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せってい そのいち

∇この世界は『エルファーディア』と呼ばれている。『エルフたちの住まう理想郷』と言う意味を持っている。現在、人間種族が歴史の表舞台に立っているが、エルフ達に支配欲は無く『日々を楽しく過ごせれば良いや』・・・的な生き方をしています。


∇大地と海の割合は、大地が7割、海が3割と圧倒的に大地が多い。その大地でも森林地帯が大部分を占めている。


∇基本的な世界常識は元の世界と大きく逸脱している。文字は幸いというかローマ字のようなもので比較的簡単に理解でき、元の世界で一般教養があれば問題無く読み書きができるようだ。何時の時代かは判らないが、異世界人の先人に「グッジョブ!」と心から感謝しないといけないな。


∇この世界では『浮空石』を内包して空を飛ぶ『浮空島』と言う存在が世界の空を浮遊している。『浮空島ふくうとう』からの主な産出資源は『浮空石ふくうせき』と『オリハルコン鉱石』であり『オリハルコン』は産出量の極めて少ないため、この為に『オリハルコン』を奪い合い、度々戦争も発生していたようだ。

『浮空石』単体でも浮遊能力は発生するが、適切な処置を施した上で魔力を注ぎ込むとその能力が数十倍に増幅される為に乱掘が相次ぎ、高度を保てる『浮空島』が激減、創世記には大小併せ数十有ったとされる『浮空島』も、現在では10を数える程度に減少している。


∇人間種族最大の国家は『神聖しんせいタンピヤ皇国こううこく』と言う名前であり、この国の王は『皇王こうおう』と言う名称で呼ばれる。皇王の名前が『スレイジア・ガウ・ロウ・タンピヤ』と言い『ガウ』が「王族」を表し『ロウ』が「王の中の王」と言った意味合いであり、『王の中の王でありタンピヤに住まいしスレイジア』と言った意味になる。ここ浮空都市タンピヤに住む全ての者の性が『タンピヤ』になり、個人名は、名前・住んでる場所又は部族名で表記される。名前が「ジョナサン」なら「ジョナサン・タンピヤ」と表記される。 

 現在この皇国は戦争中であり、敵対する国家はトロールの王である傭兵王『ギガントス・ガウ・グランドアーム』率いる『グランドアーム帝国』である。元々トロール族は傭兵を生業にしてる戦闘民族で、傭兵王が奇襲により皇国所属の浮空島を強奪し王となった為、皇国からは莫大な懸賞金をその首に懸けられている。帝国人のファミリーネームは『グランドアーム』であり、名前がブルズの場合『ブルズ・グランドアーム』となる。

 帝国では皇国やその他の国や部族では既に廃止されてる『奴隷制度』復活させ、戦争捕虜を次々に隷属化しているため国家としての人気度は低い。が、実力主義の国是のため、野心家や上昇志向の強い者が多く集まる軍事国家となっている。王を実力で打ち倒せば国王の交代も有り得ると公言してるが、王は通常最大身長が4メルトのトロール族に於いて、6メルトもの大きさを誇る突然変異体であり、帝国が建国されてからの5年間、一度足りとも国王の交代は発生していない。


∇現在、この『エルファーディア』では大小含め10の浮空島が存在してるが、その内の6つを皇国が、3つを帝国が所有している。残る1つは亜人種の共和制国家『ブルーミー共和国』が所有しており、皇国と帝国の戦争には不介入の立場を貫いている。『ブルーミー共和国』は有能な『魔法士』を多数抱え、総合戦闘能力では他の2カ国を圧倒しているため中立を保てている。世界最大の『要塞魔導筒』である『400サンチ魔導筒』は『ブルーミー共和国』が所持しており、その強大すぎる火力は侵略への抑止力として機能しており、建国記念日には祝砲として天空へ放射される巨大な稲妻を目にすることが出来る。共和国では国王が存在せず、国民からの投票制で選ばれた議員たちが国の運営を行なっている。


∇長さの単位は元の世界と良く似ている。最小単位は1ミルト=1㎜らしい。10ミルトで1サンチ、100サンチで1メルト、1000メルトで1キラム となってるようだ。1ミルトより小さい単位は、今の所必要性がないので制定されてない。機械技術がもっと発達しないと今のところは不要だと思われる。世界の主要国にアダマンタイト製の1メルト基準尺があり、この基準尺を元に各種の長さを計測する目安としてるらしい。実物を見せてもらったが、凄まじく重い。十分な凶器として使用できそうである。 


∇通貨の最小単位は1カペル(銅貨【赤銅色】)円換算で100円ほどであろうか。これが100枚で1シルバ(銀貨【銀色】)になり100シルバで1ミスル(ミスリル銀貨【薄緑色】)となる。一般的に用いられるのはミスルまででらしい。これから上の貨幣は高額貨幣となり、主に商取引等で用いられることになる。一般貨幣の大きさが直径5サンチほど、高額貨幣の大きさは20サンチにもなるそうだ。

 100ミスルで1ゴルダ(金貨【金色】)となり100ゴルダで1アダム(アダマンタイト貨【濃青色】)となり100アダムで1オリコン(オリハルコン貨【白銀色】)となるようだ。オリコンが事実上の最高額貨幣であり、全世界に100枚程度しか存在してないようである。

 因みに一番安い『トルピード級』で5ゴルダはするらしい。円に換算すると5億円ほどだろうか。浮空艇の中でも最上級の『ドレッドノート級』でも50アダム位なので、オリコン硬貨は権威のために存在してるとしか思えない。

 『ドレッドノート級』であっても建造費はアダム硬貨で支払われることはまず有り得ない。そもそも浮空艇は、色んな工房が手がけそれに応じて各工房へ個別に代金が支払われるため、どんなに高価な艤装であってもゴルダ止まりなんだとか。それでも十二分に高価なのだが。

 高額貨幣の主な使い道としては、戦争終結時の賠償金として何度か国家間を移動したと記録が残ってるようだ。敵都市を陥落させ宝物庫を開けたらオリコンが一枚のみ置かれていたとか・・・。高額すぎて容易に換金できない為、笑うに笑えないと言った現実の例もある。因みにこの世界では『ゴールド』は非常に希少価値のある金属との事。それに対してミスリル銀は鉄の次に有り触れた金属であり産出量もかなり多いらしい。ただ、加工に莫大な熱が必要で扱う事の出来る工房は多くない為、市場価格は一定金額より下がらない。 

加工に必要な温度はミスリルが鉄の2倍、アダマンタイトが鉄の3倍、オリハルコンは鉄とほぼ同等の融点らしい。流石に木炭や石炭などでは精錬はできないので太陽炉を用いて精錬するとの事。その為専用の調整と整備に手間がかかる施設が必要で、小さな個人工房では手も足も出ない金属らしい。因みに太陽炉も異世界人がもたらした技術らしい。それまではアダマンタイトは存在してるが加工は出来ず、アダマンタイトを含んだ青く光る原石を専ら観賞用として取引されてたんだとか。

 今現在、ミスリル銀とシルバーの合金、ミスリルとアダマンタイトの合金と言う組み合わせで研究開発をしてるとの事。

ミスリル銀は『浮空艇』にも多量に使用され、その特性として魔力の伝達能力『魔導力』が非常に高いことで知られている、伝達能力順に並べると、鉄→銅→銀→金→ミスリル→アダマンタイト→オリハルコンの順になる。特殊金属は伝達能力は高いのだが、コストの面で言うとミスリル一択になるんだとか。それでも浮空艇に使用するとなるとかなりの量が必要とされ、『浮空艇』のお値段も跳ね上がる事になる。


∇基本的に『浮空艇』の構造は艇種にかかわらず大差は無い。船体中央に浮空石を核として配置し、船体全域に魔導金属製のフレームを張り巡らせることで船体に負荷なく強度と浮遊効果をもたらす・・・事が出来るらしい。基本的に『浮空石』の核とミスリルのフレームだけで浮くことは可能。ただし移動能力は皆無なので今現在の形に発達したと言う事である。

 因みにミスリルの強度は鋼の1.8倍程、重量が3分の1位だそうである。アダマンタイトが鋼の5倍、代わりに重量が鋼の3倍もある。オリハルコンが鋼の10倍近い強度があり、重量は驚きの10分の1。オリハルコンは性能の割には加工が非常に容易いとの事。しかし、浮空島以外では産出せず、産出量も微々たる物で浮空艇の材料にはとてもではないが使えないとの事である。


∇海上の帆船とは違い浮空艇は空を飛ぶ乗り物である。その為、帆で風を受けると海上を走る帆船とは異なり、風を受けた逆の方向に大きく傾き、艇が引っ繰り返ろうとする力が発生する。その為『浮空石』による姿勢制御を行なっても帆柱を高くする事が出来ず、得られる推力は微々たる物で低速を余儀なくされていた。それを改善したのはとある異世界人である。水中翼を用いた高速連絡船をヒントに艇底付近に揚力を生み出す安定翼を取り付ける事で艇が転倒しようとする力を相殺する事に成功。高速浮空艇の建造が可能になった。


∇この世界においては、『軍人』は『軍人』であり、軍人に身分の上下がない事などが挙げられる。二等兵とか少尉とか大佐とか将軍とかと言った身分や肩書きは存在しない。

 私が所属することになった空軍を例に挙げると、皆最初は小型艇から出発する。一度決めたら、余程の不適性で無い限りは砲手や操帆手や艇長(この世界の船は『艇』として表記されるため、艦長とか船長という概念はない)の職が替わることはない。

 一定以上の功績、主に敵艇を撃破する或いは拿捕をする事により報奨金が支払われ、それを貯める事で、『次の大きさの浮空艇に異動する』『自艇を強化する』『新しいコンセプトで設計する』・・・等と分岐する。当然掛かる費用はそのまま次のクラスの浮空艇に異動するのが一番安く、新規で開発するのが一番費用が掛かる。新規で開発する場合に複数の敵浮空艇を拿捕していると、拿捕したクラスの浮空石を割安で入手又は流用する権利を得られる。その為、浮空艇乗りは敵艇の拿捕も積極的に行ってるようだ。

艇長は生き残りさえすれば比較的早く性能の高い艇に乗り換えられることが出来るが、クラスが上がれば上がるほど指揮能力が求められ、能力が足らない場合は生存率が凄まじく低下する。無能な指揮官は食事に毒を盛られることもしばしば有るそうな。

 無能=害悪 なので、その辺りはある程度は暗黙の了解的な慣習があり、黙認されてるみたいである。なにせ浮空艇の建造費がバカ高い。船の艤装自体はそれほど高価ではないが、新しい『浮空石』を獲得する機会は敵船を拿捕する以外で殆ど無いため、無能者に任せて船を失うよりかはその無能者を排除することは軍部にとっても有益なため・・・との事である。しかし、当然ながら違法行為なので発覚すれば死罪ともなりうる。

 敵艇を拿捕又は撃破した場合、報奨金の半金が艇長へと支払われ、残る半金を功績のあった船員順に分配されるというシステムである。例えば、効果的な砲撃をバシバシ当てれる砲手は当然早く報奨金を貯められ次のクラスの砲手へ異動することが出来るように成る。従って一般的には軽量級の船員の技量が一番拙く『戦列艇級』ともなれば精兵揃いと言う事に成る。

 事実『戦列艇』クラスは一艇で小型艇数隻~十数隻を同時に相手にし、粉砕出来るだけの能力を有している。艦艇の種類としては『トルピードクラス』『デストロイヤークラス』『クルーザークラス』『バトルシップクラス』『ドレッドノートクラス』と有り『クルーザークラス』以上は敵浮空艇や拠点制圧用の巨人族のトロールを主軸とした特殊強襲揚陸部隊を保持してることが多い。

 

∇一般的な浮空艇の種類と武装

『トルピードクラス

艇首長砲身魔導筒2門を装備し、その口径は90サンチが標準でありバトルシップ級でも立ち回りや戦術次第では沈めることが出来る超火力を有して居る。高速機動での一撃必殺を旨とし、このクラスに敢えて留まり続ける浮空艇乗りも多い。但し『魔導装甲』や『魔法障壁』は皆無と言ってよく、被弾状況次第では一撃で戦闘不能になることも多い。ハイリスクハイリターンな艇種である。乗員は15~20名前後。必要とする『浮空石』の大きさは10サンチ程度の大きさ。

『デストロイヤークラス

主にトルピード級を狩り立てる役目を持ち、そこそこの機動力と簡単な『魔導装甲』と『魔法障壁』を有する。特筆すべきは、短砲身30サンチ9連装艇首魔導筒であり魔導筒の取り付け角度を微妙に変えることで高い散布射界を実現している。バトルシップ級相手には少し火力不足だがクルーザー級と渡り合うことも可能。しかし基本はトルピード級の排除が主目的である。乗員は30~40名前後。必要とされる『浮空石』の大きさはトルピード級とほぼ同等のサイズ。

『クルーザークラス

年々建造費が嵩むバトルシップ級の補助的な艇種で比較的防御が高く、機動力もあり、そこそこの火力もある万能型である。一般的に『魔導筒』は60サンチ8門をメインとし、副筒として30サンチを10門近く配備されている。軽量級2種とは一線を画すのが『舷側魔魔導』が挙げられるだろう。主に短砲身30サンチ魔導筒を装備し、乱戦にも強くなっている。特殊強襲要員である4メルト近いトロール族が生活できるようにと艇内も広く取られ、居住性能も高く浮空艇乗りには一番好かれている艇種との事。乗員は80~100名前後。必要とされる『浮空石』の大きさは30サンチ程度の大きさのものを2~3つ。

『バトルシップクラス

機動力は落ちるものの重装甲、高火力で戦場の花形とも言える艇種との事。80サンチ以上の口径の魔法筒を20門以上備え付けられ舷側魔法筒も多いものでは80門を超える艇種も有るようだ。巨大な為に指揮区画が複数に分かれ、万が一艇長が戦死するなどの非常事態の場合、クルーザー級の艇長クラスが区画の責任者として指揮を執るため、艇長が戦死したとしても混乱も少なく戦闘継続が可能で轟沈するまで戦い続けることが出来るようになっている。乗員は200~300名位。必要とされる『浮空石』は50サンチ級が5~10個。

『ドレッドノートクラス

本国直掩や式典用として運用されることが多く、戦場で見かける事はほぼ有り得ないとの事。100サンチを超える魔導筒を装備した浮空艇もあり、さながら機動要塞といった感じらしい。乗員は500名を超える物も多く、その巨大さから建造費も凄まじく現存艇数は全世界で10隻くらいとの事。

『アーマードクラス

特殊な例外としてこのクラスが存在する。主に帝国が使用。武装らしい武装はないが強靭な『魔導装甲』と強力な『魔法障壁』を有し、艇首付近の衝角を敵浮空艇に突き刺し制圧要員を送り込む・・・等といった浮空艇でもある。衝角は連結部が取り外しが容易に可能になっており、次々と敵船を制圧するために移動することが出来る。

『クルーザー級』以上のクラスは『戦列艇』と呼ぶ場合もある。戦列を組み敵を撃ち破ることが出来るのはこのクラス以上だからである。対艇の他に対要塞攻撃や対地攻撃は戦列艇クラスでないと戦力には計上されない。

『浮空艇』は風を受けて翔ぶため、艇隊戦では風上の奪い合いが発生する。原則として風上を制したものが一方的に攻撃を加えられるため、敵を発見して攻撃に移るまで数日を要する事もある。その為、風の流れを予測することの出来る『鳥人』が乗り込んでいる場合が多い。


∇強襲要員である『トロール族』の戦闘能力は凄まじく、トルピード級ならば一人のトロールで制圧できる程であるとか。『魔法障壁』を展開しての肉弾戦は、熟練した兵士20~30人分の戦力に匹敵する。クルーザー級で20人前後。バトルシップ級で50人前後が乗り込んでいる。


∇『魔法障壁』は核である『浮空石』を運用する際の余剰魔力で形成される事が多い。『浮空石』を包む金属フレームを護るように張られた装甲を『魔導装甲』と言い、この『魔導装甲』の厚みで、張られる『魔法障壁』の範囲が変化する。厚みが1サンチの『魔導装甲』の場合、素材が鉄の場合の『魔法障壁』は約10サンチの範囲の障壁を張ることが出来る。ミスリルをフレームに使用すると1サンチの厚みで約30サンチと3倍で、アダマンタイトならば1サンチ辺り約50サンチの障壁を、オリハルコンなら1サンチで100サンチもの『魔法障壁』を展開できる。理想的な『魔導装甲』は船体全体を満遍なく装甲する事だが、コストの面で非現実的で、鉄では重量が嵩みミスリルでは費用がかかってしまう。その為、『浮空石』のフレームは船体全体に張り巡らし、少しでも有効に『魔法障壁』を活用できるように工夫されている。

 『魔法障壁』は魔力に対して絶大な効力を発揮し、30サンチの『魔法障壁』は30サンチの大きさの魔方陣から放たれる全ての魔力を用いた攻撃を拡散吸収することが出来る。

 『オリハルコン』が発生させる事の出来る『魔法障壁』は、1サンチ角の大きさで1メルトもあるため、1サンチ角の『オリハルコン』2つで2メルト程度の身長の者なら、魔法のほぼ全てを無効化することが出来る。

 『浮空艇』に搭載される『魔導筒』は基本的には固定式で照準は船体を敵に向けることで合わせる。その為『魔導筒』の命中率は、砲手の発射のタイミングもさることながら、艇長や操舵手の能力に大きく左右される。一般的に長砲身は射程が長く連射が利かない。短砲身は射程が短く比較的連射が可能だと言う事らしい。射程とは魔力が拡散し無力化するまでの時間であり、魔導性能の高く魔力増幅効果のある特殊金属が一般的な砲身の材料である。その魔導素材の砲身を魔法が通過することで魔力が増幅され長射程、高威力に繋がる・・・ということらしい。『トルピード級』は全長が30メルトほどだが砲身長は実に35メルトにも及ぶ。20メルトを浮空艇内部に収め、15メルトほど艇首から突き出すような形になっている。 


∇浮空艇同士の撃ち合いは金属製の『魔導具』である『魔導筒』で攻撃を行う。主な材質は魔導属性の高く強度もあるミスリル銀製。筒の底に発動用魔方陣を刻んだ板をセットし、魔力を込めた手等を叩きつけ発動を行う。魔方陣を介し発動するため、砲撃時の反動は気にならない程度には軽減される。発動される魔法は主に4種類「火球ファイアーボール」「岩石弾ロックバレッド」「氷槍アイシクルスピア」「雷撃槍サンダースピア」と有り、『火球』は一番威力が低いが、帆を燃やして機動力低下を狙うことが出来、連射が可能。『雷撃槍』は高威力だが発動に時間が掛かり、魔力の消耗も激しいのだが衝撃と発火の能力を有している。特殊な魔法弾として「岩石弾ロックバレッド」がある。この魔法は言わば召喚系であり、『魔法障壁』での防御が出来ない。だが、所詮は岩石であり余程の高低差や速度差がない限りそれほどの威力は望めない。

『魔導筒』に関しては浮空艇用の巨大なものと、個人用の口径が20サンチ以下の『携帯型魔導筒』とがある。金属板に描かれた魔方陣が巨大であればあるほど複雑で精密な文様が描けるため、筒の口径が大きければ大きいほど強大な破壊力を発揮できる。現存する最大口径は『400サンチ要塞魔導筒』が存在し一部の浮空島要塞に採用されてるが、発動に必要な魔法士が50人前後必要な上に発動に時間がかかり、砲撃することがバレバレなため非常に使い勝手が悪い。そして術者の魔力も1回でほぼ全てを使い切るという非常に魔力コストの掛かるシロモノとなっているようだ。その分威力は絶大で、ドレッドノート級浮空艇すら一撃で轟沈させることが出来る・・・と言われてるが実際に戦闘で使用されたことはない模様。オーバーキル的な威力が有るものの、素直に当ってくれれば・・・という本末転倒な話である。

 基本的には通常の『携帯型魔導筒』では浮空艇には損傷は与えられない。浮空艇には大抵『魔法障壁』が張られ、一定の威力以下の魔法を無効化出来るからである。どのような小型艇にも搭載している。トルピード級でも個人携帯型の魔導筒は魔力の無駄になる為、対浮空艇には口径が30サンチ以上の『対浮空艇用魔導筒』が用いられる。小型艇同士の撃ち合いは、艇首に魔導筒が取り付けられている事から、浮空艇乗りの技量と風向きに影響されるが、同種ならば大抵が相打ちに終わる事が多いとされている。

 紙の魔具は一般的な使い方としては、一般市民等により日常生活で用いられる事が多いようである。1枚あたり安い物で10カペルから販売されている。特殊な使用法では治療符が一般的であろうか。金属板の治療用魔具も有るには有るが金属板は基本的に平面なため患部を巧く癒せなかったりするらしい。紙ならば患部に沿って貼り付けられるため、非常に効果的に治療ができるとの事。この治療符、切断された四肢や致命傷と思われる傷も癒せるのだとか・・・。事実戦死は、運悪く魔法の直撃に因る即死や艇外への転落による墜落死以外での戦死率は非常に低く、どのような傷でも快復させられる為、激戦時に士気がダダ下がりになる事もあるんだそうな・・・癒せるのは傷のみで失った血液は自己回復するしか無いのが理由の一つとして挙げられる・・・が、実際の所は何度何度も死にそうな目に合わされながらもその度に蘇生され嫌気が差してくるんじゃないか・・・と、言うことである。


 この世界の『人類』の分布状況

∇今現在主流派である『人間族』が一応世界の覇権を手中に収めつつあるが、人口比率で見たらそれほど多いわけではないらしい。どのような環境でも適応力が高いが故に一応の主流派として存在できている・・・のが正しいようだ。成人の身長は140~200サンチ。


∇この世界の最大勢力は森の人である『エルフ族』となってるらしい。地上に遍く拡がる森林地帯に生息し、1つの集落に200~500人ほどで暮らしているとされている。エルフ族は生まれながらに魔力適性が高く魔法士の大半はエルフ族なんだとか。見た目は濃い緑色の髪に淡い緑色の肌、少し尖った耳と言う容貌との事。身長は150~180サンチ、植物から進化したらしく、食物の経口摂取による栄養補給と共に光合成を行うことが出来るとか何とか・・・一説によると、ご先祖様は食虫植物が進化して知能を有し二足歩行し始めた・・・との説もあるが実際はどうだろうか?


∇その次に多いのが巨人族。『オーガ族』や『トロール族』が主流らしい。巨人族は体力に溢れ3日3晩くらいなら不眠不休で活動可能。身長はオーガ族が200~250サンチ、肌の色は個体差が激しく黄土色から濃い灰色まで生活環境で違いが出てくるらしい。基本的に気が優しくて力持ち。オーガーは器用さと力を利用して操帆手として従事してることが多い。

トロール族の身長がは350~400サンチ前後。生まれながらの強大な力を有し、意外に器用な面もあり。トロールは種族特性として鋼のように堅く岩のようなゴツゴツした表皮が挙げられる。気性が荒くトラブルを何よりも好む傾向にあり。トロールがその硬い皮膚を利用して拿捕する為の制圧要員として浮空艇に乗り込んでることが多い。オーガ族、トロール族双方共に魔力適性はほぼ皆無。その為、肉弾戦等を得意としている。


∇比較的少数派だが群れで生活してるため場所によっては結構な個体数が存在してる『鳥人とりひと』と言う種族もある。主に高山や浮空島に生息し、かなり保守的で閉鎖的な生活をおくっているらしい。別に『獣人けものひと』という種族もいるが、それらとは全くの別な種族である。全高は120サンチ程度と小柄だが、翼を広げた際の大きさは個体差もあるが300~400サンチにもなり総じて高い視力の持ち主である。その為見張り役として軍務に就いてることが多い。外観的には知能を有した鳥・・・といった外観らしい。


∇獣人族も少数派に属する。主な種族は主流派は猫系の猫人(ねこひと)族と犬系である犬人(いぬひと)族である。この2種類は魔力も高いため比較的多くの個体数が確認されている。昔は様々な種類の獣人が存在したようだが、長い歴史に因る自然淘汰や生まれ持った低い魔力で虐げられ、他の種族に隷属化し個体数を減らしていったようである。魔法士としては主に『治療士』としての適性が高く、浮空艇や病院などでよく見かけることが出来る。基本的な見た目は『鳥人』とは異なり人型をした獣。動物の顔に人間のような身体・・・と言う特徴らしい。身長は個体差が激しく100~200サンチと様々。


∇小人族も少数派とされる種族である。主な種族は『草原の小人』と『大地の小人』である。『草原の小人』は身長が80~120サンチほどで成人しても幼児体型のお子様くらいの容姿と身長にしかならないようだ。ロリ・ショタ好き大歓喜・・・的な種族らしい。草原の小人は敏捷で器用さに恵まれ非力である。魔力適性は『エルフ族』ほどではないが程よく高く『魔法士』としても『魔導士』としても『治療士』しても従事してる模様。特に『魔法障壁』を張らせると無類の能力を発揮するのだとか。草原の小人は個人主義者が多く、全世界に遍く散らばっている。一部の貴族や大商人が愛人として囲ってるとか何とか。

大地の小人の身長は120~160サンチほどでズングリムックリとした太めの身体容姿。大地の小人は鈍重だが力が強く手先の器用さは全種族の中でも最高峰らしい。太く短い指で非常に細緻な装飾品を作れるのは世界の謎の一つなんだとか。魔力も人間種族よりも高いため高性能の『魔導具』を製造できたりする。人間種族の魔導士の魔具が大量生産の工業製品としたならば、大地の小人の魔具は逸品物のオリジナルカスタム品と言った扱いになるのだとか。大地の小人は地面に穴を掘りそこに住まう地底人なので総じて高所恐怖症であり、浮空艇に乗り込むことはまず有り得ない。たまに恐怖心が壊れた例外も存在してる模様。 

∇各種族の人口比は、人間2割、エルフ3割、巨人2割、鳥人、獣人、小人で1割ずつと言ったような構成らしい。この人口比は知能を有し友好的である種族の比率であり、非友好的で一般的にはモンスターと呼ばれる種族は含まないようだ。そのため高い知能を有し、魔法の扱える種族も中には居る可能性もある・・・が交流がないので未確認との事。


とりあえず、現段階ではこれくらいで。


追々追加していきます。


伝聞風なのは、主人公が皇国侍従長から受けた『勉強会じごくのしごき』の内容であるからです。

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