癌の告白
Nは、涙を流し始める。
子宮か?卵巣か?両方?それとも別の場所が悪かった?子宮の手術?まさか子供ができづらくなるとか?もしかして子宮か卵巣を取る病気?なんだろう?なんだろう…
頭の中で様々な可能性を考えていた。
どうか、どうか、どうか!心から大丈夫だよと言える結果でありますように!
だって今日⁈よりによって⁈そんなの酷すぎる!
やがてNは、息を整え口を開いた。
「癌だって…」
あ…
「卵巣癌。ほぼ間違いないだろうって…」
あぁぁぁぁぁぁ
瞬間、何も考えられ無かった。頭の中で悲鳴が充満していた。
なんで?なんでこんなことに?
よりによって、一番恐れていた事。
昨晩から、心の奥底でくすぶっていたけど、必死でそれだけは無いと思い続けた事。
それでも、どうにか俺が黙っちゃダメだと考える事が出来た。
「そうか。」
ガマンしなくちゃいけない。
泣いたらダメだ。
「昨日電話くれて、もしかしたらって思ってたんだ。
そうか…
ゴメンね。やっぱり昨日は会いに行くべきだったね…本当ゴメ…」
ダメだった。もう涙は止まらなかった。
「ゴメンねT…
一番幸せな時間になるはずだったのに。
ゴメンね…ゴメン…」
「誤るな!Nは何も悪いことしてない!
寂しかったろ?辛かったろ?一人にしてゴメン!済まない!ゴメンよう…!」
Nの肩を抱き寄せ、謝るNに怒鳴るように言った。勢いをつけ無いと、声が出なかった。
「癌は間違いない無いの?」
「…正式な検査の結果はスグには出ないの。
でも先生の話だとまず間違いないって。」
「…そうか…」
「それで…それでね…」
なんだ?何か他にあるのか?
もう充分じゃないのか?
でも、本当はNはこれから言う事を薄々気づいていた。
子供の事。
でも、それを認めたく無かった。