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摩訶不思議食堂のほっこり飯

美馬川芳彦の妻と孫を思うほっこり飯

作者:修羅観音
最新エピソード掲載日:2026/02/15
京都でIT企業を創業し、**30年**以上にわたり第一線で走り続けてきた美馬川芳彦。
現在は会長職に就き、会社はホワイト企業としても認定されるなど、誰もが羨む「成功者」としての地位を確立していた。

彼は自らの成功体験に基づき、技術よりも人間性や根性が大事であると信じて疑わず、就職活動に苦戦する孫の芳人に対しても、社会の厳しさを説く「正しい教育」を施したつもりでいた。しかし、その正論は芳人の心を折り、家族の間に静かな亀裂を生んでいく。

ある夜、妻の芳子が作った肉じゃがの中に、芳彦は一本の「鷹の爪」を見つける。
それは、芳子が夫の振る舞いに怒りや警告を示す時の無言のサインだった。
芳彦は「間違ったことは言うてへん」と主張するが、芳子から「正しいとしたら、正しいだけです」と突き放され、反論の余地を失う。

夫婦の間にぎくしゃくとした空気が流れる中、追い打ちをかけるように、芳子が買い物中の転倒で手首を骨折し、検査入院することになってしまう。

妻のいない家で一人、芳彦はスーパーの袋に入った食材を冷蔵庫にしまおうとして立ち往生する。
何がどこにあるのか、野菜一つどこに入れるべきか分からない。
30年以上会社を動かしてきた自分が、家庭という場ではいかに無力で、芳子に任せきりだったかを痛感し、自嘲気味に苦笑いするしかなかった。

家事も料理もできない芳彦は、独り身の心細さと空腹を抱え、夜の京都の街へと食事を求めて歩き出す。

息子夫婦に頼るプライドも持てず彷徨う芳彦の前に、黒いベレー帽とセーラー服を纏った不思議な少女「えらいこっちゃ嬢」が現れる。
彼女は芳彦の空腹を見抜き、「夕飯抜きはえらいこっちゃ」と核心を突く。
困惑する芳彦の手を力強く握りしめた彼女は、「えらいこっちゃ御一名!」と叫び、闇の向こうに灯る温かな光――「摩訶不思議食堂」へと彼を導いていく。
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