薬屋ギルド本部にて
カウンスは臭かった。
「デカい街は臭いんだよね。」
シーナは遠慮なくそう言った。
「転生者が生活で出る廃水の処理の方法を色々教えたみたいで、だんだんマシにはなってきてるけど、風通しのいい田舎町に比べたら、カウンスはひどいもんだよ。」
ボブは小さく頷いた。街の人々の目線が気になったからだ。
「ここだね。」
立派な木製の扉に薬屋ギルドの看板が掲げてある。ボブは建物の中に入ると多少臭いが気にならなくなった。嗅ぎ慣れた薬草の匂いが充満している。これまでのギルドとは違って受付にきちんと人がいる。
「シーナちゃんか。お帰り。」
シーナは荷物を担ぎなおすとボブを紹介した。
「こいつはボブ。ザワで最近登録した新人らしい。」
「ああ、どうも。ボブです。」
「そうか、ギルドの登録証見せて。」
ボブは荷物からギルド証を取り出して渡す。
「ようこそカウンスの薬屋ギルドへ。売りたい薬や余った材料があったらギルドでも買い取れるよ。いつでも声をかけてくれ。オレはヘンゾだ。よろしく。」
気さくなヘンゾは自己紹介しながらボブにギルド証を返した。シーナはいつのまにか受付前を離れてどこぞへいったようだ。ボブは、新入りを気にかけて色々話しかけてくるヘンゾに、自分は転生者であることなど話していると、シーナが戻ってきた。
「爺さんがいない。」
「賢者様なら今日は宮城に呼ばれてお出かけです。」
シーナの祖父が賢者と呼ばれているらしい…とボブが考えていると、シーナが「なら、荷物降ろそう」とボブの腕を引いた。




