第1話
今日の晩飯何を作るかな。
先日はペペロンチーノとコーンスープの洋風だったから今日は和風で米が食べたい。
ふと横を見ると某有名牛丼屋が目に入った。
久しぶりに丼ものもいいかも。
親子丼、牛丼、豚丼、マグロ丼、マーボー丼……
家に確か鶏肉が残っていたな……
なら答えは親子丼で決まりだな。
ふと冷蔵庫の中身を思いだし卵を切らしていることを思いだし僕はスーパーによって買って帰ることにした。
僕は駅前にあるスーパーミヨシに向かうことにした。
僕は、大宮徹15歳。中学3年生の受験生です。
志望校はもう決まっている。
私立宝秀学院の特待生を目指しています。
宝秀学園はお金持ちの子息が行く学園だが勉学、スポーツなどで認められたものだけが特待生枠で入学でき入学金は無料、学費も無料だ。
たが勉学では学年50位内に落ち、スポーツもある程度の実績がないと特待生枠を外されるので特待生になった者は大変だ。
昔は裕福であったが僕が中学2年の時にに父が事業で失敗し失意のうちに自殺した。
それから僕と母は住むところは豪邸から小さなアパートになり、食べるもの、着るもの、通っていた学校など生活が一変した。
僕は中学卒業と同時に働くつもりだったが母はそれを認めなかった。
僕は早く働いて母を楽にしてあげたいので中学卒業後は働くと言ったのだが
「徹はそんなこと気にしなくてもいいのよ。あなたを大学卒業させるぐらいのお金はあるから心配しなくていいのよ」
そう言ってくれたが母が僕のために無理をしていることはわかっている。
少しでも母を楽にしてあげる方法はないかとイロイロ考えたが全然案が浮かばないうちに父の1周忌が訪れた。
来る人は2、3人だけだった。
そのうちの1人父の親友でありながら母の親友でもある新庄貴教さんも来てくれた。
新庄さんは父が亡くなってから僕たち家族を温かく見守ってくれた人だ。
彼の奥さんは10年前に病気で亡くなったと聞いている。
そして彼には僕と同じ年の娘さんがいる。
娘さんには会ったことがないが母が言うには会ったら驚くわよと言っていた。
何に驚くのか聞くと「内緒」と言ってはぐらされたが。
その新庄さんに大事な話があると言われた時、僕は新庄さんが何を言うのかある程度予想はついていたが黙っていることにした。
そして彼が言った言葉は僕が予想していた言葉だった。
読んでいただきありがとうございます。