第17話「夜遊びゼロなのに朝帰り扱い」
リアナさんは昨日の苦労もしなかったかのようにガッツリ朝食を食べていた。
「心配した俺がバカだったか?」
苦笑いで自分にツッコんだ。だけど、心の中では皮肉を言ったけれど、本当は元気な姿を見て安心した。回復を受けたばかりの俺は機嫌よく食べている様子を眺めた。
リアナさんが食事に集中しているのか、意外と何も言わずに食べていた。静かに食べていると言いたかったが、なぜか段々とスプーンやフォークの音とかが大きくなっていった。
食事を平らげた後、厳しい目で俺の方に向き直した。
「それで、夜の遊びにでも行ったの?死にそうになって帰って来て、私が心配しないとでも思ったか?」
目に涙が溜まっているのに流さないように必死そうに唇を噛んでいた。
「ヤバイ!リアナさんを怒らせてしまった!」
と思った。リアナさんが食べながら段々と感情的になっていたのに全然気づいてなかった。朝帰りの夫になった気分... 「全然遊んでない!死にそうになった俺の方が可哀そう!」って返したくもなった。でも、結菜と格闘ゲームで遊んでいた時、同じ怒り方をみたことがある。だから今回は黙って聞くことにした。
「私をまた一人ぼっちにさせるつもり?!」
言葉が出たとたん、リアナさんはとっさに手で口を塞いだ。自分の言葉にびっくりした様子で頬を伝う涙がこぼれた。慌ててハンカチを取って涙をぬぐった。
「俺、そんなつもりじゃなかった…」
謝るように声をかけた。
「いや、ごめん。私の方こそ、我を失って感情的になってしまいました。悠真さんがどこに行っても自由ですし。どうぞ、何があったか伝えてくれると嬉しいです。」
俺は疲れたリアナさんの代わりに一人で調査を進めたかったと説明して、一人で出かけたと説明した。宿屋で聞いた言葉、そのヒントをもとに木炭絵の調査とその結果を語った。
「なるほどね、残滓に飲み込まれてしまいそうだったよね。力が残滓に奪われたんでしょう。それで我に戻れて、本当によかったです。」
「妹の声が聞こえたから、違和感を覚えた」
「妹さんでしたか~ 妹さんがいたのですか?」
「うん、前の世界には両親と妹を残してしまった」
思い返すと、また重い気持ちになった。
「両親もか?親と言えば、あの残滓の書体ね。苦しい死に方の上に、大事な息子を同時に失う。悠真さんはどうですか?私はどっちも経験した事もない、うまく共感ができる自信がない。今回の怨念をどう清める方法に迷いますわね。」
リアナさんは俺の気持ちを察知したか、話題を本題に戻してくれた。
「そうだね。俺は死ぬときの無念が分かるが、記憶として体験した気持ちは感じたことがなかった。」
「何かの形でその亡くなった息子さんの事で安心感を与えられる事ができるか調査しましょう。無理なら強引に消す方法なら知っていますが、それではアクセサリーの力にはならないと思います。悠真さんがまた危険になった場合なら使わせていただきます。」
「そうだね、やってみようじゃないか!とりあえず、あの宿に出発しましょう!俺が案内する!」
そう言って、俺は昨日と同じ道に行こうとした。
……壁に向かってしまった。
「あの、私はドアから出ますから、まってください!」
……後ろから必死な声が聞こえた。
第17話、いかがでしたか?
次回、事件の調査!
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