出口
2人が勢いよく飛び込んだ場所は地下の食料庫のようだった。隠し通路があるらしく城から脱出しようと多くの魔族がひしめいていた。その光景を見てタカシが剣を取り落とした。
「う…わぁ…」
ボブとタカシから変な声が漏れた。
「…おかしいとは思ってたんだ」
タカシが震える声で言う。ボブは無言でうなづいた。2人の登場に慄く魔族たち。その光景はこれまで2人が見てきたこの世界からは明らかに異質だった。
「…美少女」
これまで2人はこの世界で異世界にありがちな美少女を一度も目にしていなかった。人種にあわせて黒髪か茶色の髪をした普通の女性は幾らでもいたが、パステルカラーの髪色をした女性は一人もいなかった。
「…ブルー…グリーン…ボクの推し色のピンクまで…」
恐怖に引きつった美少女たちは懐刀を取り出すと、次々に首を突いて自害していった。その景色を見ながら2人は放心している。
「スキあり!」
タカシは自分の胸から金属の刃が前方に突き出している景色をさほど興味なさそうに眺めた。横を見るとボブもすでに切り伏せられて絶命している。
こんなことってあるか。異世界転生なのに敵の陣営にしか美少女がいないなんて酷すぎる。結局、ボクは転生してもリア充の邪魔をしていただけの人生だったんだ。
そう考えをめぐらせていると頬に涙が伝った。意識がだんだん薄れて視界が暗くなっていく。とうとう目が光を感じなくなり、全身の感覚も失われた。真っ暗な世界だ。その真っ暗な感覚をすごく長い間さまよっていた。いや、一瞬なのかもしれない。そして、タカシは真っ暗な世界の中に白く浮かび上がるモノを認めた。それは光だった。光は言葉だった。
このせかいを さいしょから やりなおしますか? →はい いいえ




