゃか……」
こ、このわざとっぽい感じ……!
……なんていうか……オレの身近に心当たりがあるような、ないような。……こういう言い方は『ある』ときのやつ。
「――こちら!
【野崎まど】さんの【パーフェクトフレンド】という小説です」
のざきまど。『まど』って面白い名前だなあ。
……あ、『まどみちお』! 『まどみちお』がいる! 名字だけど!
「お話も面白いけど、表紙がかわいくて好きなんだよね。見えるかな?」
ちょ、ちょっと高い……。
少し後ろのほうが見やすかったりするのかも、発表。映画とかと同じで。
「ん? あー、前いると見づらいよね。ごめんごめん!」
「あっ、ありがとうございます!」
見せてくれた! ほんとだ、漫画っぽい絵の女の子が描かれて――。
……まんなかの子、書川じゃない?
……いや、書川じゃないけど! フィクションの子だけど! スカートもはいてるけど!!!
「……えーと、こほん。
それじゃあ、あらすじを簡単にっ」
「――まず、一人目の主人公は小学四年生の【理桜】ちゃん」
オレと同じだ!
漫画とかでも本物の人間でも、自分と同じってとこがあるとなんか嬉しくなっちゃうよね。
「理桜ちゃんは周りよりちょびっとだけ頭がいい、優秀でしっかり者な女の子です。クラス委員として、先生からもすっごく頼られちゃってる子だったりします。……いやあ、私みたいですね?」
ええと、今の『ボケ』なのかな、これ。誰か『フフッ』て笑ってたけど。後ろのほう。
「そんな理桜ちゃんはある日、えーと、先生に頼まれて――友達の【ややや】ちゃんと、【柊子】ちゃんと一緒に、ずっと学校に来てない【さなか】ちゃんの家に、様子を見に行くことになるんですね。
そこで分かるんですけど――実はさなかちゃん、超が付くほどの天才で! もうとっくに外国の大学を卒業してて、数学者のお仕事もしてるんです。
学校に行かないのも『自分は行く必要が無いから』。それでも一応学校にいるのは、さなかちゃんのお母さんが『行った方がいいよ』って言ってるから、みたいなんですね。
んで。初めて自分より頭がいい、同じくらいの歳の子に会った理桜ちゃんは、それはもう、ものすっ――ごくショックを受けちゃうんです。
〈なんだこの子は!? 自分よりずっと、ずーーーーーっ……と、頭がいいぞ!?〉――」
「わっ」
びっくりした! 二人にも笑われた……。
だ、だっていきなり大声出すんだもん、久地さん!
「――って。
えー……、というのも理桜ちゃん、さなかちゃん家に来てからいいようにからかわれたり、話してる中で『自分より優秀な子がいるぞ』ってことを、いやほど、すっごく思い知らされちゃったんですね。それはもうイライラです!
そこで、悔しくなった理桜ちゃんは、さなかちゃんにこんなことを言ってしまうんです。
〈ちょっとくらい勉強できるからって、学校行かないなんて――そんなの間違ってる! だってあんた……友達、いないでしょ!?〉」
迫真の演技――っていうのかな。大げさに言うから、普通よりキャラのセリフがこう、すごく入ってくる感じがする。
「……それに対して、さなかちゃんはこー言うのです。
〈「【友達】って、一体なんなんですか?〉
――と。
……さなかちゃんは【友達】を知りません。いままで、そんなの必要なかったから。
理桜ちゃんもですね? 答えられないんです。
「なんで【友達】って必要なんだろう?」「いた方がいいんだろう?」「そりゃ、いた方がいいのは分かるけど」……って」
さっき大きい声だったから、静かに喋るとよけい「聞かなきゃ」ってなっちゃう……!
……いや、「聞かなきゃ」っていうより「聞き入っちゃう」って感じかもしれない。
元気に喋るのもなんかわざとっぽいのも――なんか、全部作戦のうちなんじゃないかって思えてきた。もともと話すの上手そうだけど、発表と普通のおしゃべりってやっぱ違うものだと思うし。
……久地さん、『味方のフリしてるけど実は敵』のキャラって感じがしてきた……。どこまでホントなのか、全部嘘なのか周りにもわからない感じの。……いや、でも意外と仲間は見捨てなかったりするかも?
「――で、
二人はなんやかんやで仲良くなるんですけど――」
あ、ちょっと聞き逃しちゃったかも……。
「あー……」
ん?
なんか久地さん、一瞬止まったような、――!?
「でもですね?」
勘違いじゃなければ、あの。
……いま一瞬すごい闇のオーラが出たような気がするんだけど、その……。
「――■■■■■、なんと■■■■」
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「「「「「「えええええええええええ!!?」」」」」」
や、やっぱりそうだ――!!?





