再修業
「ボブ!」
タカシは大きな背中を見つけると声を張り上げた。
「タカシも!よかった!」
再会を喜ぶと、二人は身を寄せ合って手近な壁のほうへ歩いていった。
「ボブ、覚えてる?」
タカシは小声だ。
「覚えてるよ。」
ボブも小声だ。
「ボクらはなんとかしてあそこに行かなくちゃ!」
「そうだね!」
二人が言っているのは魔族の居城のことだろう。美少女のいる世界はあちら側なのだ。
「そのためには魔族を殺しちゃダメだ…」
タカシが何かを決意するように言う。ボブは頷いた。
「それでね、ボブ、ボク考えたんだけど、最初に使った棍棒は相手が気絶するっぽい話なかったっけ?」
「…うん!…いや、覚えてナイ…」
二人は走り出した。訓練所の流れを適当にごまかして棍棒を入手する。そのまま城門の外へ走っていくと手ごろな野うさぎを殴打して気絶させてみた。
「本当だ!気絶だ!」
「だろ?これだったら、大丈夫だと思うんだ!」
二人は再びレベルを上げ始めた。日が暮れる頃にはタカシはそこそこいいレベルになっていたが
「やっぱりボクは向いてないんだ。」
タカシもこれは認めざるをえないと言う顔をしている。ウサギ狩りによるボブのレベルの上がりが明らかに悪いのだ。
「眠らせるアイテムとかもあったし、そういうので頑張れば…ほら、ボクも回復欲しいし。」
タカシが励ます。ボブは少し残念そうな顔で「そうだね」と答えた。
「ボブは魔法向いてるんだから、なんか回復魔法とか使えばいいと思うよ。」
タカシが回復魔法にこだわっている。タカシはタカシで棍棒の気絶属性の可能性は見出してはいるが、攻撃力の低さにやや困惑している。棍棒とはいっても牧童でも扱える、家畜を追い回す棒と相違ない。
日がしずむと二人は城壁の中へ入っていった。




