次元革命
フルダイブVRMMOによって世界は変わった。
事の発端はあるゲーム会社から始まった。
株式会社有頂天。世界でも有数の資産家一族である最上一族によって運営されるこの大企業はこの世界は大きく変えるある革新的な発明を成し遂げた。
それが電脳世界『サイバーヘブン』と装着型ゲームデバイス『CDD3』である。
この二つの登場により人間の意識は電脳世界にアクセスすることが可能となり、飛躍的な発展を遂げることとなったゲームジャンルこそフルダイブVRMMOである。
更に『サイバーヘブン』と『CDD3』が誕生したことによってゲーム業界だけではなく文字通り世界が変わる転換点を作る事にも繋がった。
当初心配されていた安全性も株式会社有頂天の技術公開によって解消され、世界の国々はこれに合わせてフルダイブに対する法の整備を始めた。これによって誕生したのが『サイバースペース安全基準法』である。
これがきっかけとなり今ではあらゆる企業や行政機関がフルダイブを利用し、サイバーヘブン内で取引や手続きを行っている。
そんな中でも一際異彩を放っているのが株式会社有頂天によって開発、発売されたVRMMO用ゲームソフトである。
王道ファンタジー、格闘ゲーム、ガンシューティング、レース、シュミレーションゲーム。
あらゆるジャンルの対応したサイバーヘブン用ゲームソフトは世界の人々が生活するもう一つの世界となった。そう、有頂天は世界と神話を創り上げたのだ。
その後も有頂天は様々なジャンルのゲームソフト開発を続けると同時にサイバーヘブンと自社のゲームデバイス『CDD3』の技術の一部を世界にばら撒いた。それによって、有頂天以外の企業からもサイバーヘブンとCDD3に対応した数多くの神ゲーといえるソフトが生み出されることとなった。この影響はゲーム業界だけにはとどまらず、世界のあらゆる技術に革新と革命が巻き起こった。
これは後に、『次元革命』と呼ばれることなる世界の転換点となった。
そして、それと同時に一人の伝説が現れた。
サイバーヘブン最強のユーザー 『ナルカミ』
ナルカミはサイバーヘブンに存在するあらゆるゲームに現れ、その全てのゲームランキングに名前が載ることとなった。
だが…ナルカミは5年間、あらゆるゲームランキングを荒らし続けた挙句、突然サイバーヘブン内から姿を消した。
2032年の『次元革命』から10年後。ナルカミが姿を消してから約5年後…。
2042年
ある一部屋に一人の女性が入ってくる。