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identity

作者: 橙色

対話形式です。


何かおかしな表現があれば、指摘等よろしくお願いします。



「きっとさ、誰にでも好かれるやつってのは【個性】がないんだ」


「個性?」


「うん。だってそうだろう?誰にだって好かれるのなら個性じゃないよ」


「どうして?そんな個性があるにこしたことはないと思うなー」


「僕は、その人をその人足らしめるもの、アイデンティティ、それこそが個性だと思うんだ。誰にも自己を主張しない、誰の主張をも受け入れる、そんなもの個性とは呼べないよ。誰にでも好かれるとはそういうことだろう?千差万別の感情を持つ人間に対して、最善の自分を創ることができる。演じることができる。存在するのならそれもそれで恐ろしい個性ではあるけれど、まぁ在り得ないだろうね」


「別に、誰にも自分を主張しないことが誰にでも好かれるという訳ではないと思うけど……」



「確かに、自らの主張をし、周囲とは一線を画する程に存在感を放ちながらも、誰にでも好かれるという個性があるかもしれないけれど……。得てしてそういった人物は何処かから反感をかうものなんだ。少なくとも僕は嫌いだね」


「あ、そうなの……」


「何が言いたいかというと、誰にも嫌われてないように見える人間は、その実自らのアイデンティティを放棄しているに等しいとすら僕は思うね。それに加え、誰にも嫌われていないわけではないだろう、現実的に考えて。現に僕はそういう人間も嫌いだからね」


「なんか、君の好みの話になっているような気がしなくもないよ」


「その努力は認めるよ、アイデンティティを放棄してまでも八方美人を貫く勇気。ただそれを完璧に為したところで、待っているものは同化であり、自己の消失だ」


「確かに、君の言うことは極端だけど納得できなくもないよ。ただただ極端なことが残念」


「だからさ、嫌われることを恐れるな。恐れて、無難に生きようとして、周囲に埋もれていって、溶け込んでいって、違和感もなくなって、果ては一体化して……。そんな人生、死んでるのと何が違うんだ、と僕は思うね。つまり君はさ……、さいっこうに生きてるよ!輝いてるかどうかはしらんけど、最高に生きてる!」


「お前喧嘩売ってんだろ」

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