表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
石と鉄と、私の自由 ~元一級建築士の女奴隷は、古代帝国の礎(いしずえ)を築き上げる~  作者: 極北すばる


この作品ページにはなろうチアーズプログラム参加に伴う広告が設置されています。詳細はこちら

9/11

第8話:嫉妬と裏切りの構造計算

 エレンの名声が高まるにつれ、彼女の存在を妬む貴族が増えた。彼らは、貴族でもない女が、帝国の礎を築くことに我慢がならなかった。


 彼らが目をつけたのは、エレンが設計した「新型巨大倉庫」だった。


「あの女の構造計算は、見たこともないものだ。必ずどこかに欠陥がある」


 貴族たちは、クラウディウスの政敵である元老院議員を買収し、倉庫の検査を命じた。


 エレンが倉庫の壁に使用したのは、通常の壁よりも薄く、強度が高い「軽量火山灰コンクリート」だった。これは、建物の自重を軽くし、基礎への負荷を下げるための工夫だった。


 検査官たちは、壁を叩き、「薄い! 規定の厚さがない! これは手抜きだ!」と騒ぎ立てた。


「エレン! 危険だ。倉庫の使用を中止しろと命令が出た!」


 クラウディウスが慌ててエレンに報告した。


 エレンは冷静だった。


「いいえ、殿下。壁の厚さが強度ではないことを証明します。むしろ、彼らの指示に従って厚くすれば、自重で建物の寿命は縮まります」


 エレンは、検査官たちの前で、倉庫の基礎のコンクリートコアを採取し、自身の配合と強度試験の結果を提示した。


 そして、驚くべき提案をした。


「この倉庫の上に、さらに二階分の木造建物を増築します。私の計算が正しければ、倉庫はびくともしません」


 現場の職人たちは震え上がったが、エレンの自信に満ちた瞳を見て、作業を開始した。


 結果。倉庫は微動だにしなかった。  エレンは、現代の「積載荷重ライブロード」と「許容応力度」の概念を、古代の素材で完全に証明してみせたのだ。


 エレンの信頼は揺るぎないものとなり、彼女の知識は「魔術」ではなく「真の知識」として認められた。

評価をするにはログインしてください。
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
このエピソードに感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

↑ページトップへ