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季節の巡る彼女と少年の物語  作者: 山神賢太郎
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帰り道

 陽も傾きかけたころ、エーデルは図書館のからの帰路についていた。

 後ろからドタドタと走ってくる足音が聞こえる。

「お姉ちゃーん!」

 彼女は後ろを振り向くとそこには護が手を振っていた。

「まもる君。今、学校終わったの?」

「そうだよ。放課後みんなでサッカーしてたんだ」

 護はそういうとエーデルと一緒に歩き始める。

「学校は楽しかった?」

「楽しかったよ。まあ田舎だから、人数は少ないけどみんな友達だよ」

「そうそれなら良かったね」

「お姉ちゃんはどこに行ってたの?」

「私は図書館で資料を探していたの」

「なんの資料?」

「えっとね、私は民俗学を学んでいるんだけど。なんて言ったらいいかな……。私はここの土地のことについて調べているの」

「よくわかんないけど、そうなんだ」

 護は笑った。

「お姉ちゃんは家に帰る途中?」

「そうだよ」

「じゃあ、途中まで一緒に帰ろうよ」

「うん」

 二人は横に並んで一緒に帰ることにした。

「僕もう少ししたら夏休みなんだー」

「そうなんだ。夏休みはどこかに行くの?」

「うーん。まだ決めてないかな。そうだ、夏休みになったら一緒に遊ぼうよ」

「うん、いいね」

「ここのことだったら僕に任せていろいろ案内するよ」

「いいの? ありがとう」

「夏休みはいろんなところに行こうよ。夏祭りもあるから一緒に遊ぼうよ」

「いいよ」

「じゃあいろいろ計画立てておくね!」

「うん、ありがとう」

 そして、そろそろ護の家へと着いてしまった。

 護は名残惜しそうにしている。

「まもる君の家に着いたね。じゃあここでお別れだね」

「うん……」

「じゃあ、また遊ぼうね」

「うん。お姉ちゃんの連絡先教えて」

そういうと護はスマートフォンを取り出した。

「うん、いいよ」

 エーデルも自分の持っているスマートフォン取り出す。

 そして、二人は通話アプリの連絡先を交換した。

「これでいつでも話せるね」

 護はニコッと笑った。

「うん!」

 エーデルも笑った。

「お姉ちゃんじゃあ、またあとで連絡するね。じゃあ、またあとでー」

「うん。じゃあまたあとでね」

 護は帰路に就くエーデルに向かって手を振った。

 エーデルも振り返りながら手を振って歩いた。

 帰り道エーデルは連絡先を交換したスマートフォンを胸の辺りで握りしめ、嬉しそうに笑っていた。

 今日は良いことあったなと思いながら帰り道を歩くのだった。


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