第10話
「ちょっとあんたいつまでこの私を待たせるつもりなの!!」
「ごめん、ホームルームが長引いちゃって」
急いで裏門前に来た僕を待っていたのは仁王立ちし腕を組んでかなりお怒りの表情をした義妹の梓ちゃんだ。
僕が悪いわけではないのだけど待たせてしまったのは申し訳ないので誤ることにした。
梓ちゃんはまだ何か言いたいことがあったみたいだが
「ちっ、もういいわ! ほら私の鞄を持ちなさい。 行くわよ」
梓ちゃんに強引に鞄を渡された。
え!? なんで僕が梓ちゃんの鞄を持たないといけないんだ?
それと舌打ちはやめたほうがいいよと言いたいんだけど今度にしよう。
僕は何故鞄を持たないといけないか理由を聞こうと思ったのだが梓ちゃんは歩き出しておりなんとなく聞きそびれてしまった。
「ちょっと早くついてきなさいよ!」
「あ、うん、でもどこに行くの?」
僕の質問にあきれた表情で
「あんたバカぁ!? 私たちが一緒に住むマンションに決まっているでしょう」
そう言って彼女はスタスタと歩いていった。
僕は彼女の言葉に脳が一時的に停止しました。
……………え!?
今梓ちゃんすごいこと言わなかったっけ?
一緒に住むマンション
誰と誰が?
私たち……つまり僕と梓ちゃんてこと?
いやいやそれはダメでしょう。
いくら血のつながっていない兄妹と言ってもつい最近まで赤の他人だったんですよ。
5Mほど歩いた梓ちゃんが考え事をしていたため動けなかった僕に再度振り向き
「ちょっとなにしてんのよ! 早くついてきなさい!」
「ああ、うんわかった」
とりあえず住むマンションに行けば話してくれると思うので(たぶん)僕は彼女の後に付いていくことにした。
読んでいただきありがとうございます。