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動機不純ヒーローズ  作者: 古川モトイ
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高台の決闘

ボブとゴルフは高台の決闘を見届けるためについて行く事になった。


「ボブは手を出さないでね。負けたら笑って許してよ。また転生できるかもしれないし。」


フェーンはその会話を聞いて自分もゴルフに釘を刺した。


「ということだ、ゴルフ指揮官。手を出さないように。ところで貴殿…タカシ殿はそちらのボブと言ったか?転生者がどんな者か知っているのかな?」


気になる言い方をされたボブは少し小さくなった。タカシも気になったようだ。


「というと?」


フェーンは少し深呼吸をして、ボブを見た。


「タカシ殿は私とほぼ互角かと…しかし、ボブ殿。恐らく私は勝てない。」


ゴルフはかなり驚いている。タカシは首をひねりながらも少し得意そうだ。


「まあ、ボブは強いからね!」


フェーンは全てを見透かしたような目でボブとタカシを見比べた。ボブはなんだか小さくなりながらその会話を聞いていた。


「私も全くそう思う。ボブ殿、どちらかが命を落としそうになった時には戦いを止めて下さらんか。私からのお願いだ。」


ボブは思わぬ申し出に「わかりました」と早口で答えた。高台へ登ると、2人は武器を抜いて相対した。ボブは合図とかしたほうがいいのかなと思っている間に勝手にはじまった。


「どおおおおおお!!」

「しゃあああああ!!」


2合打ち合ったところで、2人は距離を開けた。


「なんと言う重さ!!その小さな体にとてつもない膂力を!!」

「そんな長い剣で隙が無いっすね…器用な魔族も居るんですね…」


そして、また打ち合う。


「クッソ!蹴りもあるのか!?」

「甲冑の上から殴ってこの威力!?」


2人はお互いの技術を出しつくすように武器を振るう。ゴルフは少し遠い目をしてその様子を眺めている。


「ボブさん、これどっちが優勢なんですか?」

「…うーん。」


ボブは意識的に賢者の目で見てみるが、ただ2人とも「よくやってる」ぐらいしか分からなかった。そういっている間にも高台は徐々に形を変えている。二人の打ち合う衝撃で地形が変わりつつあるのだ。そして、フェーンもタカシも肩で息をしながら一旦離れた。


「今のを…これを避けられたと言うことは、もう私には力任せに切りつける以外のテは残っていない…」


タカシはにやりと笑った。


「やっぱり今のはフェーンさんの取っておきの一撃ですよね…ヤマカン当たったってことです。」


フェーンは自分に激を入れるように一層大きな声をあげた。


「運も実力の内ィ!!」


そう言いながらタカシに大上段で切りかかる。


「だああああああ!!」


タカシが叫んだ次の瞬間、タカシの横なぎがフェーンに届かなかったように見えた。


ギィン


そして、凄い音と火花が散って、白太子の長剣の刀身が中ほどから砕けて飛んでいった。瞬間、ボブの姿が消えた。


「え!動けない!?」


ボブが一瞬で蒸発して、タカシの動きを制止したのだ。


「ボブ様がタカシ殿をお止めになったということは…私の負けです。」


フェーンはその場に崩れるように腰を下ろした。


「死なないとは分かっていたものの、恐ろしい決闘でした。ゴルフ指揮官は今見たことを見たまま伝えるように。ボブ様はよろしければ王宮にご同行願えますか?」

「え?ボク?」


タカシに絡みつく煙が喋った。「え?ボク?」としゃべった声はまさしくボブだが、ゴルフは声の出所が分からなくてきょろきょろしている。


「あれ?ボブさんが居ない!?そしてボブさんの声だけがする!?」


フェーンは立ち上がりながら、折れた長剣を鞘に収める。


「ゴルフ指揮官、黙っていたが、多分ボブ様は賢者だ。この世界の理を見透かす賢者の目を持っておられる。」

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