薬屋ギルド
汗だくでウサギを殴り続けるタカシの所にボブが走ってくる。
「ボク、ちょっと修行してくる。」
タカシは、ウサギじゃなくて狼を殴ってみたら一匹気絶させるまで時間がかかりすぎた話とかしようと思っていたが、やめた。
「いってらっしゃい。」
「行ってくる!」
ボブが元気に駆け出していった。
さて、当然、ボブが向かった先は薬屋ギルドだ。薬屋ギルドに入ると、薬屋がいた。
「あれ。」
「この街にはまともな薬屋はオレしかいないからさ。」
「弟子にしてくれるんですか?」
薬屋は首を振った。
「きちんとギルドに入会すれば、ギルドメンバーの権利として薬に関わる技術が教えてもらえるのが薬屋ギルドだ。薬屋ギルドは薬の商売をするためのルールや許可証を出してるので、そっちも一緒に覚える。ただ、国の要請で衛生兵に技術を教えたりすることもある。だから弟子じゃねえ。」
「へー」
ボブは感心した。
「本当は書類を作るんだが、お前は転生者だから住所も戸籍もない。代わりにオレが適当に書類作って入会にしといてやる。転生者でこんな地味な技術を習おうってヤツはほとんどいないからな。入会金もナシでよしにしてやる。」
ボブは「ありがとうございます」と恐縮した。薬屋はさっそく薬草の術を教えてくれた。ボブは一発で覚えた。
「うん、スジは悪くないが、このへんの技術は基本、誰でもすぐ覚えられる。兵士達に教えるのも大体ここまでだな。」
そう言って薬屋はギルドを立ち去る素振りを見せた。
「あれ?薬屋さん行っちゃうんですか?」
薬屋は振り返る。
「商売があるもん。あと、薬屋って呼ぶな。一応、お前も今日から薬屋なんだから。オレのことはギルドマス…いや、ピヨトルって呼べ。あと、持ち出さない限りは本は全部読んでいいし、一応、ここは住める。小さくてもこの国のギルド本部だからな。」
「ありがとうございますピヨトルさん!」
ピヨトルはギルドを出て行った。ボブはギルドにある薬の本をペラペラとめくることにした。




