第9話
1時間ほどで入学式が終わり担任の指示で教室に戻りそのままホームルームが始まった。
出席番号順に自己紹介が始まり僕も名前と出身校を言い最後によろしくお願いしますとだけを言った。
自己紹介が終わり委員長、副委員長を決めることになった。
立候補した人がいたのでそのまま決まったようだ。
最後に明日からの時間割のプリントを配られる予定だったが小野先生が職員室に忘れたみたいで「すぐに戻ってくるので静かにまっていてください」と言って教室を出て行った。
小野先生が出て行くと一部の生徒が席を立ち友達のところに行き思い思いに喋りだした。
不幸なことに僕の前の席の女の子に女子が2人と男子1人が集まり大きな声で喋りだした。
別にしゃべるのはいいけどもう少し声のボリュームを落としてくれないだろうか。
僕は特にすることが無かったのでスマホを取り出しニュースを見ることにした。
「久しぶりに会ったんだからみんなでカラオケにでも行かない?」
「いいね~でもその前にワックドナルドで昼飯食べてからにしようぜ!」
「でも私たち3人と水沢君だとちょっと味気ない?」
「なんでだよ、いいじゃん俺のハーレムみたいで」
「いやいや良子はともかくあたしたち水沢君に興味ないもん」
「ちょっとやめてよ!水沢くんはただの幼馴染なだけでそんなんじゃないよ」
「「いいからいいから」」
僕の前に座っている女の子は水沢君のことを否定している。
その水沢君は何故か悲しそうな表情をしている。
別に聞く気は無いんだけど聞こえてくるんですよね。
しかしワックドナルドか……一度行ってみたいな。
実はカラオケもファーストフードも僕は行ったことがないので学園生活で友達を作りそういったお店に行きたいと思っている。
僕はネットニュースを見ながらそんなことを考えていると女の子の1人が僕に話しかけてきた。
「ねえ、よければ大宮君も一緒に行かない?」
「え!?」
「あ、私も大宮君誘うの賛成!」
なんで僕が誘われるんだろう?
前に座っている女の子が僕に振り向き
「2人がああ言っているから大宮君もよければ一緒に行かない?」
前の席に座っている子の名前はたしか……橋爪良子さんだっけ?
橋爪さんはなんだか複雑そうな表情で僕を見ている。
ふと男子生徒と目が合う。
えーと名前は……そう水沢君だ。
水沢君は来るなよ見たいな目で僕を見ている。
「誘ってくれてありがとう。 でも今日はこの後用事があるからまた機会があれば誘ってください」
「そうなんだ……残念」
「用事あるなら仕方ないね」
「……そうですか」
「……」
女の子2人は残念そうな表情をしてくれているけど水沢君と橋爪さんは安堵した表情をしている。
このあと梓ちゃんとの約束があるのは本当だしそれに水沢君と橋爪さんの表情を見たらさすがの僕でも用事が無くても断るよ。
「悪い悪い待たせたな……プリント渡すから席に着け」
小野先生が戻ってきたので3人は席にもどるが橋爪さんは僕をじっーと見ている。
何だろう?
「橋爪さんどうしたの?」
「あ、ううん、なんでもない」
そう言って橋爪さんはあわてて前を見る。
橋爪さんの行動はよくわからないけど僕はワックドナルドとカラオケは興味あるから友達ができたら一度行ってみたいな。
読んでいただきありがとうございます。
この作品の主人公であるトオル君ですが私のもう1つの作品「恋愛レボリューション」で脇役で出ていますのでよければ読んでください。