カウンス
カウンスは近いらしい。結局、1週間ほどの旅路だろうか。ボブもシーナも程ほどに儲けて、程ほどに使った。
「今回は結構お金使っちゃったけど、ボクは普段はもっと倹約するのよ。それで、旅しながら行商して生活費を溜めて、ギルドで寝泊りしてたまったお金が尽きそうになったらまた旅に出るの。」
「へー、いいなあ。なんか目標はあるの?」
「ないよ。」
ボブは「ないよ。」という言葉に清々しい心地よさを感じながら、自分の目的について考えてみた。横目にシーナを見る。
「ボブはなんか目標とか目的はあるの?」
「えっ!?…分かんない。転生してきたし。」
シーナは「ふうん」と言うと、立ち止まった。
「そこの沢で薬の調合しよう。水きれいだから。」
「うん!」
2人は手持ちの材料を目一杯調合し終えると、水薬が増えたせいで、荷物は重くなった。
「これ全部、カウンスの薬屋に卸せば、そこそこいいお金になるんだ。」
「それで本の材料を買えばいいんだね?」
「そういうこと!」
2人がカウンスに向かって歩みを速めると、街道は徐々に広く整備され、大きな三叉路に差し掛かると往来は激しくなった。
「あれがカウンスだよね。」
「そうそう」
ボブは石造りの大きな街に興奮した。ボブが生まれ育った世界に比べれば建物の背も低いが、この世界で見た中では圧倒的な規模だ。街道を行き交う人々によって大量のモノが運び込まれて、逆に運び出されてもいる。
「キスタラは魔族との前線を維持するための街だからね。荒っぽいのも多いけど。カウンスは、まあこんな感じだね。」
「ここにシーナのおじいさんがいるの?」
「そう。…まあ、実家もこの街にあるんだけど。まあ、会ったときに説明するよ。」
ボブとシーナは街の門をくぐって大通りを歩く。ボブは確かにここなら何でも売ってそうだと思った。




