第5話
合格した僕を新庄さんと母はお祝いパーティーを開いてくれました。
新庄さんと母は特待生枠での合格に「さすが私の息子だわ」と母も泣きながら喜んでくれました。
驚いたことに新庄さんまで自分のことのように喜んでくれました。
そんな2人を見て僕は何故か涙が出そうでした。
新庄さんと母が再婚してから僕は義妹になった梓ちゃんとは一度も会っていない。
とゆうか最初の食事会以来会っていない。
まあ、食事会の時も一言も喋らなかったけど……
僕みたいな一般人は相手にしたくないのかな。
……そう思われているんだとしたら悲しいな。
そういえば僕と同じ歳だしどこの高校に行くのかな?
芸能人がよく行く堀慧学園に行くのかな?
新庄さんには聞きにくいので母に聞くと
「ああ、徹と一緒に梓ちゃんの合格祝いもしたかったんだけどお仕事が忙しいみたいでね」
なのでパーティーは新庄さんと母と僕の3人だけで梓ちゃんは来ていません。
どうやらドラマの撮影で忙しく時間が取れないみたいです。
あれ? 結局梓ちゃんがどこに行くか聞きそびれたな。
料理は母が僕の大好きなものを作ってくれました。
僕はこの美味しい食事と会話を楽しみました。
食事が終わりデザートを食べている時に僕は新庄さんと母に
「母さん、新庄さん話があるんですが」
新庄さんと母はお互いを見て直ぐに僕の方を見て母が
「どうしたの徹……そんな真剣な表情をして」
「どうしたんだい……何か大切な話なのかい」
「はい。 この家をでて学院寮に住みたいんですが」
僕の言葉に笑顔だった母が驚きそして悲痛な表情をする。
「どうしてなの?」
「特待生枠は寮の家賃や食事代は無料だし、それにこのマンションから宝秀学院まで電車で1時間半もかかるので、 ほら僕って朝が弱いので寝坊とかしたら大変かなと思って……だったら学院寮なら歩いて10分なんで大丈夫かなと……」
母が再婚する前は寮に入り母に楽をしてもらうためだったんだけど、今は母と新庄さんの新婚生活を邪魔をしたくないかな……母や新庄さんには言えないけど。
「徹君。 もしかして僕と咲さんを気にして出て行くのかな?」
「いいえ、先程も言いましたが気を使っているわけではないです。 純粋に1人暮らしをしたいからです」
僕をじっーと見る新庄さん。
僕も新庄さんを見る。
新庄さんは何か思いついたような表情をし僕に話しかける。
「徹君提案があるんだが聞いてくれるかい」
「何ですか?」
「宝秀学院近くに僕が所有している使っていないマンションがあるんだけどそこに住まないか?」