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動機不純ヒーローズ  作者: 古川モトイ
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交渉1

ヤソヒネが帰った後に、タカシは特に偉そうな魔族の縄を解いた。


「お前がここの責任者?」


縄を解かれた魔族は面食らった顔で「違う」と言った。


「…殺さないのか?」


魔族がそういうとタカシは


「殺すわけが無い。急に縛ってゴメンね。」


と詫びた。そのやり取りを聞いて縛られながらもじたばたしていた魔族が大人しくなる。


「一番偉い人どれ?」


縄と猿轡を解かれた魔族が答える間も無く、一つの塊が「フー」と唸った。タカシはそこに駆け寄る。


「すいません、今、縄を解きます。他の皆さんも多分あとから順番にほどきますんで。」


ボブはタカシの狙いが何か分からないのでその様子をボーっと見ている。


「人間、オレたちを殺さないのか?」


タカシは首を振って否定した。


「だったら縛らないです。あくまでも人間側の都合で一旦縛っただけで。縛っておいて申し訳ない、お話を聞いていただこうと。ボブ、ゴメン、順番にロープほどいてあげて。」


ボブはとりあえずフワフワゴブリンを優先的にほどくことにした。連中は縛るとすぐ漏らす。この駅のリーダーの魔族は、地面に座ったままタカシと話し始めた。


「非常に口惜しいが…こうしてロープをほどくと言うことは、お前たち二人はオレたちがどうやって束になって戦っても倒せないと、お前たちは考えているんだな?」


タカシはすまなさそうに頭を下げた。


「ごめんなさい!その通りです!」


ボブもそれには同感だ。タカシがどうかはボブには分からないが、多分、ボブ一人でも100回やって100回負けない。


「何が狙いだ。」

「この駅、売って欲しくて。」


ボブは「へ?」と声が出た。


「『売って』?『奪う』んじゃなくて『売って』と!?」


魔族のリーダーも呆然としている。ボブも一瞬「もう獲ったじゃん」と思った。多分、魔族のリーダーもそうだ。


「はい、一応、人間の側ではここの駅とこの周辺の土地はボクのものになったんですが、ここは元々、皆さんの領土なので、売っていただけないかと…」


ボブは「なるほどなあ」と感心しながらロープをほどいていく。解き放たれた魔族に暴れる気配も無かった。


「これ、一生懸命貯めた金なんですが、なんとかこれでこの辺りを売ってもらえないかと。」


魔族のリーダーはタカシの顔を覗き込んだ。


「オレたちをこのまま殺せば手に入った土地をどうして買おうとする?」


タカシは金にあまり興味を示さない魔族の様子を見て、話し始めた。

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