交渉2
「実はボクが魔族から奪う土地は僕の領土になる契約をしていまして。」
タカシが話し始める。何人かの魔族が「奪うだと!」と怒りはじめたが、周りのほかの魔族にどつかれて静かになった。静かになったのを確認してタカシが話を続けた。
「ボクが奪った土地には人間も攻め込めないんですよ。ボクは人間側だから。だからこうしてここからここまでを…」
タカシは地図を広げた。人間の領土と魔族の領土の間に帯状に何かを示している。
「全部、ボクの領土にすれば、魔族が攻めてきたらボクが戦うし、人間が攻め込もうとしたら、やっぱりボクが戦う。さすがにこんな広さ、全部は取れないとしても、今ここでこの駅をボクが貰えれば、人間はここから先に攻め込めなくなる。…ボクを倒さない限りは。」
魔族たちが頭をひねっている、ボブも若干頭がこんがらがってきた。
「結局、オレたちの土地は狭くなるってことか?」
「そう、だけど魔族はこの駅を使ってもいい。いつでも誰でも。」
ボブはやっと分かった。タカシは魔族とお近づきになるために中立地帯を作ろうとしているのだ。リーダーも理解したようだ。
「そのためにはオレたちに恨まれちゃいけないって…そういうことか!だから『買う』のか!」
ボブは全員のロープを外し終えた。
「返事はすぐにしなくていい。ボクは返事がもらえるまでココに置いてもらうつもりだし。」
タカシはこの魔族の駅に居座るつもりらしかった。
「分かった、オレが責任者に掛け合ってくる。お前ら絶対にこの人間を襲うんじゃねーぞ!」
「タカシです。」
魔族のリーダーは「ゴルフだ」と名乗った。




