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動機不純ヒーローズ  作者: 古川モトイ
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ポーの庵

「ボクの家はどうだい?」


転移先はポーの家だった。あらゆる生き物の骨と、瓶詰めの小動物で埋め尽くされている。ポーの体のスペアらしきものも何体か壁からかかっている。


「すごいな。」


自分の部屋は薬草とガラス瓶、蒸留に使う装置などで埋め尽くされているのを思うと似ているのかもしれない。ポーは窓を開けると「ガシャラクター」と外に呼びかけた。程なくして大きな翼が風を打つ音が聞こえる。


「ガシャラクターだ。好きなところまで乗って行ったら勝手にここに戻ってくる。」

「私がいつでも戻ってくるとは限りませんよ?」


ポーは「おなかが減ったら戻ってくるでしょ?」と言ってガシャラクターの首の辺りをポンポンとたたいた。ガシャラクターと呼ばれたその生き物は一見ドラゴンに見えるが、全身なにかのつぎはぎだった。やはりアンデッドなのだろう。タカシの町の場所をポーからレクチャーされるとうんうんと分かったように頷いてる。


「ありがとうございます!」


ポーにお礼を言うと。ポーの家を飛び立った。飛び立って分かったが、ポーの家は結構高い場所に建っていた。その家がぐんぐん遠ざかる。そしてガシャラクターは饒舌だ。


「旦那さん私はね?元はドラゴンでもなんでもないロバだったんですよ。」

「ロバ?」


ガシャラクターは得意げだ。


「ロバだけど人乗せて走るのがずっと好きで、好きをこじらせてたらポー様に生まれ変わらせてもらったんです。」


しばらくすると眼下に魔族の王都が見える。前にブラックドラゴンで移動した時には気づかなかったけど、この世界ではドラゴンに乗った移動が一番早いのではないだろうか。賢者の目でよく観察するとガシャラクターを中心に結界が張られているような状態になっていてあまり風を感じないだけで、実際には恐ろしい速度で飛んでいる。翼で風を打って飛ぶというより、空気のトンネルを通っているような雰囲気も感じる。追い風に運ばせているという表現が近いだろうか。ガシャラクターのおしゃべりに付き合いながら数時間も飛ぶとタカシの町が見えてきた。北方から人間の大きな集団が町に迫っている。軍勢というよりは難民に見える。


「おろして!ありがとう!」


タカシの町の通りに下ろしてもらう。名残惜しそうなガシャラクターに礼を言うとボクはタカシを探した。

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