夜はいつのまにか
寒い
夜はいつのまにか冷たい
黒い湖に映る月がゆれて
暗い空に白い月がゆれる
黒い湖に僕がゆれて
暗い空に君がゆれる
月がゆれて
黒い湖と暗い空がひとつに溶けて
君と僕は抱き合って
深く深く深い暗闇に沈んでいって
誰もいない冷たい夜の底で
ふたりしずかにひっそりみつめあって
忘れられた月の光をじっとみつめあって
すこしずつ弱くなっていく光をみつめあって
君の笑顔をみつめて
最後の笑顔をみつめて
さよならの笑顔をみつめて
もう二度と寒さを感じることはなくて
君はただほほえみながら消えてしまって
ふたりが望んでいた幸せはどこにもなくて
夜はいつまでも冷たくて