境目の森
フワフワゴブリンがはばかりに行っている間、他の魔族が口を開いた。
「人間と違って我々の寿命は種族ごとに大きく違う。人間は我々を魔族と呼んでいるが、我々にとっては人間は数ある種族のうちの一つだ。そもそも我々の間では諍いが起きると他の種族を殺して食うことがある。人間は我々と戦うことを選んだので、人間は我々にとって食われる側になった。」
そう話しているとフワフワゴブリンが笑顔で戻ってきた。
「あいつらはバカだから逃げるって発想もないんだ」
もう一人の魔族が言った。フワフワゴブリン以外の二人はそれぞれタルガルとガガンと名乗った。二人の話はこうだ。そもそも、この世界は種族間の争いが絶えなかったが、ある頃からか人間たちが多種族を奴隷として使役するために戦を仕掛けるようになり。小さな集落が人間に倒されないために結束をはじめたのが、人間が「魔族」と呼ぶ集団だそうだ。魔族の結束によって奴隷が得られなくなった人間は、今度は人間同士で戦乱を起こして奴隷の奪い合いをした時代をへて、その後、奴隷制が消滅したが、現在も魔族と人間の戦いは続いているそうだ。
「実りが豊かな土地や、良好な狩り場を人間にかなり取られている。現在は主に食糧事情が原因で我々は戦っているんだ。」
タカシが「農業はやらないのか?」と尋ねるとすぐに帰ってきた。
「我々の同胞には寿命が二年ほどの連中もいて、来年のために種を撒いて収穫するのが困難なんだ。あるだけ食べて、繁殖してしまう。次世代のことはあまり考えない連中も多い。オレとこいつは比較的長生きだから…こんな話聞いてどうするんだ?」
ボブもタカシを見た。
「分かんないよ。でも考えてるんだ。」
タカシとボブは結局、3人の魔族を適当な場所で解放した。
「次に戦場で会ったら殺すかもしれないぞ、気をつけろ。」
タカシがそういうと魔族たちは森の奥へ消えていった。




