嘘つきがいる国
注意!
自転車が喋るけど気にしないで!
一つ、丘があった。
ハンモックをかけるのにちょうどいい木が、二本。
その間にはハンモックがかかっていた。
ハンモックの上にはメルが寝ていた。
シドがメルに話しかける。
「ねぇーそろそろいかない?」
「まってぇ〜あと五分〜。」
「こんないい日に走らないなんて、自転車乗り失格だよ〜。」
「シドだけで走ってこればいいじゃん。」
「疲れるからやだー。」
そんな感じに呑気に話をしていた時。
「ウゥゥゥゥゥゥゥゥゥゥゥゥゥゥゥゥゥゥゥゥ!」
「うわ!何?!警報?!」
「ミサイル?爆弾?」
「シド、周りになんかある?」
「…あ!向こうの方に国がある!」
「じゃあその国は戦争して、空襲を受けてるってこと?」
「なんか〜、何もないよ?」
「え?戦闘機とかも?」
「うん。というかこんな晴れの日に戦闘機飛ばしても意味ないじゃん。」
「たしかに」
「…いってみる?」
「いこう。」
メルとシドが城壁の下来た。
「すいませーん。入国したいんですけどー。」
「ん?あ、商人かい?」
「いえ、旅をしているものです。」
「ああ、旅人か。最近は全然旅人が来なくてね…」
「もしかして、このサイレンのせいですか?」
「ウゥゥゥゥゥゥゥゥゥゥゥゥゥゥゥゥゥゥゥゥ!」
「そうかもしれないですね…でも、戦争してるわけではないのですよ?」
「そうなんですか?じゃあなぜ?」
シドが言いました。
「そうだ!誰かがいたずらでならしてるんじゃない?」
「正解です。自転車さん。誰かはわからないのですが、一日に何回もならしているんです。うるさいと思いますが、慣れれば大丈夫ですよ。それでは、我が国をお楽しみください。」
「教えてくださりありがとうございます。さ、行くよ。シド。」
「気をつけてね〜門番のおっちゃん。」
「?」
その国は、いい国でした。サイレン以外は。
いつものように食料を買って、宿に泊まって、観光して。
何日かたった後、メルとシドは出国しました。
「出国審査は完了です。それでは、いってらっしゃい。」
「いい国でしたよ。サイレン以外は」
「楽しい国だったよねー。サイレン以外は」
「ありがとうございます!」
国を出て少し、またサイレンが鳴り響きました。
「またならされてるよ。誰がやってるんだろう?」
「…」
「シド?」
「あの国、空襲を受けてる…」
「え?本当に?あ、でもサイレンがなってるってことは逃げれるよね、こんなにでかいし。」
「メル…狼少年っていう物語知ってるよね。」
「うん。狼が来たぞ!って言いすぎて、誰も少年を信じなくなった話だよね…あ!」
「そう、そういうこと。もう間に合わないよ。」
「…残念。」
一つ、丘があった。
ハンモックをかけるのにちょうどいい木が、二本。
そこに鳴り響いていたサイレンはもう、聞けなくなりました。
信用は作るものではなく、最初からあり、減っていくものなのです。




