第14話 「幽霊屋敷調査?! ミイラ取りがミイラになる夜」
更新遅れてすみません!
今週分になります。
宿でぐっすり寝ているリアナさんを残して、夜のフィオーレ町に出かけた。昼の賑やかな町とは思えないほど、すごく静かだ。一人で出かけるのはちょっと心細いが、人間に無理はさせたくない。勝手に出てきたことに少し罪悪感もあったが、もうあのままじっとしていられない。
通りには、小さな油ランプが並んでいた。紙や薄い布で覆われたランプの灯りは、揺れながら夜の石畳を照らす。町全体がふんわりとした光に包まれていて、昼間と違って幻想的。
「……幽霊でも、夜の町はちょっと緊張するな。」
つぶやいた途端、笑いそうになったが、同時に胸がぎゅっと締め付けられたような感じがした。
夜の静かさが妙に重い。よく考えるとリアナさんに出会ったから、この世界で一人になるのが初めてだ。急に心細く感じた。
思わず自分の手を胸に当ててみた。もちろん手も胸もないから無意味だった。
「ははっ、幽霊の俺が『怖い』とか思っている時点で笑えるな……
生きてた頃は、幽霊の存在なんて信じてなかったのに……」
今夜は一人で残滓を浄化できると思えないが、場所特定ぐらいならできるだろう。少しぐらいでもリアナさんの負担を減らしたい。
ふわふわと町を移動しながら、まだ活気がある場所に入ってきた。酒場の賑やかな声が響いている通りで、俺たちが泊まっている宿と違って、小さな宿屋が視線に入った。ちょうどその前に、宿主らしい男が立っていた。
大きな荷物を持った客を見送ったばかりらしく、そのお客さんの背中に「すみません!お気をつけて!」と頭を下げていた。
「はあ、またか」
客の姿が見えなくなると、男はため息をついた。
「あの部屋の何がダメなんでしょうかなぁ。 昔からあの部屋が不気味って言うお客さんが多いけど、また模様替えするべきかな……まるで幽霊でも見たかのような顔だったぜ。」
苦笑いしながら、独り言を呟く姿が、なんだか可哀想だった。
幽霊、ね。
「……まあ、実際俺がここにいるんだけどな」
宿主さんには、もちろん俺の声なんては聞こえない。
肩をすくめて宿の中に戻り、扉を閉めた。
これは……ちょっと気になるな、明らかに怪しい。
このまま朝までほっといて、リアナさんと一緒に調査するべきか?
それとも今、一人で調べるべきか?
俺は少し迷ったが、リアナさんのやつれた顔を思い浮かべたら、迷いは吹っ飛んだ。
「俺、疲れないのがチートじゃなくて、むしろ呪いかも……」と思いながら、扉をすり抜けて宿の中に入った。
宿の中は真っ暗だった。宿主がカウンターのランプを消すと、彼が持つロウソクの炎だけが頼り。
でも俺は幽霊だから光がなくてもはっきり見える。難なく中を探索できる。
いや、探索すら必要なかった。
宿主が言っていた、『あの部屋』が、なんとなくわかる。
廊下の奥から、昼間の小さな残滓とは比べ物にならないくらい濃い、重くて冷たい気配が漂ってきていた。
「……おいおい、こんな時に強めの残滓が出てるなんて。
幽霊屋敷の調査をしている幽霊が、このままミイラ取りがミイラになる予感しかしない……
リアナさんに見られたら絶対『危ないから戻って!』って怒られるやつだ……
でも、やっぱこのままひきかえせない!」
俺は廊下を進んで、ドアにすり抜けた。
俺の前に広がっていたのは、どう見ても普通の宿の部屋だった。いや、俺はこの世界の宿それほど見てないから、何が普通なのか分からないかも。でも、アニメやゲームに出てくる宿に似てたし、リアナさんと一緒に泊まっている宿とも差があんまりない。こんな大きな残滓の元がどこかなのかと、部屋を見渡すと、壁に飾られている木炭画が、残滓の元っぽい。
近づいてみると、描かれていたのは小学生くらいの少年だった。少し照れたように笑っている。こんな可愛い絵なら、どんな思いが残っているのか調べようとしたら……
一気に、いろいろな感情や記憶が俺の中に流れ込んできた。
「あれ、俺、誰?」
ーーーーーー
その頃、宿では―
リアナが夢の中で叫んでいた。
「悠真さん!そのステーキは私のもの!」
第14話、いかがでしたか?
悠真が残滓に取りつかれている?!次回、怨念の正体!
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