解読
昼休みに地理の教師を訪ねる。
「ボブくん…だっけ?質問?」
銀ぶちのメガネの女性教師だ。確かボクたちと同じ年齢の子供がいると言っていた。
「ちょっと、ネットで見つけたナゾナゾを解いていまして。地球儀を持ってきたんですが。」
シャムロウから聞いた内容を写し取ったノートを見せる。
「ふーん、計算の必要があるのね。この書き方はむしろ天文分野だけど、何とかなると思う。」
計算機を取り出して紙にメモをしていく。その様子を覗き込みながら、やっと納得しかけた。
「これは地球の1点じゃなくて…2点を示してる。今は私たちがいる、この地域がそう。そして、地球のちょうど反対側も条件に当てはまる。インド洋の真ん中。」
そう言われてみればそうだ。ボクは昨日、この街で転生した事になってるんだ。そこから徐々にずれていくわけだ。そのずれていく仕組みは理解できた。そして、インド洋の真ん中に転生者を狩りにいくとは思えない。ボブは丁寧に礼を言うと、地球儀とノートを抱えて学校を飛び出した。
「なんでパスポートなんて取ったんだ、バカ!」
自分のアホさを呪いながら走る。予定ではこの街から少しずつ北東に転生軸はずれていく。地球儀を投げ捨てて、煙に変わった。自分でも試したことが無いほど広い範囲に拡散する。
「探し方が違うんだ!異世界の術に集中しろ!」
ボブは自分が離れた学校で気配を感じた。
「ボクはバカだ!」
脱ぎ捨てたベンチコートの内ポケットから風に吹かれて紙幣が舞っている。ボクは突風になって自分の学校に戻った。




