次の戦いに向けて!
「3週間後には、関東大会か」
――そう、リキが呟いた。
「しかも、1区は、あの剣川天空」
「剣川との3kmのベストの、36秒差をどうするか」
――帰宅をすると、すぐにノートを取り出した。
「剣川は、何故早いのか」
「そこから考えよう」
「圧倒的なスピード」
「スピードを維持するスタミナ」
――なら、何故それが出来るのか?
「剣川の、3kmのベストの8分38秒は、
1kmにすると、平均約2分53秒位」
「そっか……俺だと全力でも出した事の無い、タイムだ」
「そして、それを維持して走るんだもんな」
「剣川は、本当に凄い」
――リキは、剣川の凄さを改めて実感した。
「剣川には勝てないな」
「だけど、俺の関東大会の目標が今、決まった」
――剣川にスタートから、
着いて行き、そのスピードを体験する事だ。
「行ける所まで、着いて行って、後半の事は考えない」
「チームも全国を決めてるし、自分の成長の為にもなる」
――その為にも。
「まずは、速いスピードを、
維持できる持久力をつけたい」
「俺の3kmのベストは、9分14秒」
「1kmにすると、平均約3分5秒だ」
――1kmなら3分を切れる。
「まずは、1kmの設定ペースを3分で、
3本こなせるようになる事」
「そして、1kmの全力のタイムを2分50秒まで上げる事」
「2kmを、3分ペースで2本こなす事」
――これを、こなせれば9分切りだって見えてくる。
「剣川には、すぐには追い付けない。
だからこそまずは、9分切りを目指す」
――今日は、日曜だから次のポイント練習が水曜日か。
「待てない。今すぐ走りたい」
――だけど、走ってしまったら故障のリスクが高まる。
「そうだ俺は今日、全力で3kmを走ったんだ」
「まずは、関東大会に向けて準備をする事」
「そして、その中でもっとレベルアップを目指す」
――関東大会まで後、3週間。
「大会までの、5回のポイント練習を、
どうこなすかが、大切になってくるな」
――早速、金子に電話してみよう。
「もしもし、監督ですか?」
「おおっ!どうしたリキ」
――取り組みたい練習の内容を伝えた。
「なぁ、リキ。焦ってないか?」
「いえ、僕は冷静です」
「ならどうして突然」
「剣川天空に追い付きたいから」
――やはりそうか。
「僕には、スピードも、スピードを維持する、
持久力も足りていない」
「だからそれを鍛えるのは当然です」
「分かってる。でも、練習の負荷が強くなれば、
それだけ故障のリスクも増える」
「お前は、まだ成長期だ」
「はい。だから無理はしません。
ポイント練習の時に、集中して取り組みます」
「皆と力を合わせて」
「皆か?」
「はい。チームが一丸となって、
お互い助け合い、切磋琢磨する。
こうやってチームは強くなります」
「そうだな」
「分かった。これからチームの練習は、
お前が、前に出て引っ張れ」
「お前がその目標に向けて練習する事で、
皆の練習のレベルも確実に上がる」
「はい。ありがとうございます」
――俺が、もっとチームを強くしてやる。
――そして3日後の水曜日、ポイント練習の日を迎えた。




