キスタラの盗賊ギルド
キスタラに到着した二人は盗賊ギルドへ顔を出した。
「見ない顔だ…帰りな。」
2人とも盗賊ギルドの警備員のあまりの迫力に本当に帰ろうかと思ったが、通りすがりの別の中年の女盗賊に助け舟を出された。
「時代は変わったんだよ。愛想よくしてやんな。」
話しているとそれがギルドマスターだったらしい。少し逡巡したが受けた任務と道中の出来事を話した。
「魔族が入り込んでる噂はあたしも聞いてたが、その風体から言うとトンコロの家族を人質に取ってたってことだね。」
ギルドマスターはメモ用紙に何か書き殴ると部下に渡した。
「急ぎな。」
ギルド内は急に騒がしくなった。そして2人に向き直る。
「あんたらが腕利きだって事は見た瞬間分かったよ。特別にアタシらの本気の仕事を見せてやるよ。良かったらついてきな。」
丸っこい体を揺らしながら立ち上がるギルドマスターに促されて2人は日没後のキスタラの街を歩く。
「ボ…ボブ!!」
「う…うん!!」
ギルドマスターを先頭に人がどんどん集まってくる。全員がやばい風体の人間だらけだ。
「ヤ○ザだぁ…」
「ギャ○グだぁ…」
そのまま街を出ると夜の闇の中を突き進んだ。