第5話 幽霊だけど男として見て欲しい! でも魂リンクはまだ早いって!!
通路にエスコートしながら考えた。リアナさんがそんなにチョロいわけないよな。俺が「男」として認識されてるかさえ怪しい。身体もふわふわのウィスプ姿で声の方も「男性」として聞こえているのさえ分からない。俺が「話す」時、俺の頭の中で声を出しているように聞こえるだけで、耳で聞こえているわけでもない。生前だって録音聞くだけで違和感あったのに、この状態ならそれよりかけ離れたに違いない。先ほど堂々と入った隠し階段だったのに、不安になったことで照れていただけだろう。よし、こういう時は俺が不安を吹き飛ばしてやる番だ!昔、妹と一緒にお化け屋敷にいたときのように。
「安心して! この命に代えてもリアナさんを守るぜ!俺は幽霊だから無敵!もう一度死ぬ心配なんかない!」
俺はまだファンタジー世界だから騎士気取りを続けてた。
「いや、この神殿は魂にまつわる場所。魂さえも破滅出来る罠があっても不思議じゃないから、気を付けてください。」
「あ、そ、そうだったか」
と俺がちょっと弱めで返事した。血が通ってたら今頃ガチ凍りつくだろうに。今はそれがないのがせめてもの救いだ。本当はちょっとマジに怖くなったけど、その動揺を隠して続けた。
「それなら、その感じの罠なら、何か見た目で分かるものがある?今のところ、タイルの色とか形の変化を見ているけど~」
「そうね、昔この神殿に仕えた人達にでも分かるように、人間にでも分かりやすい違いがあるはず。魂に影響を与えるのなら宝石か魔法陣みたいなもの」
「なるほどね。今のところ罠とかも何もなさそうけど……あると思う?」
「そうね、あるか分からないけど、私達が目指している物はこの神殿の宝物だから、何もないはずがない」
「これは盗みだった?!」
「いや、違うよ!ちゃんと魔法陣で儀式もしました。無事見つけ出すとこの神殿の正式の巫女と名乗れる!そういうやり方。」
「待って!」
と俺が叫んだ。足元にはもう床がない事に気が付いた。目の前に続いた床は幻だったか、もう通路が大きな穴で途切れていた。リアナさんは無事入る前に止まってた。
「これは罠か試練でしょう。悠真さんはなにかこれを乗り越えるヒントになるものが見えますか?」
俺はリアナさんの質問に答えるようにその先にも調査するように勧めた。穴はどこまで続くのがよくわからないけど、落ちたら死ぬかどうかはわからないけど、絶対怪我になる深さ。通路の壁の方には特になにもない。通路を一人で続いて見たところではまた床が続いている所があった。でも、異世界人の身体能力がどれだけバケモンか知らないけど、これはさすがにジャンプじゃ無理だろ。引き返して何か道具を取ってくるべきかと思ってたら壁の方には文字が書いてあった事に気づいた。
「俺の声がまだ聞こえますか?」
「うん、その距離でも問題ない!」
「こっち側の壁に字があるけど、ごめん、やっぱり異世界の字が読めない。」
手がないから書き写せないし、どうしようもねーや。
「大丈夫よ!それなら儀式すると悠真さんの目を借ります!いいかな?」
「え?!」
「私が今から魔法陣を描くね。私がその魔法陣にいる間悠真さんの魂と繋がりを持つ事が出来る。それで私自身は動けないけど、悠真さんが感じることや見えるところも感じられる。」
なんかめっちゃ恥ずかしいこと普通に言われた。魔法儀式が結婚式みたいな形なら恥で死ぬ!これの方は魂を消滅してしまう罠と思うほどのこと!
俺はこんな知らない世界で何もできない姿で来てしまったから、今のところリアナさんを頼ることしかできない。異世界で最初に会った人が俺を蘇生出来るって言ってくれた人って事もラッキー。まだまだ分からないところがいっぱいあるから、これは従う方が良さそう。
「美人の頼みなら断れないね。」
「ありがとう!今すぐ描きますから、とりあえずこっちに戻って。」
やっぱり、俺のチャラ男言葉に対して普通に返事がきた。
俺がそっち側に戻ったらリアナさんは赤色の砂で魔法陣を描いていた。それが終わると、今度は青い砂で別の魔法陣を描いた。リアナさんは赤の方に入って、正座で座ってた。
「青の方に入ってください。」
リアナさんが笑顔で勧めた。俺が入ったと彼女が何か声にもなれない声で呪文を唱えた。それを聞いた俺は一瞬くらっとした。生身だったら倒れそうな感覚。でも、すぐにでも生きたかのような自分の体内に生命が戻ったかのように暖かさが湧き上がった。
「変ね」
とリアナさんが座りながら呟いた。
「何が?」
「いや、気にせずに、またその壁に向かってください。」
ふわふわしながら進んだがやっぱり血が通ったかのように、心臓があるかのようにドキドキしてた。
字が書かれている壁に着いた時、リアナさんが読んでいた。
「これは昔の字だけど、安心して、読めるから!」
やっぱりリアナさんでも読めない字じゃないかっと心配していた俺の感情も感じているかな。それを触れずに彼女が続いた。
「これは呪文ね。詠みます。」
歌うような声で俺には言葉とも感じられない呪文が唱えた。魂のリンクの呪文が途切れたか、一瞬で凍れている感覚が戻った。死の怖さも一瞬心を震えた。やっぱり無念。
それを感じた俺の前に、穴の中の上に浮いている石が現れた。その石はリアナさんが通れるように穴の両側にしっかり橋渡ししていた。
「やっぱりこれは試練みたいですね。これが「最初」って書いている。」
こっち側に渡ったリアナさんが別の壁を見て発言した。
次回、試練が続く...
第5話、いかがでしたか?
次回は試練が続きます!
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